たまにtitleタグや見出しタグに施策キーワードを入れ込んだり、変更したりしただけで施策キーワードの順位が向上するケースがあると思います。一方で変更しただけでは検索順位がビクともしないケースもあります。これにはどんなメカニズムが働いているのか、私なりにご紹介します。
まずはtitleタグや見出しタグの働きを知ろう
実際にtitleタグや見出しタグを変更しただけで検索順位が上がることもあると思います。もちろん全く順位が上がらないケースもあります。しかしそこには、今からご説明する仕組みが働いていることをご理解いただければ腑に落ちると思います。「titleタグを変更して検索順位が上がりますか?」という質問もよく受けますが、以下の働きを考えてみたら自分でも判断できるのではないでしょうか。
titleタグの働きとは
titleタグの働きとは、その(コンテンツ)ページの大見出しです。サイトにまだ入っていない人に対して知らしめる題目です。言うなれば本屋に陳列している本の名前ですね。そのページに何が書いてあるのかが要約されています。
見出しタグの働きとは
見出しタグの働きとして、H1はtitleタグと同様にその(コンテンツ)ページの大見出しです。ただ、titleタグと異なるのは、既にサイトに入っている人に対して知らしめる題目ということです。言うなれば本屋に陳列している本を手に取ってページを開き出した最初の言葉ですね。後はtitleタグと同じようにそのページに何が書いてあるのかが要約されています。H2はその大見出しの中の中見出し、H3は小見出し…というように伝えたい要約が細分化されていきます。
コンテンツとは
コンテンツは読んで字のごとく、内容です。中身ですね。例えるなら本を実際に読み込んでいくことです。
つまり、簡単に本に例えるなら以下の働きがあることをご理解いただければと思います。
- タイトル:コンテンツページを要約した表紙の題目=本を手に取る前
- 見出し:本をめくった最初(や各段落ごと)の題目=本を手に取った後
- コンテンツ:本の内容=実際に読み進める
これを大前提として捉えていただければ今後のご説明にも理解頂けると思います。
本の内容と題目(見出し)が合っているか
では、実際にコンテンツを一切いじらず、タイトル(titleタグ)や見出しを変えただけの場合どういう影響が起こるかについてご説明します。
title(見出し)タグを変更したことでコンテンツとより合致した内容になる場合
変更した言葉が施策キーワードを加味したタイトルや見出しだとしたら、もちろん本を手に取りやすくなるのと同様、Googleからの評価も瞬間的に「おっ」となるでしょう。検索クエリ心理に合致した内容を表現できているのであれば、それはもちろん高評価です。逆に「もっと早くに変えておけば!」という内容でしょう。ユーザーのためのSEOブラッシュアップの一環だと考えられます。
そして、結果的に検索順位が上がることもあると思います。但し、検索クエリ心理に合致した内容を表現できている程の変化でなければ検索順位は変わらないでしょう。「ちょっとしたユーザーへの気遣い」や「ちょっとクリック率が上がるかも」程度の期待に過ぎません。
title(見出し)タグを変更したことでコンテンツ内容からかけ離れてしまった場合
変更した言葉が施策キーワードを加味したタイトルや見出しにも関わらず、それは実際に掲載されているコンテンツとは異なる内容やかけ離れてしまった場合、つまり不自然なタイトルや見出しになってしまった場合、Googleからの評価が瞬間的に「おっ」となるにも関わらず、実際に読み進めていくと内容が違うわけですので、それは低評価です。例えるなら、本を手に取らせるだけ取らせて、読み進めてガッカリさせるパターンですね。これは罪深いですよね…。実際に雑誌の見出し等でも「釣り文句」としてあったりしますよね。内容を読んだら「なんだよ、そんなことかよ!」と突っ込みを入れたくなるパターンがこれです。
これは、もしかしたら検索順位が上がるかもしれません。なにせGoogleが「おっ」となるわけですから。しかし、実際のコンテンツとは異なるので、検索順位は結局元に戻ります。それどころか「タイトルや見出しと違うコンテンツ」という新たな“負の価値”が追加されますので、むしろ順位下落するかもしれません。つまり、検索順位が瞬間的に上がっていずれ下がるか、そのままか、むしろ下がるか、等のパターンが考えられるわけです。
コンテンツとの整合性を熟考しよう
そもそもtitleタグや見出しタグはコンテンツ作成時に考えるものですので、コンテンツが変わらないにも関わらずtitleタグや見出しタグが変わるのは不自然です。それでも変えるということは、その変更意図として「SEOに向けたブラッシュアップをする」か「あざとく不自然な変更を施そうとしている」かのどちらかでしょう。Googleはサイト運用者の変更意図まで判断することはできません。だからGoogleはコンテンツとの整合性を確認することで「自然」か「不自然」かを判断するだけです。
titleタグや見出しタグを変更する際は、検索順位の上下だけを懸念として捉え、ギャンブル的に考えるより「それを変更することが、よりページ内容と一致するか」どうかで判断するようにしましょう。そして検索順位は飽くまでも、その結果のGoogleによる評価に過ぎない、という認識で捉えておきましょう。
titleタグだけの変更や見出しタグだけの変更にビビっているあなた――見るべきはGoogleではなく、自身のコンテンツですよー。そしてついでにコンテンツのブラッシュアップも考えてしまいましょう。