最近、組織編成により新しくSEOを担当される方が増加傾向にあり、「そもそもSEOってどういうこと?」というご相談も多くなってきています。そこで、SEOの仕組みをざっくり分かりやすくご説明してみたいと思います。分かりづらかったらすみません…。
これからSEOを学ぼうとしている方へ
まずSEOとは、Googleが「どうやったら検索ユーザーにとって良いサイトを検索結果に表示させられるか」を模索しているということが前提です。そしてサイト運営者が「検索ユーザーにとって良いサイトになろう」と模索することです。でも、いつの間にか検索ユーザーを追いかけているGoogleをサイト運営者が追いかけているという現象になっています。
ですので、ここではGoogleが検索ユーザーに対してどういうことを心掛けているかご紹介し、付随するGoogleのアルゴリズム特性やシグナルをご説明することで、サイト運営者が気を付けなければならないことをご理解いただければと思います。
1.検索ユーザーにストレスを与えない
Googleは検索結果で表示したサイトに対して責任感を持っています。検索結果に表示されるサイトは、つまりGoogleが推薦しているサイトですので、検索結果に表示されるサイトが気に入られないとユーザーがGoogleを利用しなくなってしまいます。では、検索ユーザーが気に入らなくなるのはどんな現象か。まずは表示速度が遅いサイトはユーザーが嫌がるでしょう。単純にストレスだからです。後はコンテンツの配置がめちゃくちゃに崩れていたり、汚いサイトは嫌がるでしょう。
ストレスを与えないためにGoogleが施している評価軸例
そこでGoogleは表示速度をアルゴリズムの一部としたり、W3C(ウェブサイト標準化団体)に則したサイト評価基準を策定したり、ガイドラインを設けています。ちなみにガイドラインに関しては、どちらかと言うとGoogleは非推奨なことを具体的に紹介しています。推奨することは極力具体的には公表していません。なぜなら推奨事項を具体表記するとサイト運営者がそこだけを注視し、(逆手にとった)抜本改善にならないSEO施策を行うからです。これがGoogleとのイタチゴッコを誘発するわけです。
2.内容の辿り方が分かりやすいか
検索クエリ(≒キーワード)の中に検索ユーザー心理(=インテント)がどう含まれているかGoogleは分析し続けています。「きっとこういう検索をする人にはこういう情報が良いだろう」と仮説を繰り返しているわけです。にも関わらず検索結果から訪問したサイトの内容が分かりづらかったら…検索ユーザーは欲しい情報の取得ができません。
コンテンツ設計を評価
Googleはサイトの内容(=コンテンツ)評価に対しては非常に強いアルゴリズムとシグナルを持っていて、その重要度も高いです。ですので、コンテンツ情報がいかに分かりやすく設計されているかを確認しています。具体的にはディレクトリ構造や内部リンク構造という全体構造の把握、そして各ページ単位でのコンテンツ内容です。トップページから辿って(上から辿って)しっかりと理解しやすい展開が成されているかを評価しているのです。ちなみに、「検索結果からのクリック率も検索順位を決定するアルゴリズムのシグナルとしてGoogleが利用している」と言う方もいらっしゃいますが、Googleは(飽くまでも検索結果の表示方針のための確認だと)否定しています。
あと、titleタグや見出しタグ、構造化データのマークアップやその他様々なテクニカル改善に関しても、全てはこの“内容の辿り方が分かりやすいか”という概念に尽きます。
3.内容が詳しく広く書かれているか
先ほども述べた検索ユーザー心理ですが、これは1つの検索クエリに様々な思いが含まれているはずです。例えば「転職」と検索したユーザーは求人情報を求めているのか、転職するための心得を求めているのか、誰かの転職物語を読みたいのか分かりません。逆に言えば、ありとあらゆる検索動機をもとに検索しているはずです。ですので、Googleとしては検索クエリに対して広く深い情報を持つサイトを検索結果に優先表示したくなるはずです。
コンテンツ内容を評価
Googleは情報量が多いサイトを好みます。でもこういう言い方をするとサイト運営者は「じゃあページ数が多い方が良い」と短絡的に解釈します。結果、いい加減だったり中身の無いスカスカな内容のページを増加させるサイト運営者が増加します。そこで、Googleはパンダ・アップデートや、ペンギン・アップデートを導入し、「適切なコンテンツ情報を最適量に掲載しているサイトが好ましい」という言い方にしています。
ちなみに、パンダとかペンギンとか…?という方に簡単にご説明しますと…推奨するSEO方法のことをホワイトハット、非推奨なSEO方法のことをブラックハットと呼びます。そしてそのブラックハットSEOの中にはコンテンツファームやリンクファームと言って、先に述べたように無駄にスカスカなページを大量生成したり、そういったページに誘引させようとしたりするやり方がありました。
Googleはこういった現象に対して、初めてマイナス評価をするアルゴリズムを導入したのです。それがコードネーム「パンダ・アルゴリズム」でした。パンダの名称由来は生態上、農場(ファーム)を好まないというのと、白黒はっきりさせたい等の意図が含まれているようです。その後、同じようにリンク元サイトの評価を無効化したり、不自然に外部リンクを受けているサイトやウィルス感染しているサイトをマイナス評価すべく「ペンギン・アルゴリズム(アップデート)」が明確導入されました。
語弊がある言い方ですが、簡単に説明するとパンダは重複コンテンツや低品質コンテンツを取り締まるアルゴリズム、ペンギンは(外部リンクやリンク元サイト等を中心に)様々な人的過失を取り締まるアルゴリズム、と解釈しても良いと思います。
4.他のサイトや人から推薦されていること
一般的に人間は情報を欲している時、誰かに尋ねます。そして様々な「誰か」が推薦や紹介してくれる情報がその人の新しい知識となるわけです。同じように、検索ユーザーは情報を欲しているからGoogleに尋ねています。だとしたら、Googleも様々な「誰か」が推薦や紹介してくれているサイトを紹介したいと思うわけです。その「誰か」というのは専門的で権威のある人であればあるほど、推薦する信憑性は増しますよね。
外部リンクを評価
Googleという検索が出来上がったのも、そもそも「良質なサイトからリンクされているサイトはやはり良質である」という概念からサイト評価するメカニズムが出来た(作った)からです。Googleはこれをページランクと呼びますが、要はリンクパワーのことで、いかに他のサイトからリンク(=推薦)やサイテーション(=言及)、レピュテーション(評判)されているかが大事なわけです。これも最も強いアルゴリズム(シグナル)のひとつです。でも、前述と同じようにサイト運営者は「じゃあリンク数が多い方が良い」と短絡的に解釈し、不当に外部リンクをいっぱい貼られるようリンク元サイトをバシバシ作っていったので、Googleは上記のペンギン・アップデートで取り締まざるを得ないようになりました。
また、「外部リンク=ペナルティ」という解釈も蔓延していますが、あくまでも「人工的な外部リンク=ペナルティ」という意味でして、お金もしくはお金に該当する取引手段以外で、外部リンクを集めるためにコンテンツ設計していくことは引き続き重要です。
5.何だかんだで心揺さぶるサイト
そして最終的には検索ユーザーが検索結果に表示されたサイトに訪問して、感動してくれればGoogleも検索サイト冥利に尽きるわけです。ユーザーがサイトから必要な情報を得て、その瞬間から新しい行動が始まれば、それは素晴らしいことですよね。
YMYLとE-A-T
Googleは検索品質評価ガイドラインとしてYMYLとE-A-Tという概念を組み込んでいます。YMYLとはYour Life or Your Money(閲覧者の生活やお金を動かす)の略で、そのサイトコンテンツを見た時に、ユーザー(あなた)の生活やお金を動かす程の魅力があるかどうかを判断しています。E-A-TというのはExpertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)のことで、(外部リンクやコンテンツ量等による)サイトの存在力が問われます。これらの評価にはRankBrainや人的確認が入っていますが、そもそもサイト運営者もこの概念を持ってサイト作成すれば自ずと達成の道を辿れるはずです。
苦手意識を無くす
いかがでしたでしょうか。
今回はざっくりした概念からSEOをご説明してみましたが、こんなイメージから各SEO施策を取り組んでいくと苦手意識は無くなるのではないでしょうか。もちろんGoogleの評価制度アルゴリズムもまだまだ発展途上中ですし、終わりが無いのかもしれません。でも、検索ユーザーにとっての分かりやすさを追求していけば、自ずとアルゴリズムはついてきますし、しっかりとサイト運営者自身が仮説と検証を繰り返しながらブラッシュアップしていくことがSEOなんだと思います。
さぁ、では今から始めましょう!
Let’s SEO!(笑)