Googleは米国現地時間8月5日、新しい構造化データとしてPros and Cons(日本語だと「長所短所」という言い方)のマークアップができるようになりました。このマークアップができる対象としては、商品をレビューしているページとなっており、そのレビューは自分たちで分析と検証していることが条件です。自分たちで販売している商品や他の人がレビューしている内容をマークアップするのは不可です。あくまでも第3者として自分たちの経験をもとに他社商品をレビューしているページということですね。
New in structured data: you can now tell Google about the pros and cons of a product with markup. Learn more: https://t.co/9wcULoBGGQ
— Google Search Central (@googlesearchc) August 5, 2022
引用)@googlesearchcより和訳
日本でも対応
今回の新機能は最初から日本語にも対応しているとのことで、早速使ってみると良いと思います。ただし、冒頭でも述べたように、第3者として商品レビューを自分たちで行っているWebページがマークアップ対象となりますのでご注意ください。Search Central Blogはまだ英文しかないようで、取り急ぎ和訳してご紹介します。ちなみに、私は元広告会社に勤めていたので、普通にPros and Consのことを「プロコン」って言っちゃったりしますが、簡単に言えば長所短所のことですので、和訳も長所短所としています。
新しい構造化データ:長所短所
商品レビューというものは、購入する商品を調査しているユーザーにとっては貴重な情報源です。商品レビューには多くの場合、長所や短所についての項目が含まれており、ユーザーが購入の意思決定をする際、そういう情報は非常に参考にされていることがGoogleの調査で分かっています。このようにユーザーにとって重要な情報であるため、Google検索では検索結果の商品レビューのスニペットとして長所短所を強調して表示する場合があります。
この度、商品レビューページ上で長所短所の構造化データを記述することで、長所短所をGoogleに伝えることができるようになりました。構造化データをWebページに追加する際、リッチリザルトテストを使用して、そのデータが正しくマークアップされているかを確認できるようになります。このリッチリザルトテストツールでも、Google検索がサポートする他すべての構造化データタイプに加え、長所短所の構造化データもチェックできるように機能が拡張されました。
構造化データを提供しない場合でも、GoogleはWebページに記載されている長所短所を自動的に識別することがあります。とはいえ、Googleは自動的にデータ抽出するよりも、マークアップされている構造化データのほうを優先的に採用するようにします。そして、今回のこの機能は既に各サイトオーナーでテストし、ご好評いただいています。
以下は、上記スクリーンショットの検索結果画面に使用された、JSON-LDでエンコードされた構造化データのWebページの例です。構造化データのテキストは、ページ本文にあるテキストと必ず一致させるようにしましょう。
<head>
<title>Cheese Knife Pro review</title>
<script type=”application/ld+json”>
{
”@context”: “http://schema.org”,
”@type”: “Product”,
”name”: “Cheese Knife Pro”,
”review”: {
”@type”: “Review”,
”name”: “Cheese Knife Pro review”,
”author”: {
”@type”: “Person”,
”name”: “Pascal Van Cleeff”
},
”positiveNotes”: {
”@type”: “ItemList”,
”itemListElement”: [
{
”@type”: “ListItem”,
”position”: 1,
”name”: “Consistent results”
},
{
”@type”: “ListItem”,
”position”: 2,
”name”: “Still sharp after many uses”
}
]
},
”negativeNotes”: {
”@type”: “ItemList”,
”itemListElement”: [
{
”@type”: “ListItem”,
”position”: 1,
”name”: “No child protection”
},
{
”@type”: “ListItem”,
”position”: 2,
”name”: “Lacking advanced features”
}
]
}
}
}
</script>
</head>
<body>
. . .
<p>Pros:</p>
<ul>
<li>Consistent results</li>
<li>Still sharp after many uses</li>
</ul>
<p>Cons:</p>
<ul>
<li>No child protection</li>
<li>Lacking advanced features</li>
</ul>
. . .
</body>
</html>
現在、Google検索における長所短所の対象となるのは商品レビューについて説明されているページのみで、店舗によるMerchant Centerの商品説明ページや購入者の書き込みによる商品レビューページは対象外です。今回のこの機能は、オランダ語、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、ポーランド語、ポルトガル語、スペイン語、トルコ語でのGoogle検索が利用可能なすべての国で利用いただけます。
メリット・デメリットの構造化データの実装方法については、Google Search Centralのドキュメントである商品の構造化データをご覧ください。その他のアドバイスについては、Google Search Centralのヘルプページや公開フォーラムもチェックしてみてください。
引用)Search Central Blogより和訳
注意点
Search Central Blogでも触れられている商品の構造化データの長所短所の技術的ガイドラインの箇所については以下の注意点が記載してあります。
- 商品のカテゴリやリストではなく、特定の商品にマークアップを使用しましょう。例えば「当店の靴」は特定の商品を指しません。現在、商品のリッチリザルトとしては、1つの商品に焦点を当てたページのみをサポートしています。ちなみに各商品バリエーションに個別のURLがある商品であっても問題ございません。商品または商品カテゴリを一覧化しているようなページではなく、商品単体のページにマークアップを追記するようにしてください。
- 商品のレビューを追加する場合、レビュー担当者の名前はPersonかTeamの存在する名前でなければなりません。
非推奨:ブラックフライデーにつき50%OFF
推奨:「James Smith」または「CNET Reviewers」 - 長所短所の構造化データを追加する場合は、次のガイドラインに従ってください:
- 現在、自分で編集できる商品レビューページのみが検索結果の長所短所の表示対象となります。販売者による商品ページや顧客の書き込みによる商品レビューは対象外です。
- 製品について少なくとも2つの要素の言及が必要です。長所だけや短所だけ、または長所短所等、言及要素を任意に組み合わせることができます(例えば、ItemListで長所の言及要素だけを2 マークアップすることも可能です)。
- 長所短所は、ページ上のユーザーにも見えるようにしておく必要があります。
商品情報をGoogle画像検索に含めるには、追加のプロパティを追加する必要があります。
- リッチ イメージ ビューアで商品情報を表示する:name、image、price及びpriceCurrencyプロパティを含めます。
- 関連アイテム機能で商品情報を表示する:name、image、price、priceCurrency及びavailabilityプロパティを含めます。
引用)Search Centralより和訳
つまり、第3者として自分が検証・分析した自分のWebサイトでレビューしたものが長所短所のマークアップ対象であり、自分で当該商品を販売しているサイトページや他の人による書き込みやレビューをマークアップしてはいけません。同様にレビューするのは人物や複数人物が所属するチーム単位となっています。また、長所だけの記述や短所だけの記述でも、2つ以上の要素が記載されていれば良いとのことで、必ず一般ユーザーにも閲覧できる箇所をマークアップしなければならないとのことです。
自社商品は対象外
今回の長所短所マークアップは、FAQの構造化データマークアップのように何だりかんだりできるようなものではありません。とはいえ、アフィリエイターによるWebサイトやブログ的なものであれば有効活用できそうですし、ユーザーにも販売者にも助けになるようなページを作れそうですね。
私もどこかで、このブログで試してみたいと思います。