7月20日時点でGoogleの検索品質評価ガイドラインがアップデートしていました。8月初めのコアアルゴリズムアップデート(Medic Update)より前の出来事になります。ちなみに今まで何度かご紹介していますが、検索品質評価ガイドラインとかGoogleの検索結果上位表示サイトが適切かどうかを判断するために、上位サイトを評価するためのガイドライン(指標)です。
変更点は?
今までの2017年3月時点と比較して大幅にニュアンス含め変更された感じがします。2016年3月時点から2017年3月時点では一部E-A-T(Expertise-Authoritativeness-TrustWorthiness)とYMYL(Your Money or Your Life)が付加された感じでしたが、今回のアップデートにより全体的にE-A-Tの要素が覆いかぶさるように反映されている印象です。
参考)TheSEMPost ※ 英文
Googleの検索品質評価ガイドラインが大幅更新。
取り急ぎ、重要な変更点は次の3つ。1. 「低品質」の定義が刷新
2. 著者情報&EATをより重視へ
3. YMYLに「安全性」が追加かなり大きく変更してきたな。
なぜか日本のSEO勢で全く話題になってないけど。— おおき/SEOコンサル(@ossan_mini) 2018年7月24日
YMYLの例に追加
やはりYMYLは変わらず重要で、人々の生活に影響を与えかねない部分に関してはGoogleも慎重に品質評価するよう促しています。今までのYMYLページに値するものは以下でした。
- ショッピングまたは金融取引ページ:ユーザーが購入や、預貯金、賃金等をオンライン(ECやインターネットバンキング)で安心して利用できるサイトページ。
- 資産運用情報ページ:人生に関わる投資、税、退職者計画、生活必需品購入に関するアドバイス、または保険等の適切な情報を提供するサイトページ。
- 医療ページ:病気や怪我、健康衛生、薬等に関するアドバイスを適切に提供するサイトページ。
- 法律情報ページ:離婚(に伴う親権)のような悩みについての法的アドバイスや注意点等を明確且つ正確に案内し、当事者に対して親身に情報提供しているサイトページ。
- その他:様々なYMYLと考えられるものがあり、幼児養子縁組や、交通安全情報等、日々の生活においてユーザーが正しく判断できる手助けになっているサイトページ。
しかし、ここにもう1つのサイトページ例が追加されています。
引用)Search Quality Evaluator Guidelines.pdf内 “2.3 Your Money or Your Life (YMYL)Pages”より意訳
要は、以前あった米国大統領選におけるフェイクニュースや該当ページの検索上位表示、日本においては医療系キュレーションメディアの台頭、非科学的な健康に関する記事等によって世間を混乱させた背景を受けて、追加した内容だと思われます。
E-A-Tに追加
今回の評価軸として、本当に「誰が言っているのか」という要素が強くなっている印象を受けます。特にTransactional Query(何か行動を起こしたい、サービスを受けたい)と思っているクエリやインテント(検索心理)に適した情報を提供する場合、本当に専門性が重要です。
医学や金融、法律等においては、正式な専門知識が非常に重要です。一方で、何かのコツの紹介やお笑いのような世界では、専門的な知識が不要なケースもあります。料理に関する専門ページの場合はプロのシェフが作っている方が良いでしょうし、YouTubeで人気の料理用ビデオを投稿したいのであれば、作成者が何者なのかが大事です。つまり、専門知識という面と、日常の英知という面を鑑みて価値を付ける必要があるわけです。一部の話題において、最も有益な情報源(判断材料)は、個人のブログやQ&Aサイト、評判サイト、掲示板サイト、等の、いわゆる生活に根付いて多くの人たちが共有しているものだったりします。
そのページの主旨において、専門性、権威性、信頼性を意味するのは何かを考えてください。専門家は、誰ですか?その話題における情報源は何ですか?その話題においてはどんなウェブサイトが高い信頼性を得ていますか?
引用)Search Quality Evaluator Guidelines.pdf内 “5.3 Very High Level of E-A-T”より意訳
Googleは、「話題によって異なる」と言っていますので、検索クエリによって、上位表示すべきサイトページの判断軸は異なるということでしょう。確かに、Transactional Queryに関しては、専門知識所有者がしっかりと述べた上で、これはサイトのサービス提供を受けたがっているユーザー向けなので「推薦力が高いサイトほど評価される=推薦が強いサイト=外部リンクによるシグナルが重要」となるでしょうし、Informational Query(何かの情報を知りたがっているクエリ)に関しても、その道の色々な意味での「プロ」が情報を紹介した上で、これは情報力の強いサイトの方が知りたい欲求を満たしやすいため「情報量や知識性の広さと深さが重要=コンテンツ力(量)によるシグナルが重要」となるでしょう。
ただ、いずれにしても「誰が言っているのか」という判断軸はしっかり持つように促されています。
サイトオーナーもしくは情報源を明確に
そうなると、いよいよ匿名でのサイト運用や特定しづらい情報源はE-A-Tの根拠付けが難しくなってきます。「~と言われています」なんていう文章が出現するようなコンテンツは信用性が極端に下がるでしょう。
同時に、欧米でも落ちる人は無名か、やり方が少々下手。
名前の表記揺れ多いとか。同姓同名が多ければGoogleは区別付かない。翻って日本の場合、特に今回の様なグローバルアプデを見てると、日本だけアフィサイトが企業に大敗する理由は、単に匿名文化が要因の一つである可能性がある。
— おおき/SEOコンサル(@ossan_mini) 2018年8月9日
日本人の名前出しに対する消極性や「察する文化」を考えると、確かに曖昧なケースが多いですね。サイトオーナー側からすればなかなか心理的ハードルが高いですが、閲覧者や検索ユーザーだけの視点で考えれば、情報発信者が見えた方が説得性は増しますよね。実際、発信者(ペルソナ)を明示し、明確化したサイトページの方が何かとコンバージョン率も高くなるでしょう。
とにかくコンテンツ構築時において、サイトオーナーは、関係各所にヒアリングしながらE-A-T判断していくことをオススメします。