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アフィリエイトサイトはSEOに不向き?

色々と情報が独り歩きしてしまい、なんだかんだ「アフィリエイトサイトはSEOで成功しない」的な説が流れているようで…。私から言わせれば、アフィリエイトサイトが良くないのではなく、アフィリエイトサイトがやりがちな“近道(手っ取り早い流入を目的とした検索クローラーファーストなSEOアプローチ)”が良くないわけでして…。そこで今回ここでは、どういう“近道”が良くないか、いくつかご紹介したいと思います。

アフィリエイトサイト

Googleはアフィリエイトサイトかどうかで判断していない

Googleはアフィリエイトサイト自体が低評価になるとは一度も公表していません。もちろん、フィッシング詐欺や違法なサービスを行っているサイト等は様々な経路(フィードバックやサイテーション等の色々な要因)から判断しGoogle検索からの駆逐対象にはなりますが、アフィリエイトというビジネスモデル自体をGoogleは否定していません。嘘をついてアフィリエイトで儲けようとしたりするのが良くないわけで、「アフィリエイトサイト駆逐専用ランキングシステム」なるものがあるわけではありません。

偏見8割で話させていただきますが、アフィリエイトサイトを運用する人の動機は「楽して稼ぎたい」という期待が大いに含まれていると思います。「楽して稼ぎたい」ゆえに「とっとと稼ぎたく」なり、結果的に“近道”するSEOアプローチに走りがちになるのだと思います。ですので、繰り返しになりますが、アフィリエイトというビジネスモデルがSEO上の低評価に結びつくわけではなく、アフィリエイトに向けた運用者の“近道”がSEO上の低評価を生みやすくなるというわけです。

どんなことがSEO上の低評価を受けやすいか

というわけで、私が見てきたアフィリエイトサイトを運用する人が行いがちな“近道”のパターンをいくつかご紹介します。
 

中古ドメイン

まずアフィリエイターが一番最初にやりがちなのが、中古ドメインの購入です。中古ドメインの購入自体はそこまで悪いことではないのですが、Google側はあまり推奨はしていません。このことはウェブマスターオフィスアワー等でGoogleの各エヴァンジェリストも話しています。理由としては、「中古ドメインが過去、変なリンクを受けていたり等の低評価を受けていたりしたら、新しくサイトを立ち上げようともマイナスからスタートすることになるから」ということ等が考えられますが、実際に中古ドメインが検索上位表示されるケースは多いです。私の推察では、Googleとしては建前と現実の歯がゆさを感じつつ…中古ドメインに対しては何かしら手を打とうとしているのではないか、と思います。まぁ、サイト名とドメイン名が全然違うのも不自然ですし、でも一方で、運用している中でサイト名とドメイン名が異なってしまう自然性のケースもありますし、難しい問題ですね。
とはいえ、そのうえで私は中古ドメインの利用に関しては反対です。今は中古ドメインを正当に低評価するランキングシステムはありませんが、Googleはきっとこの辺の手を打ってくるはずです。少なくとも中古ドメインを購入する狙いが検索上位のことを考えている以上、良い結果にはなりづらいと思います。中古ドメインが新規ドメインよりアドバンテージを取れるのも数ヶ月程度だと思いますし、ちゃんとサイトに合ったドメインを購入するようにしましょう。
 

ドメイン貸し

これも中古ドメインと同じ動機で行われるものですが、こちらのほうはもっと明確に非推奨です。ドメイン貸しとは、権威性の高い法人サイトドメイン等からサブドメインを付与し、全く違う運用方針でメディア(アフィリエイトサイト)を作り、売上が上がったら貸主に利益分配するようなビジネスモデルです(お金の動きには色々ありますが、だいたいこんなケースが多いです)。アフィリエイト運用するような会社が法人サイトに持ちかけ、「売上が上がったらレベニューシェアしましょう」という提案をし、法人サイト側は「サブドメインを貸すだけでむしろお金が入ってくるなら美味しい」と判断して契約するケースです。これは世界的に横行したやり口ですが、今はあまり聞かなくなりました。
このドメイン貸しについてはGoogleは非推奨しており、「サブドメインであろうがルートドメイン全体でひとつのサイトとして見なすため、全然異なるサイト運用をサブドメインで展開し、それが何かしら低評価を受けてしまうと、サイト全体の低評価に繋がる」とのことです。このことからリスクを懸念した法人サイト側がアフィリエイトを持ちかけてくる会社を断るようになったため、最近はあまりドメイン貸しビジネスの話を聞かなくなりました。
 

運営元を明かさない

アフィリエイトサイトを運用する人は、運営元としてあまり自分や自分の会社名を明示しない傾向にあります。もしかしたら副業禁止の会社に勤めていたり、何かしらの炎上が怖いと思っていたりするのかもしれませんが、実名や住所、問合せ先電話番号まで詳細に記載しているアフィリエイトサイトってあまりないですよね。これがあまりGoogleが推奨しない現象に繋がります。Googleは、YMYL(Your Money or Your Life:ユーザーのお金を出させたり、ユーザーの人生を変えたりするほどの重要な内容や敏感な話題)やE-E-A-T(経験-専門性-権威性-信用性)という視点を重要視しており、そこには、読者の信用を得るほどのサイトや胸を張って情報を伝えられるサイトであれば、所在や問い合わせ先を明示できるはず、という判断軸もあると推察できます。逆に言えば、所在や問い合わせ先が不明瞭なWebサイトは信用性も低いわけで、それは何かしらのランキングシステムやシグナルで良い評価を受けづらくなるはずです。私もテキトーな言い方になってしまっていますが、事実、所在や問い合わせ先が不明瞭なWebサイトが上位表示されるケースは圧倒的に少なくなりました。
 

対して詳しくない分野に参入する

アフィリエイトサイトを運用する人は、先にも述べたように“近道”を選択しがちです。自分の得意分野で勝負するというよりは、「お金になりやすい領域で始める」傾向にあります。アフィリエイトの成果報酬が高額な業界でサイト運用しようとする人も少なくありません。結果、専門性も無く専門分野外でコンテンツを作成しようとします。

専門性がないにも関わらず、(“近道”を選択するような人ですから)業界勉強もそこそこにコンテンツを作成しようとするあまり、検索上位サイトをいくつか見て真似てツギハギしてコンテンツを形成するわけです。Googleは前項でも述べたE-E-A-Tという視点を重要視しています。そして、最近ヘルプフルコンテンツシステムを導入しています(ヘルプフルコンテンツシステム:検索クローラーのことしか考えずコンテンツ生成しており、人間が読んでも価値を感じないコンテンツページとそのサイトを低評価するランキングシステム)。

専門性も感じられず、検索クローラー向けのコンテンツに過ぎないコンテンツページやWebサイトは…評価を得られませんよね。いくらアフィリエイトが目的とはいえ、しっかり勉強するか元々自分が精通している業界でサイトコンテンツを形成するようにし、本当に読者ファーストで提案したいことを大義として持ったうえで運用するべきなのです。

検索キーワードと上位表示しか見ていないサイトはダメ

書いていて疲れてしまいましたので、今回は4つほどの視点でいったん終わらしておきます。でも、一番言いたかったことは4つ目の部分です。検索キーワードと上位表示しか考えていないから、網羅的な情報で広く浅いコンテンツを書き、その書いてある内容も検索上位のサイトページを2,3読めば分かるような内容に過ぎず、読んでも読者に利益がない、テキトーに1ページで完結するような内容。こんな内容のWebサイトページにファンなんてつきませんよね?

それでもアフィリエイト目的であれば、読者にとってはサービスの気付きにはなりますから、申し込むことだってあるわけです。そして成果が上がればアフィリエイトを運用する人からすれば成功なわけで…。ある意味それは読者とのマッチングは成立しています。

しかし、Googleにとってはどうでしょう?
GoogleはあくまでもWebサイト自体の価値で評価しているわけであって、Webサイト内で紹介される他社サービスで評価はしていません。だからGoogleにとって、そのWebサイト自体に価値がないと判断すれば評価はされず、結果、そのWebサイトは上位表示もされません。
検索キーワードと上位表示しか見ていないにも関わらず、SEOやGoogle検索を通してアフィリエイトで成功しようとしてはダメということです。そんな程度の考えくらいだったらリスクを冒してでも広告で流入させたほうが良いと思います(広告の場合、運営元が明確でなければ審査が通らない媒体が多いですが)。

アフィリエイトというビジネスモデルは副次的に考えること

じゃあ、アフィリエイトというビジネスモデルで成功するにはどうすれば良いか。
私から言えるのは「まずはWebサイトとして本当に読者に有益で啓蒙したい内容をプロ目線で伝えられるところまでメディア化すること。アフィリエイトはその副次的な要素や収入源として捉えることで、結果論として考える。アフィリエイトファーストでサイトを立ち上げてはならない」ということです。アフィリエイトで稼ごうとする気持ちが“近道”を生んでしまい、“近道”思考がGoogleの非推奨行動を生んでしまうと思っています。まずは自分のWebサイトとしての信条や大義を持つことで、前述の4つを行わなくなりますし、その姿勢が結果的により良いコンテンツとGoogleの品質評価に繋がり、最終的にアフィリエイトを行ってもスムーズなWebエコシステム(適切な売買のあり方)を実現するのではないでしょうか。
 
いかがでしたでしょうか。
アフィリエイトサイトとSEOの関係性について、私なりに説明させていただきました。これからアフィリエイトを行おうとする人も、今アフィリエイトサイトを運用してうまくいかない人も、参考にしていただけますと幸甚です。

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