ちょっと前ですが、Googleでは米国現地時間10月30日、いわゆるSTEM(Science:科学、Technology:技術、Engineering:工学、Mathematics:数学)に関して、Google検索とGoogleレンズをアップデートすることで、問題を解くためのアプローチ、理論まで解説してくれるようになったとThe Keywordで発表しました。いやぁ、もう賢すぎますね。ビジネスにそこまで影響する話ではありませんが、私生活に活かせるかもしれないネタとしてご参考ください。
どういうこと?
要は、図形の数学問題を解くためにGoogleレンズの撮影とGoogle検索をコンボで使えば一発でGoogleが理解してくれるし、その計算式に辿り着くための考え方まで解説してくれるということです。特に物理やイラスト等が出てくる問題にも力を発揮してくれるでしょう。以下、The Keywordの記事の和訳です。
Google検索で数学と科学の問題をさらにサポート
学習者がより難しい問題を解くのを助けるために、Google検索とGoogleレンズに新たなアップデートが加わりました。
数学の教科書を読んでいる時でも、複雑な物理学の問題をより深く理解するために検索している時でも、自分が欲しているものを正確に説明するのは難しいことがあります。例えば、複雑な生物学の概念や厄介な幾何学の問題を考えてみましょう。Google検索とGoogleレンズの新機能により、STEM関連の概念を視覚化し、より自然で直感的な方法でブラウズして、どの方程式を使用するかを把握できるようになりました。
数学、物理、幾何学の問題で助けてもらう
数学の問題を解こうとしている時に、次のステップがよく分からなくてイライラすることがあると思います。今回の新機能により、Google検索で問題を検索すると、三角法や微積分のようなテーマについて、さらに詳しい助けを得ることができます。検索バーに方程式や積分を入力するか、Googleレンズで写真を撮るだけで、ステップバイステップの解説と解答が表示されます。また“math solver”と入力すれば、デスクトップや近日公開予定のモバイル版でもお試しいただけます。
Googleの大規模な言語モデルの進歩により、高校物理の多くの基本的なトピックから、加速度計算のような文章問題のヘルプも得られるようになりました。この経験は、既知の値と未知の値を識別し、数学的にどの公式をいつ使うべきかを理解するのに役立ちます。
微積分や物理の問題を超え、Google検索を使った幾何学の助けを得る、というのはユニークな挑戦です。なぜなら、これらの問題は言葉だけで説明するのが難しいことが多いからです。例えば、ある三角形の面積を求めることになったとして、与えられたのは三角形の図と2辺の寸法だけだとします。問題の写真を撮ることができなければ、具体的に何を助けてほしいのかを言葉にするのは難しいはずです。しかし今は、視覚的な問題を説明するクエリを文章で考え出す代わりに、ある三角形の問題でGoogleレンズを使い、問題の視覚的要素とテキスト要素の両方を解釈し、ステップバイステップで解き方の説明を生成することができます。
Google検索でSTEMの概念を視覚的に探求
STEM関連のトピックを視覚的に深く理解することは、そのテーマ全体をマスターするための重要な要素であり、同じようなトピックについてもっと学びたいという好奇心をかき立てられるかもしれません。例えば、ミトコンドリアについて一般的な理解はあっても、クリステや内膜のマトリックスを形成する内部のひだをイメージすることはできないかもしれません。Google検索上の3Dモデルを使用すると、約1,000の生物学、化学、物理学、天文学および関連するトピックの定義と概要を含むインタラクティブな図を探索することができます。
これらの新しく改良された機能によって、人々が好奇心を満たし続け、その過程で新しい知識を学ぶことができることを願います。
引用)The Keywordより和訳
いやぁ、練習問題の解答に苦しむ学生には強い味方になりますよね。答え合わせをするのに色々調べなくても一発で分かりますから…。「いやいや、自分で調べないと覚えないでしょ」という考えはもう古いかもしれません。
世の中はどんどん時短に?
今回のGoogle検索による挑戦は、学術的な問題において人間が答え合わせや思考する時間を大幅に短縮するようになるわけです。誰かに訊かなくても、参考資料を調べなくても答えを知ることができるようになります。もっと言えばBardに「早稲田大学の第一文学部に合格するために英語の過去問題を出してください。」とプロンプトを入力したら、その例題を出題してくれます。私が学生の頃、ひたすら持ち歩いていた赤本が必要なくなる時代も来るかもしれませんね。
そう考えると、世の中全て時短だなぁ、と思います。検索するようになって、ど忘れした漢字や俳優の名前を思い出す時間もなくなり、イラストを考えるヒントさえもオープン化したGPTsを使えばアイデアが手に入ります。新幹線も時間、格闘技も時間(笑)、動画視聴も1.25倍速、ショート動画の横行、とにかく情報量を短い時間で手に入れる時代になりました。「まずは自分でとことん調べて、どうしても分からなかったら質問して」なんて言う上司は古く、「10分調べて分からなければ質問して」と言う時代。
そこまで時短して情報量を得ても正直人生を通して記憶できる時間はあんまり変わらない気がしますし、その分自分で考える時間が減ったような…まぁ、気にしないようにしましょう(笑)。しかも情報をたくさん得る時代になった結果、“マインドフルネスが大事”という相反するような志向性も重宝されるようになっていますし…まぁ、気にしないようにしましょう(笑)。
とにかく、世の中には情報とその解決策が溢れる時代になったということです。