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一般検索を最大化するSEO

アクセスの最大化を目標にしている企業サイトでも、SEO施策において単純に検索順位をKPI化しているケースがいまだに多く、せっかくですので今回別の考え方と切り口もご紹介させていただきます。「検索ニーズを拾った施策事例」でもチラッとご紹介させて頂きましたが、ちょっとリスティング的な考え方かもしれません。

雨

検索順位の向上の先に

SEOによって検索順位が向上した結果、順位下落の脅威に怯えながらも放置する…というようなケースが多く見受けられますが、それは本質ではありません。SEOはそもそも常に新しい試みや追加・増強を施し続けることで、答えの無い最適解を追求し続けることに他ならないからです。しかし、そんな哲学的な話をしても仕方ありませんので、私は取引先のご担当者様に流入クエリのポートフォリオ化を薦めています。

要は、その検索クエリの”流入における”可能性を探るわけです。GoogleAnalyticsにおける「集客>キャンペーン>オーガニック検索キーワード」から、検索クエリ毎のセッション状況が分かります。それによってある程度ベンチマークしている検索クエリを把握しておくことが前提になりますが、今度はGoogleAnalyticsの「集客>検索エンジン最適化>検索クエリ」から表示回数とクリック数(率)と平均検索順位を確認するわけです。これはWebMasterToolの情報をもとに算出していますし、数値も正確ではありません。しかしながら傾向値を探るには良いと思います。平均検索順位に関しては大きく異なるケースが多いので、これは別途ツールや目視で確認した方が良いでしょう。

いずれにしましても、今後WebMasterToolの機能はより多角化・精密化しそうですので(参考:「海外SEO情報ブログ」)、その時にはっきりと検証できるかもしれません。

ポートフォリオマネジメント

さて、前述の通りクリック率や検索順位が分かったら、流入クエリをそれぞれグルーピング化します。割り振り方は以下の4つです。

  • クリック率は高く、検索順位も上位
  • クリック率は高いが、検索順位は下位
  • クリック率は低いが、検索順位が上位
  • クリック率は低く、検索順位も下位

 
ここで、注意点が2つあります。
まず、飽くまでも流入における考え方ですので、コンバージョンに関わる潜在度や効率は今回考慮していません。考慮する場合は、前述のGoogleAnalyticsにおけるセッション状況からコンバージョンとの相関性を予め探っておく必要があります。
次に、クリック率や上位下位の基準値についてです。これはクエリによって大きく異なりますので、一元的に基準値を設定できません。簡単に申し上げますと、幅広い検索心理を含有するビッグワードはたとえ検索上位でもクリック率は低いですし、検索心理が限定されるロングテールワードはたとえ検索下位でもクリック率は高いということです。その上でクエリ毎でもクリック率は異なりますので、リスティングや業界実績数値等と照合しながら判断していくことになります。検索順位に関しても同様で、例えば検索順位が8位の場合、これを上位と判断する方もいれば、下位だと判断する方もいるでしょう。検索クエリ毎にアイトラッキングも異なるため、何をもって上位とするか下位とするかはサイト運営者の自己判断になります。

結果、以下の区分けとそれぞれの次回施策が見えてきます。

クエリのポートフォリオマネジメント

簡単にご説明すると、このような施策付けが展開できます。

クリック率は高く、検索順位も上位

優れているクエリ群と判断できますので、それらクエリから派生ワードや共起ワードを発掘し、より多くの検索クエリを拾っていくようにページ設計します。

クリック率は高いが、検索順位は下位

主にミドル~ロングテールワードに見受けられるかもしれませんが、該当サイトサービス内容含め流入ニーズが高いと予測されるため、クエリの各検索順位を上昇させることで結果的にクリック数を増加させます。

クリック率は低いが、検索順位が上位

検索上位にも関わらずクリック率が低いのは該当サイトサービス内容がそもそも検索ニーズと合致していない可能性もありますが、すぐにサイトサービスを変更することは難しいと思います。このクエリ群に対してはSEO施策を一旦静観するという手もありますが、titleやスニペットの切り口を変更することで、よりクリックしやすいようなコピーを考えることもできると思います。但し、ページ内容は全く変えずにtitleやdescriptionを変えても不自然ですので、ページの中身をしっかり検証・構築し、それに合わせて変更していくことが必要です。

クリック率は低く、検索順位も下位

これは単純に検索順位が低いことによるクリック率の低下も考えられるため、流入ニーズ等を検証するためにも、まずはこのクエリ群を検索上位にするための施策が必要です。

SEOのPDCA

以前「素敵なSEOサイクル」でもご紹介しましたが、SEOのPDCA化は多岐に渡ります。今回のようにこんな形で次回施策とすることで、次のSEOが見えてくることもあると思います。

本来、SEOは検索順位だけでなくアクセス解析も行わなければ充分ではないと思いますが、もし現在検索順位が上昇しており、次の施策展開を模索されているのであれば、このポートフォリオマネジメントをご参考にされてみてはいかがでしょうか。

いずれにしてもSEOには終わりがありませんね(笑)。

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