• 外部リンクの効果判断材料

外部リンクの効果判断材料

外部リンクの判断材料
仕事柄、お取引先の企業ご担当者様からWebMasterToolの閲覧権限を付与頂いたりしているのですが、定期的に「うちの外部リンクでSEOに効果的な感じのやつを分析して」なんて依頼されたりします。「まぁ、なんて乱暴な依頼(笑)」などと言いながらも思いっきり私見と偏見で調査しています。

前にも「Links or Contents」でリンクの受け方について述べましたが、被リンクの効果なんて厳密には分かるはずもなく…ただそこになんとなくの指標が必要なだけで、企業のご担当者様側もその辺の理屈は理解されつつも私にその”なんとなく”を依頼されるのだと思います。運用していれば当然、有象無象のリンク元が出現してくるのですが、ネガティブSEOとしての攻撃も含めて「このリンクは何のために受けたリンクなのか」や「どういうリンクを受けることがSEOに効果的なのかが分かれば、今までは意識せず作っていたコンテンツも、リンクされるコンテンツを能動的に制作できるのではないか」という仮説のための検証ですね。それは非常に大事なことだと思います。

また、先日あるコアなアフィリエイターたち数人とお会いする機会があり、その際に私から「効果的な外部リンクってなんだと思いますか?」という無茶な質問をしたことがあります。その時に皆さん口を揃えて仰っていたのは「そのリンク元はちゃんと運用されているメディアかどうか」ということでした。そして、そのちゃんと運用されているメディアかどうかの判断軸が皆さん違っていて、それぞれ固有の判断材料を持っており、それを言い合うのが面白かった記憶があります。

外部リンクの効果判断材料としては、単純にリンク元のドメイン年齢がどうとか、リンクのアンカーテキストがどうとか、リンク元のリンク元がどうとか数多くありますが、ここでは私の思う”ちゃんと運用されているメディア”かどうかの判断材料をご紹介したいと思います。

そもそも、リンク元をマクロ的な視点から見ると、IP分散がどうとか、それこそアンカーテキストに偏りがあるかとか、被リンクページが分散されているかとか、よく耳にしますが、それって有料リンクを考える時に出てくるような話であって、効果的なリンクかどうかを判断するには1本1本をミクロ的な視点で検証しなければならず、しかもその積み重ねの結果にマクロ的なプロファイリングができるはずです。従って、今回のように「貼られているリンクの中で効果的だと思われるリンクを知りたい」という与件においては関係ないということを予め述べておきます。

馬力のあるメディアとは

さて、話は逸れましたが、私がリンクを効果的かどうか判断するのによく使う言葉として、”加速力”と”馬力”に例えたりします。”加速力”はクローラーに対してファインダビリティ(見つけやすさ)の高いものを指して例えています。もちろん内部コンテンツが優れていることが前提の話ですが、ソーシャル等からのリンクがこれにあたります。Google+やはてな、NAVERまとめ等からのリンクはクローラーに見つかりやすく、SEO判断を早めにしてくれる印象があります(もちろん判断結果は内部コンテンツの優劣に依存します)。従って内部コンテンツが優れているのであれば、より早く効果をもたらすプロセスになってくれるはずです。
“馬力”とは、いつまでもリンクパワーとして寄与してくれるもの。いわゆる最高速度の伸びみたいなイメージですね。ちゃんとしたメディアからのリンクはいつまでもSEOに効果的な役割を担ってくれるものです。今回はこの”馬力”の方のメディアを”ちゃんと運用されているメディア”として捉えつつ、その判断材料をご紹介します。
インバウンドリンク

ドメイン年齢

まぁ、1年以上あれば大体同じ印象です。ただ、ドメイン年齢と(後述する)ページ数を方程式化し、5年以上のドメイン年齢なのに5ページしかないリンク元サイトはおかしいという判断をしたりします。もちろん5ページで完結しているサイトであれば問題ありませんが、サイトのテーマは壮大なくせにまだ一部しかアップされていないようなサイトが5年以上続いていたら…それはちゃんと運用していないメディアという判断をします。

ahrefsのランク

リンク等を分析するhttps://ahrefs.com/というツール(私は「エーエイチレフス」と呼んでいます)を利用して、リンク元(Backlinks/Ref pages)を.csvで掃き出し、ahrefsオリジナルの指標であるDomain Rankを見ます。私が色々見る限りの印象ですが、個人系のブログやアフィリエイトサイト等は50未満が多い気がします。50以上からのリンクは結構ドメインパワーが強い印象で、10~20は質の悪い有料リンクであることが多いです。有名メディアや企業サイトになると70越えは当たり前になってきますが、しっかりと運用しているとこのランクが上昇する傾向にあるので、ここもひとつの判断材料にしています。ちなみにこれは絶対的に検証する要素ではなく、企業サイトへリンクされている一覧の中から相対的に検証するための要素として見なければなりません。飽くまでも第3者ツールによる数値ですので、相対的傾向値として捉えるべきだと考えています。

指名検索によるサイトリンク

リンク元サイト名で一般検索をした時に、サイトリンクも出ないようなサイトはいかがなものかと…。しっかり運用していれば半年以内には出るはずのサイトリンクが指名検索でも出現しないのは、運用していないかサイト構造があまりにも破綻しているかのいずれかだと考えています。運用していれば気持ち悪いはずなのにサイト構造があまりにも破綻しているのはちゃんと運用されていないメディアなのかなぁ、と思います。

ページ数と更新頻度

Wayback Machineやキャッシュを確認すれば更新状況は分かりますし、サイトマップや「site:(URL)」検索でページ数やインデックス数は確認できます。これが最も”ちゃんと運用しているメディア”かどうかを判断しやすい要素ですが、ちょっと注意が必要です。2ヶ月に1回程度の更新の場合、それが適切かどうかの判断はサイトの中身によって異なります。分かりやすく例えるならば、ノウハウを紹介するようなメディアであれば、それは恒久的に使える内容にもなるので、更新頻度は低くても良いかもしれません。しかし、最新情報を紹介するようなメディアであれば更新頻度は高くなるはずです。それによって2ヶ月に1回程度の更新が適切に生きているサイトかどうか変わってくるので、一概に更新頻度とページ数だけで判断することはできないのです。

存在目的

メディアには大義があったりするものです。わざわざ不特定多数に見られるサイトを立ち上げるくらいですから、(個人的に書いているブログ等ではない限り)誰かに伝えたい意図があるはずです。でも、変な有料リンクのリンク元サイトには「医者の転職の勧め」等というサイト名でありながら、脈略なく「キャッシングのノウハウ」「引っ越しするなら…」みたいなバラバラなコンテンツがあったりするものです。そのメディアが存在する目的が分からないんです。それはちゃんと運用されているメディアとは言えませんよね。私がサイトを運用していく上で、関連して関連して…結果的に「風が吹けば桶屋が儲かる」という形でページが増えることはもちろんあると思いますが、メディアの目的が見えないものは”ちゃんと運営されているメディア”とは言い難いものです。

細かいケア

リンク元サイトのソースを見れば、リダイレクトやGoogleAnalytics、解析ツール等のタグの埋め込みがされているかどうかが分かったりします。また、余計なパラメータ付きのURLを排除するためのrobots.txt、sitemap.xmlの設定等もされているようであれば、しっかり運用を心掛けている証拠であり、”ちゃんと運用しているメディア”という判断ができたりもします。要はリンク元メディアを大量生産なんかしていたら出来ないことですね。大事に運用しているメディアであればこういうこともしてありますし、そういうメディアからのリンクであればきっとSEO効果ももたらしてくれるはずです。

そこからの流入数

あ、解析ツール等を見てアクセスがあるようなリンクならそれは間違いなく効果的です。実際にユーザーが見て来訪してくれているんですもの…。私から言わせればたとえrel=”nofollow”でもそれは効果的だと考えています(極論ですが)。ユーザーがリンク先サイトまで来訪するという点では、既にそのリンク元サイトに来訪者が集まっている証拠であり、ちゃんと運用されているからこそだと思います。ただ注意点を挙げるのであれば、同業者からのリンク確認クリックということですかね。調査されてクリックされたということも考えられますので。

リンク元サイトのリンク元サイト

リンク元サイトがしっかり運用されているのであれば、そのサイトにも被リンクがあるはずです。その被リンクを調査して今まで述べたことを確認すれば、結果的にリンク元サイトがしっかり運用されていることの裏付けになります。これはキリがない話になりそうですが、これを辿っていったり被リンク数を数えていくことで、リンク元サイトが生きているかどうか判断できると思います。

リンクの貼られ方

Links or Contents」でも伝達している通り、引用されるか推薦されるかのどちらかになるはずです。被リンク側が企業サイトの場合はサービスを謳っているものなので推薦されることが多いと思いますが、怪しい場合(有料リンク)はその推薦理由が不明確なケースが多いです。「なんでいきなりこの企業サイトを推薦しているんだろう」と思うケースが多々あります。普通に推薦するのであれば、そこに何かしらの理由が垣間見えたりするものなのですが…。

要は明らかな有料リンクを洗い出すこと?

以上の9つが私の検証材料なのですが、私はこれをエクセルで項目別の一覧にし、それぞれの評価を個別に基準化したポイントで算出しています。そしてそのポイント数が一定を越えた数値になると「効果的と判断して良いリンクでしょう」という形でご報告するわけです。
↓こんな感じで管理し提出しています↓
リンク管理
でも、今まで述べた私の口振りからお察しいただけると思いますが…要は目的が”変な有料リンクは無いか”ってことなのかもしれませんね(笑)。企業サイトには過去や現在も行っている有料リンクがあったり、競合他社からのネガティブSEOだったりもしますので…。しかし、飽くまでも今あるリンクをミクロ分析することによって”リンクを受けるためのコンテンツ作りのため”ということを目的としておきましょう。いずれにしても真意は企業のご担当者様にしか分かりませんから(笑)(…と言って私は明言回避)。

“今の”外部リンクを分析することで”これからの”外部リンクを知る

でも正直に述べますと、私も自分で運用するメディアに関しましてはこれと同じことを行っております。以前、私が運用しているメディアが2chで引用されたことがあったのです。ある言葉を詳細説明したコンテンツページがありまして…2chのコメントでは、その言葉の定義をまずは紹介した上で、ある企業をバッシングしたかったために引用されたようなのですが。その定義付けのためにリンクが貼られていたのです。それを確認した時に「なるほど。こういう使われ方をするのかぁ」と納得し、次のコンテンツ作りの参考になったことがあります。このリンクが効果的かどうかは判断に苦しみますが、少なくともそこからの流入は3程度ありました。2chという例がいまいちネガティブな印象かもしれませんが、こういうことを知るためにも外部リンクの効果検証は必要なんだと思います。

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