米国現地時間9月28日に開催されたSearch On 2022のフォローアップ記事群から、最後のご紹介シリーズです。
Search On 2022関連におけるThe Keywordであがっている記事は全部で8記事あるのですが、そのうちの7記事目になります。他の1記事はあまりトピック性を感じなかったため、今回をもちましてSearch On 2022の和訳記事が終わりとなります。というわけで、最後はThe Keywordの「より持続可能的なほうを選択する新しい手段」という記事の和訳です。今回も英語圏中心に展開(予定)の記事ではありますが、皆様も情報として知っておいても良いかと思いますのでご紹介しておきます。
環境汚染をしにくい方の選択ができるような検索結果を
今回のGoogleによる発表内容は、「より環境汚染をしない方の選択をしやすいように検索結果に情報を表示する」という機能を追加していくとのことです。例えば、電気自動車関連であれば、その費用や燃費が分かりやすいようにしたり、ナビ関連に関してもGoogleマップの経路をエコ優先表示したりします。洋服であれば、中古品であるかどうかを検索結果に表示していくとのことです(中古を全人類で着まわせば、新品を縫製する機会が減り、環境汚染に繋がりにくいという考え)。レシピひとつとっても、環境汚染に繋がりやすい成分表によって、よりエコなレシピや材料が何かを検討しやすくする等です。
より持続可能的なほうを選択する新しい手段
新車や古着の購入から、ドライブルート、平日の献立レシピに至るまで、特定の場面における選択が環境に与える影響について知ることができるようになりました。
電気自動車、太陽光エネルギー、古着屋等に関するキーワードを使った検索は、世界的に見てもこの1年で過去最高検索数となりました。これは、人々が日常生活の中でサステナビリティを実践する方法を探していることを表しており、Googleにとっても喜ばしい傾向です。
気候変動を防止するためには、私たち全員が行動する必要があります。Googleでは(2030年までに全ての事業とバリューチェーンでネットゼロを達成するという目標からも分かるように)、事業をより持続可能なものにし、人々や企業がより持続可能な選択をしやすくすることを目標としています。今回のSearch Onイベントでは、Googleが皆様の持続可能性の向上を支援する新しい方法をご紹介します。
より効率的で車や環境に優しいルートを探す
もし皆様が新しい車を購入する場合、燃料費やガスの排出量を極力削減できる車を探すのではないでしょうか。今後数日のうちに、Googleでは検索結果に車の年間燃料費を表示するようにします。また、排気ガスの目安も表示する予定なので、気になっている車種が類似車種と比べてどうかというところまで分かります。
(新車購入者の4分の1以上が購入検討している)電気自動車の場合、近日中に電気自動車のコスト、航続距離、充電速度の目安も表示する予定です。さらに、それぞれの電気自動車に対応する近くの公共充電ステーションを簡単に検索できるようにもします。米国では、電気自動車への乗り換えをより魅力的にする連邦税制上の優遇措置も表示する予定です。
また、ガソリン代を節約するために、米国エネルギー省の国立再生可能エネルギー研究所と欧州環境機関のデータをもとに、燃費の良いルートを検索する「Eco-friendly routing(エコ重視の経路検索)」機能をドライバーに利用してもらうことで、ドライバーは最も燃費の良いルートを検索するのに役立ちます。宅配サービスやライドシェアサービスなどを提供している企業も、自社アプリで同じように環境に配慮した経路検索機能を利用することで、より簡単にサスティナブルな社会を実現できるようになりました。この機能の詳細については、Googleマップのアップデートに関するこちらのブログ記事をご覧ください。
中古品の購入
新しいファッションアイテムでコーディネートを組むにせよ、数シーズン前の隠れた名作を掘り起こして探すにせよ、衣料品を縫製したり購入したりすることは、ガスの排出と廃棄物という形で環境への影響に繋がります。衣料品から排出されるCO2は世界の二酸化炭素排出量の10%を占めているとも言われています。ですので中古品を購入することは、たとえ小さなことであっても、より持続可能な生活のためにできる行動になります。今年後半には、Google検索結果でそれが中古品かどうかが分かるように商品がハイライト表示されるようになります。これにより、買い物の際にサステナブルな選択をすることがこれまで以上に簡単になるだけでなく、もしかするとお金の節約にも繋がるかもしれません!
よりヘルシーな夕食を
食材の中にだって、よりサステナブルなものがあります。とはいえ、鶏肉と魚、卵と豆腐、等を比較した時にどちらが環境負荷になるか、について調べるのは簡単ではありませんよね。
近々、「豆を使ったレシピ」や「ブロッコリーチキン」など、特定のレシピを検索すると、国連が提供する成分レベルの排出量情報をもとに、対象食材と他の食材との比較情報を見ることができるようになります。この機能は、近日中に全世界の英語圏のユーザーに提供される予定です。
中古品を買う時も、次の食事やドライブの計画を立てる時も、こうした小さな変化の積み重ねが大きな影響力を持つのです。地球の未来と、そこに住む全ての人類にとって、小さく思えても価値のある行動なのです。
引用)The Keywordより和訳
この記事でのポイントは以下です。
- あと数日で電気自動車の検索時に、その車の燃費や排気ガスの目安を検索結果に表示するようにする。
- 近日中に電気自動車の新車購入時にも分かりやすいように、価格や航続距離、充電時間も表示するようにする。
- 近日中に公共充電ステーションも検索しやすくし、米国では電気自動車乗り換えによる連邦税制優遇措置も表示する予定。
- Googleマップでは燃費に関してエコな経路を積極表示している。
- 洋服の検索結果で商品表示する場合は、今年末にはそれが中古品か分かるように表示。
- 英語圏では近日中に、特定のレシピを検索すると国連が定める成分排出量や他の食材との比較が分かるようになる。
日本への導入は?
今回の記事では日本や日本語への導入について記載はされていませんでした。しかし電気自動車関連に関してはグローバルな商品の諸スペックだと思いますので、日本語にも導入しやすいのではないでしょうか。先日、アルファベット及びGoogleの代表であるスンダー・ピチャイ氏が、来年日本初のデータセンターを千葉県に開設し、日本のデジタル人材の育成を目的に2024年までに1,000億円の投資を予定することを発表しました。こういったことからもGoogleが日本に可能性を感じていることは容易に想像できるので、英語圏優先で実装される機能でも、今後日本語実装されるまで早まるかもしれませんね(まぁ、そもそも悪い意味で日本のデジタル成長には伸びしろしかないので、ピチャイ氏の発言は将来への投資であって今今でGoogleの各機能が実装優先されるメリットはあまり無さそうですが)。
とりあえず、環境を配慮したGoogle検索結果を表示するようになってくる、ということだけ覚えておくと良いでしょう。
ということで、Search On 2022のネタでございました。