Googleは米国現地時間4月19日、Search Central Blogでヘルプフルコンテンツ(ヘルプフルコンテンツシステムという検索ランキングシステムの話ではなく、有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成という概念)における要素の中にページエクスペリエンスという要素を入れたとのことです。そして検索ランキングシステムとして、さも今まであったかのようなページエクスペリエンスは「検索ランキングシステムではなくCore Web VitalsとHTTPS、煩わしいインタースティシャルがないこと、モバイルフレンドリーであること、におけるシグナルに過ぎない」ということについて改めて明言しました。
このことについて、検索セントラルブログの日本語版も出ていますのでご紹介・ご説明したいと思います。
ページエクスペリエンスとは
ページエクスペリエンスをそのままの概念で捉えると、ページエクスペリエンスとは“ページ体験を良くすること”です。直訳すると“ページ体験”なのですが、それを良くすることまで含まれた意味合いとして使用されます。そして、そのページエクスペリエンスに関して、Googleは検索ランキングに影響するシグナルのひとつであるかのような言い方や案内の仕方をしていました。例えば、こちらのGoogle検索セントラルブログの記事(デスクトップにもページエクスペリエンスシグナルが導入されるよ、という記事)が良い例です。その際に下記の表組みでページエクスペリエンスのシグナルを表していました。
Factor | Mobile | Desktop |
---|---|---|
Largest Contentful Paint (LCP) | ✔ | ✔ |
Cumulative Layout Shift (CLS) | ✔ | ✔ |
First Input Delay (FID) | ✔ | ✔ |
HTTPSである | ✔ | ✔ |
煩わしいインタースティシャルがない | ✔ | ✔ |
モバイルフレンドリー | ✔ | ✖ (Not applicable) |
ページエクスペリエンスという言葉と概念の取り扱いについて
そして、この度Googleはもともとページエクスペリエンスという括りの検索ランキングシステムがあったわけではなく、Core Web VitalsやHTTPS、煩わしいインターステイシャル、モバイルフレンドリーという要素毎のシグナルを総称していたに過ぎないとしています。
Core Web VitalsやHTTPSに関しては、相当する検索ランキングシステムやコアランキングシステムで機能しているわけであり、モバイルフレンドリーももはや当たり前すぎて、2023年12月をもってSearch Consoleレポートからも、モバイルフレンドリーテストツールも提供を終了させるとのことです。
そして、ページエクスペリエンスというのは概念として残りつつ、コンテンツに寄り添った検索ランキングシステムであるヘルプフルコンテンツシステムの中にも含まれる要素となるとのことです。
Google のコアランキング システムは、ページ エクスペリエンスに関連する要素を把握する場合などに、一般的にコンテンツをページ限定で評価します。ただし、サイト全体での評価も一部実施しています。
ページ エクスペリエンスはヘルプフル コンテンツ システムの必須要素ですか?
ヘルプフル コンテンツ システムは、表示方法やページ エクスペリエンスではなく、コンテンツに関連するシグナルに主に重点を置いています。ただし、コア ランキング システムで優れたページ エクスペリエンスを示すシグナルが考慮されるのと同様に、ヘルプフル コンテンツ システムも一定程度考慮されます。
ランキングを上げるうえでページ エクスペリエンスはどの程度重要ですか?
Google 検索は、ページ エクスペリエンスが平均を下回るコンテンツも含め、常に最も関連性の高いコンテンツが表示されるように設計されています。ただし多くの場合、検索語句に一致するヘルプフル コンテンツが多数存在するため、優れたページ エクスペリエンスを実現していることは、検索結果でのランキングを上げることにつながります。
引用)検索セントラルブログ
そして、Google検索セントラルのSEO基礎ドキュメントの中の「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」の一部にページエクスペリエンスについて説明するセクションが新しく設けられました。
優れたページ エクスペリエンスを提供する
Googleのコアランキングシステムは、優れたページエクスペリエンスを提供するコンテンツを高く評価するように設計されています。サイト所有者がGoogleのシステムで高い評価を得るには、ページエクスペリエンスの限られた要因のみにとらわれないようにすることが必要です。多くの要因について検討し、全般的に優れたページエクスペリエンスを提供できているかどうかを確認してください。その他のヒントについては、ページエクスペリエンスのGoogle検索結果への影響についてのページをご覧ください。
つまりページエクスペリエンスをどう捉えれば良い?
ページエクスペリエンスというよりも「検索ユーザーにとってのページの使いやすさや情報の満足度」という意味合いで捉えると良いと思います。それは具体的にヘルプフルコンテンツシステムという検索ランキングシステムとして活用されたり、表示速度やCore Web Vitalsとして評価されたり、そもそものコアランキングシステムの一環として評価されたりするでしょう。
そして、従来のページエクスペリエンスシグナルとして使用されていたモバイルフレンドリーは、もはや必須すぎてレポートもしませんとのことです(もうコアランキングシステムに入っているほどだと思われます)。HTTPSやCore Web Vitalsは引き続きSearch Consoleレポートで表示されますが、ページエクスペリエンスシグナルという単一のものは(もともと)存在しませんとのことです。
つまり、ページエクスペリエンスは自問自答する概念の話ということですね。E-E-A-Tと同じ感覚です。まぁ、概念的に言い合うケースはあると思いますが、そんな程度で考えるようにしましょう。むしろ“ページの使い勝手”という言い方で済みそうですけどね(笑)。