内部リンク構造は大切です。それは検索エンジンのクローラビリティ(クロールしやすさ)やファインダビリティ(見つけやすさ)という見地もあるかもしれませんが、閲覧者にとっても(展開される)各ページに辿り着きやすいという見地でも大切です。実際に「検索して入ったページから一旦トップページに戻って色々なページを辿って行ったら、一番最初に入ったページに行けなくなってしまって、ブラウザ上の[戻る]ボタンを押しまくった」なんてことありませんか?
今回は、検索エンジンだけでなく閲覧者にとっても親切な各種ナビゲーションとは、についてオススメの考え方をご紹介したいと思います。
各種ナビゲーション
ヘッダーリンクとか、サイドバーリンク等、UI上の言い方は様々ありますが、今回ご紹介するナビゲーションに関しては、以下3パターンとしてご説明します。
- グローナルナビゲーションリンク(以下:グローバルナビ)
- ローカルナビゲーションリンク(以下:ローカルナビ)
- フッターリンク
グローバルナビ
グローバルナビはその名の通り、Webサイト全体をグローバルにナビゲーションするリンクです。ディレクトリ構造でいうと(トップページを第1階層とすると)第2階層に位置するような大きな軸で展開するケースが多いです。でも、ここに入れ込む内容ってセンスが必要なんですよね。多すぎても分かりづらいですし、少なすぎても勿体ないです。そして、グローバルナビはどのページにおいても一番目立つべきリンクですので、「ここのWebサイトはこんな感じで展開していますよ」ということを如実に表現していなければなりません。
にも関わらず、一時的な内容のページをリンク先に設定するのも…って感じですよね。グローバルナビを考える時に必要なのは以下の要素(メニュー)です。
- そのWebサイトが何者か分かるメニュー
- そのWebサイトのサービスや仕様、価格、等が分かるメニュー
- そのWebサイトで展開される各種主要カテゴリが分かるメニュー
- 検索上位に表示したいキーワードにおいて、何も知らない検索者でも理解できるメニュー
- 検索上位に表示したいキーワードにおいて、検索者に教えられるノウハウや情報があるメニュー
- 全体的に「知る」「興味」「検討」「比較」「申込」「共感」ができるカテゴリとメニュー
企業サイトの場合、この上記1.~3.については安易に想像できるかと思いますが、実は4.~6.の定性的な要素が大事だったりするんです。もちろん、そのWebサイトに興味を持って訪問してきた閲覧者もいますが、一般検索から訪問する閲覧者の中にはWebサイト自体の存在や名前も理解せず訪問する人もいます。Webサイト側としては、そういう人にも是非Webサイトを楽しんでもらって満足していってもらいたいですよね。あわよくば何かしらの申込までしてほしいですよね。そういう人もターゲットとして視野に入れるのであれば、4.~6.の要素を入れるのは非常に有効です。
同時にそこまでの情報が入っているWebサイトであれば、検索エンジン側としても評価は高いでしょう。
検索エンジンは飽くまでも「検索者にとって有益かどうか」で評価します。一般的に情報を知りたいだけの検索者がいた場合、その人にとって、1.~3.の主観的情報は決して有益とは限りません。ですので、4.~6.まで意識したWebサイトで、しかもそのコンテンツが有益であれば、閲覧者にも検索エンジンにも高評価されるでしょう。
ローカルナビ
Webサイト全体を横串にナビゲートするのがグローバルナビに対して、一部のカテゴリだけで展開するようなナビゲーションがローカルナビです。一部のカテゴリ内で展開するグローバルナビみたいな感覚ですね。例えば、グローバルナビに[コラム]というメニューがあったとします。そこからコラムトップやコラムページ群に入った時、コラムページ内での横展開――例えば、人気記事TOP5とか最新記事TOP5とか、コラム内カテゴリ一覧とか作ったりしますよね。そういったメニューは飽くまでもコラム内だけで展開し、他のカテゴリでは展開しないメニューにしたい、という場合、それはローカルナビになります。
ローカルナビを設定する場合は、UI設計上デスクトップの場合はサイドバーとして入るケースが多いです。他にはグローバルナビの下に作るケースもあります。モバイルの場合は(グローバルナビをハンバーガーメニュー化して)ヘッダーに作ったり、フッターのすぐ上に設定するケースもあります。
Webサイトによってはローカルナビを設計せず、グローバルナビにマウスオーバーしたら下に展開させる等して、グローバルナビを細分化して対応するケースもあります。まぁ、様々ですね。
要は、グローバルナビに入れ込むほど横串展開するわけではないけど、一定のカテゴリ内でグローバルに紹介したい場合にローカルナビを設計すると良いです。ちなみに、全てに言えることですが、ローカルナビを設計する時は、パンくずリストとしっかり同じ階層(ページの進み方)にしてあげないと検索エンジンと閲覧者の混乱を招きますのでご注意ください。
フッターリンク
フッターリンクは、私の感覚では、かなり検索エンジン寄りに考えると良いような気がします。過去の経験から、クロール頻度を上げたいページやカテゴリを優先的にフッターに設定すると検索エンジンに評価判断されやすいイメージを受けます。ただそれも数年前の情報ですので、今ではそこまでクリティカルにならないかもしれません。
ちなみに、閲覧者のことを考えるとフッターリンクには以下の要素があると効果的です。
- そのページを読み終えた後に確認してほしいメニュー
- SNSメニュー
- 運用者情報
- トップページ
- グローバルナビと同じ内容
ポイントとしては、上記の最初に書いたように、ページを最後まで読んだ人が次に何を読みたいと思うかを想像して設計することです。まぁ、でもフッターリンクは“ページ下部にあるグローバルナビ”という考え方もできますので、最後に書いたようにグローバルナビと同じ内容でも良いかもしれません。
あとはケースバイケースでメインコンテンツ内にリンク活用
というわけで、今回は3つのナビゲーションリンクに関する考え方をご紹介しました。それとは別に「このページからこのページを読んでもらいたい」等、局所的に展開したいメニューの場合はメインコンテンツ内で目立つようなリンクやバナーを設定すると良いでしょう。他にもフッターのすぐ上にレコメンドするメニューや関連記事を紹介するメニューがあっても良いと思います。
冒頭にも述べたように、内部リンク構造はとても重要です。そして、Webサイトの立ち上げやリニューアル時には、検索エンジンや閲覧者心理だけでなく、UIやデザインを考えながら設計しなければならないので考えるのはとても難しいです。
ちなみに私は内部リンク構造をどうすれば良いか仲間内で考えるのがめちゃくちゃ楽しいので、お困りの方がいたら是非ご相談ください。30分くらいなら無料で一緒に考えますよ(笑)。