先日のGoogleのウェブマスターオフィスアワーでも話題になっていた中古ドメインについて話したいと思います。人によってはオールドドメインとか言ったりしますが、まぁ要は「以前に何かのWebサイトで使われていたドメインであれば、検索順位が上がりやすいんじゃね?」という(アフィリエイター界隈での)噂話ですね。
メカニズムと現実問題を探る
まず初めに、私は中古ドメインに関してはあまり関心が無い考えです。その上で、Google及び私の見解をご説明させていただきます。中古ドメインが効果的であるメカニズムとしては、理屈では以下のことが考えられます。
「外部リンクを受けやすいコンテンツを作る」ということは大事ですが、私が経験している限り、実際コンテンツがある程度外部リンクを受けるようになるまで何年もかかります。ですので、予め外部リンクが付いている(残っている)中古ドメインであれば、そもそもアルゴリズム上、有利なのではないかという仮説です。一方で、
という(Google側及び私の)意見もあります。詳しくはウェブマスターオフィスアワーの金谷氏の(ポジショントークを含む)コメントをご覧ください。とはいえ、私も個人的に相当な数のサイトを立ち上げてきましたが、新規ドメインでサイトを立ち上げて一般検索からの流入が増加し始めるのはだいたい8ヶ月くらいかかりました(詳しくは「立ち上げから8ヶ月目が勝負」参照)。
一方で、(死活問題として懸命に個人検証を繰り返すアフィリエイターを中心とした)一部のSEO現場実施者からは以下の意見がチラホラTwitterで垣間見えます。
確かにM&Aによって営業終了したサークルKサンクスの中古ドメインの高額入札に関しては業界で相当な話題を呼びました。
引用)ITmedia NEWS
実際に現場でゴリゴリにSEOを効果検証しているアフィリエイターのPDCAは相当なものだと思われます。法人格でコンサルティングしている私たちは表現や提案、共有、伝え方にも注力しますが、彼らは自分のために自分で検証しているので、誰かに提出する必要もなく、その分自分だけのインプットに注力できます。だからかなり個人ノウハウを溜めているはずです。その彼らが「実際に効果が出ている」というのであれば、それはその通りなのかもしれません。都市伝説的な“ドメインパワー”というやつでしょうか。
長期的に見れば…どっちが得なのか
前述を踏まえた上で、例えばポコポコサイトを作って、検索上位になった旬なサイトでビジネスをして…常にその売上の山を作り続ける、という運営のしかたであれば中古ドメインでも良いのかもしれません。しかし、そのやり方自体がサイト単位でコンテンツ注力できない方法ですし、未来的なサイト運営方法ではないので、そもそもオススメできません。
そして、コンテンツに注力して長期的に愛情の注げるサイトを運営していくのであれば、サイト名を表現していないドメインで運用するのはあまり好ましくないですよね。なんか気持ち悪いですし、ユーザーにも覚えてもらいにくいはずです。そして何年も運用すれば、中古ドメインだって新規ドメインだってほぼ同じ価値になってくるでしょう。それだったら、私は最初から自分の気に入ったドメインを取得してまっさらなところから始めるべきではないかと思うのです。
ハイブリッドな案として、「最初は中古ドメインで、安定してきたら301リダイレクトで…」という考えもあるかもしれません。しかし、301リダイレクトをかけ続けるのであれば、それこそ永久的に中古ドメインも保持しなければなりませんし、結局いつか中古ドメインを手放すのであれば、(「結局中古ドメイン不要かい!」という点で)中古ドメイン効果について理論上破綻していることにもなりますよね。初速の検索順位お手伝い程度で考えるのであれば、それこそ無駄遣いせずに、そのお金でより効果的なものに投資した方が良いと思います。最初だけSNS投稿を記事広告化するだけでも効果的だと思うのですが…。
いずれにしても、レンダリング開始時期よりもドメイン年齢が圧倒的に古く、テーマ性が無いドメインは効果を調整されるはずですので、今後中古ドメインの購入を検討されている人は慎重になった方が良いですよ。