AI Overviews登場

米国現地時間5月14日にGoogle I/O 2024が開催されました。今年はそこまで画期的な情報は無い印象を受けましたが、目玉はやはり生成AI系だったかと思います。本ブログでも今後、数回に渡ってトピックを和訳しながらご紹介していきます。まずは米国でSearch LabsにおけるSGEからいよいよAI Overviewsという名前でデフォルト実装された、という内容です。こちらに関しましてGoogleの発表内容を和訳してご紹介します。
 

AI Overviewsは、米国で本日から全ユーザーに提供が開始され、間もなく他の国でも提供される予定です。AI Overviewsは、トピックの概略と詳細リンクの両方を提供します。AI Overviewsがあることで、ユーザーは検索をもっと使うようになり、検索結果にも満足する傾向が強いことが判明しています。https://blog.google/products/search/generative-ai-google-search-may-2024/

引用)@searchliaisonより和訳

Googleからの発表内容

まずは、米国現地時間5月14日にThe Keywordで発表されたGoogleからの内容を和訳しましたので、ご覧ください。
 

検索における生成AI:Googleが“あなたの代わり”に検索

拡張したAI Overviews、より多くの計画と調査機能、そしてAIによって整理された検索結果により、GoogleのカスタムモデルGeminiは検索をお手軽にします。

過去25年間、様々な技術革新の中で、Google検索にできることを再考・拡張し続けてきました。Googleは、ユーザーがWeb上の最高の情報を見つけられるよう、中核となる情報品質システムを丹念に磨き上げてきました。そして、人、場所、物事に関する何十億もの事実のナレッジベースを構築し、信頼できる情報を瞬時に得られるようにしてきました。
そしてこの度、生成AIによって、Google検索は想像を超えるほどのことができるようになりました。リサーチ、プランニング、ブレインストーミングなど、気になること、成し遂げたいことを何でも尋ねることができ、Googleがその作業を代行します。
これらは全て、Google検索用にカスタマイズされた新Geminiモデルによって可能になりました。マルチステップ推論、プランニング、マルチモーダリティなど、Geminiの高度な機能をGoogleのクラス最高の検索システムに統合します。
 

AI Overviewsで迅速な回答を得る

すぐに答えが欲しいのに、必要な情報を頭でまとめている時間がないことだってあるでしょう。AI Overviewsを使えば、Google検索がその作業を代行してくれます。
Search Labsでの実験を通じて、ユーザーはすでに何十億回もAI Overviewsを利用しています。ユーザーにはトピックの概略と、より詳しい情報を得るためのリンクの両方が得られることを好む傾向があるようです。Googleでは、AI Overviewsが利用できることで、ユーザーがより検索を利用し、その結果に満足しているということを理解しています。
そこで本日より、AI Overviewsを米国内の全ての人に提供し、さらに多くの国で近日中に提供する予定です。つまり、今週中に数億人のユーザーがAI Overviewsを利用できるようになり、年内には10億人以上に提供できる見込みです。

AI Overviewsを利用することで、ユーザーは、より複雑な質問の回答を探るべく、より多様なWebサイトを訪れるようになるでしょう。また、AI Overviewsに含まれるリンクは、そのクエリに対する従来のWebサイトページ一覧として表示される場合よりも、より多くのクリック数になることが分かりました。この体験を拡大するにつれ、パブリッシャーやクリエイターに価値ある流入数を送ることに引き続き注力していきます。これまで通り、広告はページ全体の専用枠に表示され、オーガニックとスポンサーの結果を区別するための明確なラベルが表示されます。
 

AI Overviewsを調整する

近々、AI Overviewsを調整できるようになり、言葉を分かりやすくしたり、より詳細の説明をしたりするオプションが追加予定です。これは、ユーザーが特定のトピックに慣れていない場合や、子供の好奇心を満たすために言葉を単純化しようとしている場合に特に役立ちます。

このアップデートは、米国の英語クエリを対象に、Search Labsで近日中に導入されます。
 

最も複雑な質問をする

GoogleのカスタムGeminiモデルのマルチステップ推論機能により、AI Overviewsはますます複雑な質問もサポートします。質問を複数の検索に分けるのではなく、最も複雑な質問を、ニュアンスや注意点を全て念頭に置いて、一度に行うことができます。
例えば、新しいヨガやピラティスのスタジオを探していて、地元で人気があり、通勤に便利な場所で、新規会員に割引特典があるスタジオを条件にしているとしましょう。近いうちに、たった1回の検索で「ボストンでおすすめのヨガ・ピラティススタジオを探していて、特典や割引の情報とビーコンヒルから徒歩どれくらいか所要時間を教えてください」という問い合わせだってできるようになるでしょう。

このようなマルチステップ推論機能は、Search LabsのAI Overviewsで、米国の英語クエリ向けに間もなく提供される予定です。
 

事前に計画を立てる

複雑な質問に対する正しい答えや情報を見つけるだけでなく、Google検索はユーザーと一緒に計画を立てることもできるようになります。
Google検索に直接プランニング機能が搭載され、食事や休暇に始まり、必要なあらゆるプランの作成をサポートすることができます。「大人数でも簡単に作れる3日間の献立プランを作成してください」などと検索すると、Web上の様々なレシピから発想の起点を見つけることができます。

回答の中からどれかを変更したい場合は、夕食をベジタリアン料理に変更するなど、必要な調整を簡単に頼むことができます。このように、Google検索はあなたの食事プランをカスタマイズします。食事プランは、GoogleドキュメントやGmailに素早くエクスポートも可能です。
このような食事や旅行のプランニングは、Search Labsの英語版で利用可能です。また、今年後半からは、パーティー、デート、ワークアウトなど、より多くのカテゴリのプラン作成もサポート予定です。
 

AIが整理した検索結果ページ

あなたが新しいアイデアを探している時、インスピレーションを受けたり、あらゆる選択肢を検討したりするのは大変な労力を要するでしょう。近い将来、アイデアを探している時、Google検索は生成AIを使って一緒にブレインストーミングを行い、AIによって整理された結果ページを作成し、簡単に探索できるようになります。
AIが生成したユニークな見出しの下に分類された有益な検索結果が表示され、幅広い視点とコンテンツタイプが紹介されます。

米国での英語検索では、インスピレーションを探す際に、この新しいAIで整理された検索結果ページが、食事とレシピから始まり、映画、音楽、本、ホテル、ショッピングなど、様々なジャンルも対象になります。
 

動画を撮ってAIに助けてもらおう

Google検索は、テキスト入力欄での検索以上のこともできるようになります。大抵における検索心理は、動いている物体を含め、周囲に見える物事に関するものです。
Googleのビデオ理解の進歩により、ビデオを使った質問もできるようになり、ビジュアル検索がまったく新しいレベルに引き上がりました。
例えば、リサイクルショップでレコードプレーヤーを買ったものの、電源を入れても作動せず、針が付いた金属部品が不意に動いてしまいます。ビデオで検索すると、この問題を説明する適切な言葉を探す時間と手間が省け、トラブルシューティングの手順とリソースを含むAI Overviewsが表示されます。

動画検索機能は、米国の英語版Search Labsユーザーを対象に近日中に提供される予定です。

これらは、GoogleがGoogle検索を再構築しようとしている方法のわずかな一端に過ぎません。まもなく、検索、簡素化、調査、計画、アイデア出し等、様々なことをGoogleが行ってくれるようになります。
Search Labsに登録して、これらの機能をいち早くお試しください。

引用)The Keywordより和訳

 

いかがでしたでしょうか?
動画要素が多いせいで、表示が遅れたり動画が止まったりしていて申し訳ございません。まとめると以下の点が挙げられます。
 

  • AI Overviewsによって概要を端的に説明し、詳細のリンクを表示することで、検索者の利用意欲と満足度は上がっている
  • AI Overviewsで紹介したサイトページの方が一般検索結果のサイトページよりもクリックされる
  • リスティング広告は従来通り表示される
  • 簡単な言葉で説明したり、専門的に詳細説明したりするオプション機能を実装予定(米国英語クエリのSearch Labsで)
  • 複合された条件の検索にも対処できる(マルチステップ対応)機能を実装予定(米国英語クエリのSearch Labsで)
  • 献立や旅行の作成を依頼後、食材や一部のメニューカスタム等も自由に依頼できる(英語版Search Labsで)
  • 今年後半からは、パーティー、デート、ワークアウトなどの計画スケジュールやカリキュラム作成もできるようになる
  • AIが編纂した検索結果を表示することもできる(米国の英語クエリで)
  • 動画を使った検索機能を実装予定(米国英語クエリのSearch Labsで)

 

日本は未導入であるものの…

今回のAI Overviews機能はまだ米国のみです。しかし、SGEはオプトインしていれば既に日本でも利用できますので、AI Overviewsが日本に導入されるのも時間の問題でしょう。パブリッシャー側で特別やれることはありません。でも、あえて言うならテキトーに上位表示サイトページの情報をツギハギしたサイトページは確実にAI Overviewsに負けるので、SEO評価(人からの評価もGoogleからの評価も)もされなくなるのではないでしょうか。

これからはより専門的で一次的な経験の質と量を持つコンテンツが人にもGoogleにも好まれるかと考えられます。

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