• SEO業者がGoogle検索をダメにしている!?

SEO業者がGoogle検索をダメにしている!?

ちょっとSEO界隈で少しバズっている内容について、私の見解を記載しておこうかなと思います。端的に言うと、「Googleの検索結果ってクエリによっては本当に酷い」「クエリによっては検索上位をリスティング広告やSEO施策を行っている品質の悪いWebサイトが席巻してしまっている」「Googleに取って変わる検索ポータルがいつ出てきてもおかしくないのでは?」「Googleの検索結果をまともにするアプリ登場」のような流れが世界的に…日本でも存在しているようです。そして、その元凶がSEOを死活問題にしている人達かもしれない、という部分について私なりの見解を書いておこうかと思います。

「Google検索はオワコン」という海外の記事

DKBというブログサイトで現地時間2月15日に「Google Search Is Dying」という記事が上がりました。内容に関しては、私が和訳するより、GIGAZINEのフォローアップ記事が分かりやすいので、そちらをご覧ください。

 
これは海外での話ですが、内容を簡単に申し上げますと、「Google検索は終わっていて他の検索エンジンに取って変わりつつある」「今なら他のメディアやツールがチャンス」等という主旨で、Google検索が他に抜かれてしまう原因はGoogle検索の品質の低下にあると言われています。その品質の低下の理由を大きく2つ挙げており、ひとつは「リスティング広告」、もうひとつは「SEOによる攻略で不当に上位にあるWebサイトがあるから」とのことです。

 
DKBによると、2022年2月時点で最も人気のある検索エンジンはソーシャル掲示板サイトのRedditだとのこと。ただし、Redditの検索インターフェイス自体は満足のいくものではないので、ユーザーはGoogleで「検索ワード+reddit」というフレーズを使って検索しているそうです。

引用)GIGAZINE

 
なぜRedditが検索先として選ばれているかについて、DKBは「その端的な答えは、Googleの検索結果が明らかに死にかけているからです」と主張。事実に基づく情報に関してはまだまともな結果を出していると認めるものの、レビューやレシピを検索した場合には、「アフィリエイトリンクと広告で埋め尽くされたSEO最適化されたサイト」ばかりがヒットするとDKBは指摘します。

引用)GIGAZINE

 
次にDKBがGoogle検索の問題点として挙げているのが「SEO対策」についてです。SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)とは、検索エンジンでヒットしやすいようにするマーケティング戦略のこと。このSEOによって「Googleで上位に食い込むこと」を唯一の仕事にしている人が山ほどいるため、「傾向と対策」が重視されて検索結果の品質が悪化しているのだとDKBは指摘しています。

引用)GIGAZINE

この海外の記事が波紋を呼び、日本にまで広がった印象です。

まとも検索の登場

そして、2月22日のねとらぼで「Google検索を“まとも”にしてしまうウェブサービスが公開」という記事が出ました。

 
「まとも検索」というアプリ。要は、Googleの検索結果に余計なWebサイトが登場しないように、検索時に検索コマンドでsite:公的ドメイン指定を活用した検索結果を表示してくれるジェネレーターみたいなものです。我々のように検索を生業とする者からすれば知っている検索方法ですが、これを誰でも利用できるように簡単操作化したものですね。そして、このアプリの評判が良いらしいです(N数が分からないので、多少は盛っている可能性はありますが…)。

 
「まとも検索」では、「公的機関に限定」「医療情報に限定」「国内論文限定」「pdfのみ」「英文論文に限定」の5つのフィルターを用意。

引用)ねとらぼ

 
こういうアプリが喜ばれるって…私は分かっていませんが、検索クエリによっては本当に酷い検索結果なのかもしれません。

Googleの検索品質が悪いのはSEO業者のせい?

「Google検索がオワコン」という記事は世界的な内容ですので、私には世界のスパムがどれくらいか(公表数字上では知っているものの)実際に体感していないので分かりません。しかし、日本でも一部酷い検索結果が表示されている事実はまだあるようです。GoogleはAIを駆使したりスパム対策を施したり、日々取り組んでいますが、一方で悪質なSEOを行おうとするSEO業者やアフィリエイターがいるせいで、イタチごっこ状態なのではないかということです。

確かに、アフィリエイターの中には、生活が懸かっているため1日でも多く検索上位にいたいという思いから、かなり自分の体験に依存した独特なSEO施策を行っているのは私も知っています。そういう話や実際に行っている人の話も聞きます。具体的には中古ドメインを購入したり、それらしい内容から上手く情報をズラしていくコンテンツだったり、「よく考えるなぁ」とある意味感心するようなことを真剣に行っています。また、SEO業者の中でも効果なんてほぼ無いと伝えていても取引先の要望に合わせて実施していることもあるでしょう。さらに、本来行うべきでないようなSEO施策でも「今、そういう(あざとい)ことを行っているWebサイトが上位表示されているから同じことをやろう」という意見を持ったり、伝えたりして取引先のWebサイトにも同様の方法を施してしまうケースもあるのではないでしょうか。

そういう意味ではSEOを生業とする業者やアフィリエイター等の、いわゆる「SEO自体を死活問題にしている人」による影響はあるのだと思います。実際、それまでの事業売上が1億だった企業がSEO優位になることで3億円にまで売上が上がるなんてことだってできる時代ですからね。

ちなみに、私は以下のような意見を持って取り組んでいます。

日本にはWebサイトを立ち上げる上で「フォントの大きさはこれくらいにすると良い」とか「この業界はこういう内容で設計すると良い」等の指針を提示する機関や法律はない。韓国のようなブロードバンド国家においては、業界次第で国からそういう指針が発表されているくらいなのに。
日本ではそれが明確になっていないから、Googleのガイドラインが非常に重要。Googleのガイドラインは検索者だけではなく、Webサイトのアクセシビリティとユーザビリティ向上、健全なエコシステムに大きく貢献している。だからこそ、Googleのガイドラインに合わせた推奨事項を我々のようなSEO業者の人間がより多くの人に伝達していくことが大事。
但し、それをビジネスにしようと思うと困難な状況に陥ることがある。SEO上の最適解がビジネス上の最適解とは限らないからだ。取引先の希望する内容がリスクを孕んでいる場合は、そのことを明確に伝え、修正すべき施策内容や推奨事項、妥協案を提示することは必ず行う。それでも取引先がリスクを孕む施策を行うというのなら、外部の私に止める術はない。

 
ここでは書けないもっと突っ込んだ感想もあるのですが…願わくば、世界中のサイト運用者がGoogleガイドラインを全て理解することで、SEOそのものを生業とせず、もう一歩踏み込んだところでビジネスできればと個人的に思っています。今はまだ充分にそれができていませんが…私の目指すところですね。

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