Googleは米国現地時間1月5日、英語版にてスニペットの管理とmeta descriptionについてのドキュメントを更新した旨を発表しました。結論から申し上げますと、検索結果の表示ブロック内におけるスニペット表示(説明文のところ)の最優先元はコンテンツ本文であり、meta descriptionの内容は最適だと判断された時のみ、って感じです。既にmeta descriptionは検索ランキングに影響はしていませんが、おそらくテキトーに同じような文言を各ページで設定しているサイトが多いため、Googleはコンテンツ本文からの抜粋に重きを置くようになったのだと思います。
とはいえ、極力能動的にSEOを捉えて進めたい人にとっては「じゃあコンテンツ本文からの切り出しをGoogle任せにすべきか」という意見もあろうかと思います。そこで、私の見解までご紹介していきたいと思います。
Clarifying primary source of snippets
What: Clarified in our documentation about snippets that the primary source of the snippet is the page content itself.
Why: The previous wording incorrectly implied that structured data and the meta description HTML element are the primary sources for snippets.
スニペットの優先する引用元を明確化
事象: スニペットの優先する引用元をページコンテンツ自体からとする旨でスニペットに関するドキュメントを明確化。
理由: 従来のドキュメントでは、スニペットで優先する引用元は構造化データとmeta descriptionであるような誤解を招く書き方になっていたため。
引用)Latest documentation updatesより一部
どういうこと?
まず、現在の日本語版のドキュメントである「検索結果のスニペットを管理する」をご覧ください(英語版は新しくなっており、今は日本語版で古い状態の内容を確認できます)。
スニペットの生成プロセス
スニペットはページコンテンツから自動的に生成されます。スニペットは、ユーザーの特定の検索内容との関連性が最も高いページコンテンツを重点的にプレビューするように設計されています。つまり、Google検索では、検索ごとに異なるスニペットが表示される可能性があるということです。
サイト所有者は、主に2つの方法で、Googleが生成するスニペットに対してコンテンツを提案できます。
- リッチリザルト:構造化データをサイトに追加すると、Googleがページの内容(レビュー、レシピ、ビジネス、イベントなど)を把握しやすくなります。リッチリザルトによって検索結果でのサイトのリスティングが向上する仕組みについてはこちらの詳細をご覧ください。
- メタ ディスクリプション タグ:Googleでは、ページコンテンツから直接取得できる情報よりもページの概要をユーザーに正確に説明できると判断した場合、<meta>タグのコンテンツを使用してスニペットを生成することがあります。
引用)Google検索セントラルより一部
この内容を読むと、Googleの検索結果に出てくるスニペット部分は構造化データでマークアップした情報が優先して表示されること、またmeta descriptionに記載した文言が優先して表示されること、の2点から成るという印象で、そういう理解をする人が多いと思います。これが誤解を生むとGoogleは考え、現在は以下のように文言を変えています(まだ変更したのは英語版のみ)。
スニペットの生成プロセス
スニペットはページのコンテンツから自動的に作成されます。スニペットは、ユーザーの特定の検索に最適と思われるページコンテンツ箇所を強調して表示するように設計されています。つまり、Google検索では検索単位でスニペットが異なって表示される可能性があります。
スニペットは主にページのコンテンツ自体から作成されます。但し、ページから直接取得したコンテンツよりも正確なページの説明をユーザーに提供できていると判断した場合、Googleはmeta descriptionのHTML要素を活用することがあります。
引用)Google Search Centralより一部和訳
つまり、Googleがスニペットに活用するのは、あくまでもページ内のコンテンツ本文からであり、それはクエリ単位でピックアップする箇所やハイライトする箇所が異なるよ、という話です。そしてコンテンツ本文に適当な文言が無い場合において、(コンテンツ本文内容を的確に表現しているのであれば)meta descriptionの内容を採用することもあります、という話です。
まぁ、SEOを現場で検証している人にとっては既に理解している内容だとは思いますが、このタイミングでGoogleがドキュメントを整理したというのであれば、いよいよその趣向が高まっている証拠なのかもしれません。
背景にあるのは皆イイカゲンなmeta descriptionを設定しているから?
以前にどこかでGoogleの中の人が言っていた気がするのですが、世界的に、Webサイトを制作する上で、サイト内の全ページを同じmeta descriptionでコピペしているサイト運用者や営業販促文言を記載するだけでページ内のコンテンツを表していないサイト運用者が多いとのことでした。
Googleとしてはこんなのばっかりが横行しているくらいならスニペットとして採用する箇所をクエリに合致するコンテンツ本文からピックアップしたほうが検索者に伝わりやすいと判断したのだと思います。
そして、スマホを意識してコンテンツ本文をアコーディオン形式で隠すコンテンツページもありますが、モバイルファーストインデックスの今の時代において、アコーディオンで隠れたテキストをスニペットに採用しても検索者にはすぐに分からない(スニペットとリンク先のコンテンツがすぐに紐づかない)という理由から、アコーディオン形式等、ユーザーアクションがあって初めて閲覧できるテキストコンテンツはスニペットに採用しないようになっています。
meta descriptionは記載しなくて良いのか
ここまでお読みいただければ分かると思いますが、「じゃあ、わざわざ時間をかけてmeta descriptionなんて記載しなくて良いのでは?」という考えになると思います。はい、それが正解です。Googleがコンテンツ本文からクエリに合致した箇所をピックアップして、スニペット化してくれるので、Google任せで良いと思います。
ただ、もっとマニアックにSEOを追求・検証したいというのであれば話は別です。Google側はプラットホームとしてコンテンツ本文から任意に機械的にピックアップしますので、クエリが合致している箇所以外は「…」みたいな形で変に省略されてしまいます。そのせいで、(直感的な印象としては意味が分かるものの)検索者にはスニペット内容が説明文として良く分からないままクリックする判断をしなければならず、それではクリック率の停滞に繋がってしまいます。
クリック率の停滞に関して…もしくは表示ブロックのクエリに対する需要の充足性という観点で申し上げますと、以前にもこのブログでご紹介したNeeds Metの見地で間接的にランキング評価に関わってくるとも思われます。つまり「検索結果画面で表示されているコンテンツページとその表示内容が検索心理を満たしているかチェックする」ことを考えるとしっかり説明文として組み立てたテキストのほうが良いのではないか、と考えています。
そう考えると、しっかりと、対象クエリ(キーワード)を加味して適切な文字数でmeta descriptionを設定しておくと良いのではないか、というのが私が推奨する考え方です。まとめると以下です。
- 時間が無い、SERPsからのクリック率をそこまで気にしない、Needs Metの概念を自社サイトにおいては捉えない ⇒ meta descriptionは空白にしてコンテンツ本文からGoogleが任意にピックアップするのを任せる
- 時間はある、SERPsからのクリック率を追求したい、Needs Metの概念を考えるとSEOに関して積極的にPDCAを回したい ⇒ meta descriptionに想定クエリを入れ込み全角80文字前後以下を目安にライティングする
皆様はどちらを選びますでしょうか?