監修とE-E-A-T

Google検索においては「誰が書いたコンテンツか」というのが非常に重要です。つまり“E-E-A-T”ですね。一般検索者が検索結果で上位表示されているコンテンツページを見て「Google先生に訊いた」なんて言い方をしますが、一般検索者からすれば教えてくれるのはまるでGoogleであるかのように本能的に捉えているのだと思います。ですので、Googleとしては一般検索者からの信用を維持するためにも上位表示するコンテンツページの公平性や信憑性を重要視したいわけです。そしてそれはGoogleならではの経験度、専門性、権威性、信頼性という軸で何かしらの定性観測しているのです。

そして、パブリッシャー側(サイト運用者側)は、そのE-E-A-Tをどうやったら担保できるか…ということを考えてライティング記事に監修者を掲載するようになりました。それは名前だけではなく顔写真や肩書、プロフィール、場合によっては監修者のサイトやブログまでリンク紹介することで、E-E-A-Tにおける高水準な人が監修しているという“演出”をしています。とはいえ、私から言わせれば結局企業サイトにおいては、法人というサイト自体の権威性でE-E-A-Tを成立させており、監修者のE-E-A-Tなんて形骸化しています。

では、どういう形で監修者を位置付ければ良いか…これについて私なりのSEOに対する姿勢も含めた持論をご紹介したいと思います。

大事なのはパクられないコンテンツであること

皆様はコンテンツを盗用された(パクられた)ことはありますでしょうか? 私はあります。そしてその際にGoogleへDMCA異議申し立てを申請したことがあります。しかも何回かあります。その時に最も痛感したのは…“そもそも盗用されたとあなたが述べているコンテンツはあなたのものである証拠はありますか?”ということです。これ、実はめちゃくちゃ大事なのです。

GoogleへDMCA異議申し立てを行う際には、大きく3つの証拠が必要なのです。それは“自分のWebサイトの掲載の方が時期的に早く掲載されていること”、“明らかに第3者サイトにパクられていること”、そして“該当コンテンツがそもそも自分のモノであること”です。私は、この3つ目が立証できないせいで、DMCAへの申請が却下されたこともあります。そして、この3つ目に関しては明確な所有人物がいたほうが遥かに申請が通りやすいのです。

たとえばこちらのページをご覧ください↓
腸活に良い食べ物・おすすめBEST10――腸内環境を食事で整えるには?|TRIAL MAGAZINE

この記事内では、一番最初に管理栄養士の方を紹介し、「教えてくれたのはこの人!」とし、記事展開しています。これも監修者紹介の一環ですよね。実際には管理栄養士の方のコメントをそのまま紹介しながら記事を進めていくことで、全体的に管理栄養士の方による記事である印象が強いかと思います(コメント風のデザインについてはもうちょっと考察する余地はありそうですが)。

もし、この記事からコンテンツをパクろうと考えたら…どの部分をパクれるでしょう? 実際にパクったとしてもすぐにDMCA異議申し立てをされて立証されて罰せられると思います。申し立てを申請する側として「この記事は○○という管理栄養士の監修とインタビューによって□□のコンテンツが成立したものであるため、このコンテンツと重複したコンテンツを掲載しているのは明らかに盗用していると考えられる」という訴えが安易に通用しますよね。

でも、もし最後にチラッとだけ「監修者:○○」程度しか書いていない記事だったら…このような訴えはなかなか通じないと思います。

つまり、パクられないコンテンツをどう作るかが重要だと思うのです。そしてそういうコンテンツと監修者の掲載のしかたが成立した記事はE-E-A-Tという概念においても強く定性的効果を発揮すると思うのです。

監修よりも執筆

別視点からも持論を展開したいと思います。例えばE-E-A-Tという概念をGoogleではなく、読者に向けたとした場合、自分なら本当に記事の最後に「監修者:○○」としか記載しないでしょうか? 私だったら「○○さんに監修してもらったけど、書いたのは私です」と主張したくなります。逆に、監修者に対して「監修したということで、名前だけ貸してください」とお願いしただけであれば、私は記事の最後に「監修者:○○」とだけ記載するでしょう。仮に読者から何か突っ込まれても良いような心構えが、そのまま紹介の濃度という形で表面化すると思います。

つまり、本当に監修してもらった記事はそのまま紹介ボリュームにも影響すると思うのです。ちなみに、監修とは“書籍の著述・編集の監督をする”という意味ですが、監督するくらいならそのまま執筆してしまったほうが良いと思いますし、それをそのまま掲載したほうがE-E-A-Tの定性的効果は高いですよね。もしくはインタビュー形式にしたり、前述の例のような見せ方にしたりすれば唯一無二の記事になるでしょう。

今回、私が支援させていただいているメディア「ろうむるーむ」は社労士先生が執筆・監修している情報サイトですが、今後はサイト制作会社やメディア運用会社よりも、こういった形で直接権威性の高い人が発信していくメディアの方が強くなっていくのではないでしょうか。逆に言えばその道で権威性や専門性の無い人や会社が専門メディアを作るべきではないかもしれませんね。

E-E-A-Tは、サイト運用者が定量的に分析、施策付けするようなものではありません。しかし一方で、私はただの概念だけとは思っておらず、Google側で何かしらの計測はしていると思います。ですので、関係者はテクニカルな分析やGoogleを見据えた形式的な施策ではなく、自分たちなりのE-E-A-Tというものを追求し、胸を張ってコンテンツを公開できるようにしておくと良いと思います。

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