SEOランキングシグナルのひとつとして外部リンクがありますが、単純に数多くのサイトからリンクされていれば効果的と言い切れる時代は随分前に終わっています。そして外部リンク…いや、外部施策は作るのではなく、仕掛ける努力をする時代です。今回はそんな、外部サイトから支持を受ける手段についてふわふわっとご紹介したいと思います。
3つのウケを探る
外部評価と聞くと、ついつい外部リンクを想定しがちですが、実際には3種類の外部評価があります。リンクとレピュテーションとサイテーションです。
- リンク:他サイトからどんなリンクを受けているか
- レピュテーション:他サイトからどんな良い評価を受けているか
- サイテーション:他サイトからどんな言及をされているか
これらはGoogleが該当サイトを評価する材料になっています。リンクに関しては今更言うまでもありませんが、レピュテーション(Reputations)はGoogleマイビジネスや食べログ、AmazonやYahoo!ショッピング等、★で表される様々なサイトはもちろん、各種CGMでの評判が大事です。サイテーション(Citations)は文字通り言及や引用ですが、要はどれくらい噂されているかです。もちろん良い噂が良いですね。
サイテーションを確認する良いやり方があるのでご紹介しておきます。1つ目はGoogleでの検索コマンドを活用したやり方です。以下2つのパターンで検索をかけます。
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① “サイト名”△-site:ドメインURL
② “ドメインURL”△-site:ドメインURL
例えば、Googleで「“ふわふわビジネスブログ” -site:fuwafuwa.biz」と検索します。そうすると「fuwafuwa.bizサイト以外で、ふわふわビジネスブログと記載しているサイトページ」群が検索結果に出てきます。同様に、「“fuwafuwa.biz” -site:fuwafuwa.biz」と検索します。そうすると「fuwafuwa.bizサイト以外で、fuwafuwa.bizと記載しているサイトページ」群が検索結果に出てきます。つまり、他のサイトで誰かが当該サイトのことを書いてくれている(≒サイテーション)という確認ができます。
サイテーションを確認する2つ目はYahoo!リアルタイム検索です。意外と知られていないのですが、ここで検索をかけると、TwitterやFacebookで掛かれている内容をリアルタイムに表示してくれるだけでなく、過去のツイート推移や検索語句に対するプラスマイナスの感情割合まで表示してくれます。ただし、これは大手の固有名称や一般名称でないと引っ掛からないと思いますので、エゴサーチとしては使いづらいかもしれません。
では、それぞれの支持を得るために出来ることは何でしょうか。
外部施策とは
これは持論ですが、外部施策とは外部リンクを貼る(自演する)ことではありません。外部施策とは、外部サイトから支持を受ける仕掛けと仕組み作りです。そして、それは当該サイトのコンテンツ云々だけではありません。ちょっと、ある会社の例を出してみます。
以前こんな相談を受けたことがあります。
「出張無料見積査定サービスに関して、うちの会社の営業マンが見積り後、お客様が買取に応じてくれるまで帰らないという悪評を受けている。その悪評が検索して上位に来るので、何とかできないか。もしくは自社サイト内で『そんなことはない』と謳うべきだろうか。」
この相談を受けた私は逆に「本当に帰らないのか」と質問しました。結果「営業マンによっては帰らないこともあると思う。」と回答されました。
そして、相談を受けた私が出した結論は「帰るようにしてください」でした(笑)。
自社サイト内で訂正する内容を謳ったところで「言っていることとやっていることが違う」と更にノイズは広がるはずですし、検索を操作するような何かをしたところで、営業マンが帰らない限り問題解決にはなりません。なによりサイトや検索エンジンに課題があるわけではないことを理解すべきです。
このように、事あるごとに「サイトコンテンツを」とか「検索エンジンに対して」とか、表層化されている部分を修正することだけが外部施策ではないのです。時には自社サービスや事業そのもの自体を見直すことも重要なのです。私の立場で企業側にこれを言うと怪訝な顔をされたりしますので、ここでこっそり豪語しておきます(笑)。
サイト運営者に出来ることはサイトコンテンツを見直したり、ユーザー体験に繋がるUIや導線、デザインを工夫したりすることですが、時には事業自体にも触れて考えることも重要です。だって、既にサイトとして優れたものが検索順位上位にあったら、同じように優れたサイトを構築したところで「既に上位表示されているこのサイトが上位のままで良いじゃん」という解釈となりますから。後発が同じように優れたサイトを超えるにはサービス自体を見直すことだって考えなければならないはずです。
外部施策の仕掛けと仕組み
ここまでで、外部施策に関して、事業サービスの見直しについて言及してきましたが、もちろんサイトコンテンツ、UI、期待導線の見直しも必要です。これに関しては常時最適化を図るわけで、完全攻略があるわけではございません。しかし、今回ご説明したように、外部サイトからの支援が3つあるということを理解できれば、コンテンツを考える上でも良いヒントになるのではないでしょうか。
リンクや評判、噂を得るにはキャンペーンやスキャンダルのような一過性のものだけではなく、常時得られるような仕組み作りも必要です。仕組み作りをするためにはエンゲージメントゾーンへのアプローチとインフルエンサーの発掘、イノベーター理論の理解が重要になるでしょう。この辺はケースバイケースですので、都度個別にご相談ください(笑)。
とにもかくにも外部施策というのは、リンクや評判、噂をプロファイリングしてイノベーター理論における仮説を仕組み付けた上で、コンテンツ等で仕掛けていかなければなりませんので、それ専用に時間と工数をかける必要があるということを理解しておくと良いでしょう。