毎年この時期になると、SEOに本腰を入れていくご担当者様やSEOを始める若い子から「品質の高いコンテンツとは何だと思いますか?」「オリジナルコンテンツとは何だと思いますか?」という質問を受けます。私は、どうも同じことを毎年話している気がするので、ここにふわっと記載しておこうかなと思います。
コンテンツとは
まず最初に、コンテンツとはテキストのことだけでも、記事のことだけでも無いということを理解しておく必要があるでしょう。コンテンツとは、その名の通りサイトの内容なわけですので、それがサービス訴求でもイラストでも動画でも良いわけです。
つまりオリジナルコンテンツと呼ぶものの中には、そのサイト運用者が持つオリジナルのサービスや商品も含まれます。また、それが他のどのサイトでも取り扱っているサービスだとしても、その説明の仕方や提供の仕方、サイトの使い勝手がオリジナルであれば、それもオリジナルコンテンツと呼べます。従って、企業サイトがオリジナルコンテンツを考える際には、サービス事業を見直したり、提供商品を改善したりすることだってあるわけです。
ただ、SEOでは、どうしてもコンテンツと言うと文章で捉えがちですので、ここでも“コンテンツ=記事内容”寄りの解釈を前提に説明していきたいと思います。
オリジナルコンテンツの作成にあたって
上記を踏まえ、私には、自分でオリジナルコンテンツを作る場合の心構えがあります。それは、オリジナルコンテンツとは“誰も書いていない内容を探す”ことではなく、“自分でしか提供できない内容を考える”こと、です。
「結局同じことを言っているのでは?」という意見もあるかと思いますが….これ、実際に自分で考えてコンテンツ作成すると分かりますが、実はアプローチする思考が全く異なるんです。これについては後程ご説明しますので、まずは一旦コンテンツ作成手順をご紹介したいと思います。
コンテンツ作成手順
コンテンツを模索しサイトに記事として設置していく際、SEOアプローチを考えるのであれば、まずは検索心理(インテント)を分析する必要があります。分析の方法として一番手っ取り早いのはGoogleの検索結果画面(SERPs)を見ることです。Googleはユーザーが検索するクエリにはどういう心理が働いているのか、仮説立てして検索結果を返しているので、その検索結果を見ればインテントの手がかりが掴めます。
つまり検索心理を仮説立てているGoogleを見るという点で、SEOアプローチとして直接的に検索エンジンを見て解釈する方法です。しかし、(SEOをSearch Experience Optimizationと呼ぶように)真に検索心理を理解するためには、もちろんGoogleが全てではないので、他にも様々な検索心理分析を行って仮説立ててコンテンツを考えると良いでしょう。
そして、検索上位のサイトページに含まれているコンテンツをいくつもいくつも分析して、検索ユーザーが求めているであろう内容を踏まえて、「じゃあ自分達はどんな記事を設置して行こうか」と考えるわけです。
ここで、先に述べた話になります。オリジナルコンテンツとは“誰も書いていない内容を探す”ことではなく、“自分でしか提供できない内容を考える”こと、です。
上位サイト群のコンテンツを見て分析していけば分かりますが、結局誰も書いていない内容なんてほとんど無いんです。たとえあったとしてもそれは一部の検索クエリに対して存在する程度で、(何個も何十個もコンテンツを考えていく上で)誰も書いていない内容を探すなんて、鉱山からダイヤモンドの原石を探すようなものです。しかもその、誰も書いていない内容が必ずしもダイヤモンドなコンテンツだとも限りません。
ではどういう思考アプローチなら良いか。
そこで、自分ならではの提供内容を考える、という思考アプローチが重要になります。そのコンテンツは「自分の立場やサービス、サイトだからこそ成し得る記事提供である」ということを考えることなのです。「この記事内容…他のサイトにコピペしてあっても違和感なく設置できるな」という記事内容はオリジナルコンテンツにはならないということです。平たく言えば“誰が書くか”を考えることです。
その“誰が書くか”というのは、その人の立場ならではの記事かもしれませんし、その人が持つ数々のビッグデータや調査によるものかもしれません。はたまたその人が持つ商品サービスによって得た検証によるものかもしれません。
いずれにしましても、前述のコンテンツ作成手順をしっかりと踏んだ上で、自分だからこそ書ける記事――自分ならではの提供をするという概念が必要だと言うことです。
YMYLやファン獲得に重要な“誰が”
実際、そう考えると何が良いでしょう。
まずYMYL(Your Money Your Life)における健康・医療アップデートや、今後起こり得るコア・アルゴリズム等の順位変動に動じなくなるでしょう(笑)。自分ならではの記事は、自分で責任を持った記事になりますので、YMYLに関しても充分に耐えられるはずです。
そして、発信者となる“誰が”が明確になりますので、ファンが増えます。いわゆるエンゲージメント・ゾーンです。対象者が良く分からないものにはファンが付きづらいものですが、対象者が見えやすいので、記事内容にファンが付きやすいです。ファンが出来れば、拡散されやすくなります。拡散されやすくなれば被リンクが増えます。後は…もう良いこと尽くめですよね(笑)。
少々回りくどい言い方になってしまいましたが…
以上が私が考えるオリジナルコンテンツの捉え方です。「要は誰が書くかってことが重要なんでしょ?」という話なのですが、それを説明するのに非常に回りくどくなってしまいました。やはりオリジナルコンテンツの説明は難しいですね…そのうち、ちゃんと整理して説明できるようにします(笑)。