Googleは2015年11月16日(現地時間)、検索における複雑なクエリに対する理解と回答強化が出来るようになったと発表しました(「The official Google Search blog」英文)。
どういうことか?
Googleアプリや音声検索における理解から順に、検索クエリ(口語体や文章が多い疑問文等)の意味を理解し、回答できるように”なりつつある”ということです。”なりつつある”というのも、Googleアプリで主に発揮するようで、しかも英語から順繰りに強化されてくるためです。
対象となる検索クエリ例としては、具体的に、最上級を問う(「最も○○な…」等)クエリや、過去の時点での状態を問うクエリ(「19XX年の時の○○は?」等)、またそれらが組み合わさった時のクロス質問クエリ(「19XX年の時に○○が△△した□□は?」等)で、検索結果画面にナレッジグラフやアンサーボックス(≒ワンボックス)、カルーセル等で表示されます。
試しに「最も有名な日本人野球選手は?」(「Who are the most famous japanese baseball players」)と検索したら、英語版検索結果でも日本語版検索結果でもカルーセルが表示されました。どちらもイチロー選手が一番有名なのかもしれませんが、英語版だとダルビッシュ選手の方が左寄りに、日本語版だと松井秀喜選手の方が左寄りになっているのが気になります(笑)。使われている写真も異なりますね。
で…原文ではなんと?
実際「The official Google Search blog」では、どう案内しているのか…超意訳気味に全文を訳してみましたのでご紹介します。
私たちは、2008年に音声検索に対応するようになり、2012年にナレッジグラフを編み出しました。子どもが「ママ」や「車」のような単語を初めて発するように、ナレッジグラフもまた「バラク・オバマ」や「シャー・ルク・カーン」等の実在するものの情報を提供し始めました。そして、簡単な質問(「スタン・リーは何歳?」や「レオナルド・ダ・ヴィンチは何を発明したの?」)に答えられるようになったことで、単語単位に対する平面的な情報提供から卒業することができました。その後ちょっとずつ賢くなり、例えば「スクリュードライバーの材料は?」と質問した際に、スクリュードライバーが道具ではなくカクテルの事だと理解できるようになっています。
そして今、私たちはさらなる「成長」を遂げています。Googleアプリは質問している内容の意味を本当に理解し始めているのです。私たちは、検索における質問の本当の意味や意図を理解できるように、各言葉を紐解いて分析・研究し続けています。
そんな中、正しい事実を見つけ出し、有益な答えを構成するためには、ナレッジグラフがより重要になると判断しました。そして、より複雑な質問に答えるためにナレッジグラフ自体もテコ入れしていくことが重要だとも判断しています。
以下、私たちが理解できるようになったいくつかの新しいタイプの複雑な質問を紹介しましょう。まず「最も高い」「最も大きい」というような、最上級を表す質問クエリを理解できるようになりました。実際にGoogleアプリでは以下のような質問に対応しています。
- 「マーべリックスの選手の中で一番背が高いのは誰?」
- 「テキサス州で一番大きな都市は?」
- 「アイオワ州の中で一番面積の広い都市は?」
次に、特定の時間について疑問に思ったことはないでしょうか?私たちは年代に関して深く理解できるようになったので、さらに以下のような質問にも対応できます。
- 「1965年のシンガポールの人口は?」
- 「2014年にテイラー・スウィフトが収録した曲は?」
- 「2013年の国王の名簿は?」
最後に、複雑な組み合わせも理解し始めています。例えば以下のような質問にも答えられます。
- 「セス・ガベルの義父の映画は?」
- 「バーニー・サンダーズが生まれた時のアメリカの人口は?」
- 「エンゼルスがワールドシリーズで勝利した時のアメリカの総理大臣は誰?」
私たちは引き続き学習と成長を続けていますが、まだまだミスがあるのも事実です。例えば、「映画の中でのダコタ・ジョンソンの母親役は誰?」と検索すると、映画「50 Shade of Grey」でアナスタシア(ダコタ・ジョンソン)の母親役を演じたジェニファー・イールではなく、ダコタ・ジョンソンの本当の母親であるメラニー・グリフィスの名前が検索結果に出てしまったりします。
とにもかくにも、試しに何かあればGoogleアプリに都度質問してみてください。検索意図を把握できるように私たちが頑張っている努力も伝わると思います。
こんな感じでしょうか。具体例に関する表示等に関しては、「海外SEO情報ブログ」を通してご確認くださいませ。分かりやすくご説明してくださっています。
加速するGoogle
RankBrainという人工知能やTensorFlowという機械学習、さらに今回のような言葉や文章の意味理解等、ここにきてGoogleの機能は加速してきていますね。
これを受けてSEO業務の末席に身を置いている私としましては、クローラーのためのコンテンツ云々ではなく、やはりユーザーにしっかりと分かりやすく深い情報を与えることだけを考えてコンテンツ設計していくことで、後々Googleがついてくるようなイメージでコンテンツを捉えていった方が良いなぁとつくづく感じました。