• 検索する気持ちに寄り添う

検索する気持ちに寄り添う

先日、「コンテンツの設計ポイント」という形で、6Sの相関性をご紹介しましたが、実際に私自身でライティングとSERPsを分析していくと追加で考えられる要素や手法が見えてきましたので、備忘録的に記載しておきます。

検索心理に寄り添うべし

インテント(検索心理)の中にはいくつかの「S」が含まれるというお話をしていましたが、検索ユーザーの中にある「求め」には以下のような「S」があると仮説付けられます。

  • Seek:捜し求める(答えがあるかどうかさえも分からないまま漠然と求める)
  • Struggle:あがき求める(辛い思いや悩み、苦しみから検索にすがる)
  • Sympathy:共感を求める(自分と同じ症状や状態を知りたがる)
  • Solution:解決を求める(自分の欲求や不満を解決してくれるものを求める)
  • Service:提供を求める(具体的に解決サービスを提供してくれるものを探す)

マッピングすると以下のような図ですね。

S

サイトを運用していると、どうしてもサービス提供側として、どんな検索心理であれすぐに自分達のサービスを紹介するように考えてしまいがちです。しかし、実はいきなりサービス紹介されると、ユーザーは比較検討したくなってしまうものです。「この商品が良いっていきなり言われてるけど、一応他の商品も調べてから検討しなきゃ」と思うのは人間の性ですね。結果、そのサイトページから離脱して他のサービスページと比較検討されてしまいます。結果、ビジネス機会の損失にも繋がってしまうわけです。

それよりもしっかりと上記各「S」に則してサービス紹介した方が格段にユーザーとコミュニケーションがマッチしやすくなります。つまり、ユーザーの気持ちに寄り添った形から入ったコンテンツ設計の方が結果的にコンバージョンしやすくなります。

検索心理に寄り添った方がコンバージョンと滞在時間が伸びる

以下はあるサイトページの例です。実際に、ある施策キーワードで検索上位のサイトページにおいて、もともとサービス訴求しかしていなかったページを設計しなおしたケースです。いきなりサービス紹介していたページを、ユーザーの気持ちを代弁するような内容に変えたところ、(検索順位と季節要因によってアクセスの母数は異なるものの)1週間で約3.6倍のコンバージョン数になりました。

情報設計例データ

検索心理に寄り添った方がCTRが上がる

また前項とは違うページですが、コンテンツの導入部分を変更し、StruggleとSympathy要素から書き出したことで、並行してタイトル(titleタグ)と説明文(meta description)を変更したページがありました。SERPsで表示が変わったタイミング前後の1ヶ月で比較したところ、検索順位や表示回数に違いはあるものの、検索からのクリック率に以下の違いが生じました。

情報設計例データ2

たかが0.何パーセントですが、クリック数は約1.2倍になっています。

ユーザーは自分の検索心理を言い当ててほしい!?

ここまでご覧になればお分かりいただけるかと思いますが、ユーザーはまず自分と等身大の情報を欲しがっているのではないでしょうか。つまり今の自分の気持ちを投影してくれるコンテンツ――つまり、言い当ててくれるところから始まるコンテンツに関しては、非常に興味深く閲覧してくれるのではないでしょうか。

そして、上記「S」で言うところのStruggleやSympathyから設計されたコンテンツはエンゲージメント度(愛着度)も高まり、結果的にそこが提供するサービスに対してもユーザーは積極的に関心を持ってくれるのではないでしょうか。寄り添うのは大事ですね!(ちなみに寄り添うことにも「Snuggle」という「S」があります…w)

サイト運用者の方は、是非ともクエリを分析しまくって心理を仮説付けし、等身大コンテンツを設計することから始めてみてください。ちなみに検索心理を仮説付けるのはGoogleではなく自分自身の目ですから、そこは様々な手法を使ってマーケティングすることを強くオススメします。

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