米国現地時間7月13日、Googleはしごと検索における求人情報のガイドラインを少し変更したことをSearch Central Blogで発表しました。和訳してご紹介します。
求人情報ガイドラインの更新
今回のアップデートは構造化データにおける新規プロパティの追加とコンテンツポリシーの追加です。
求人情報ガイドラインの更新、求職者へより質の高い求人情報を
仕事を探すことは時間も手間もかかる作業であり、また、応募結果が人生を大きく左右することもあるでしょう。だからこそ、Google検索を利用する求職者には、確実で最新の信頼できるコンテンツを提供することが、Googleにとっても最優先事項です。
ユーザーの視点をよりよく理解するために、私たちは世界中の何万人もの求職者に、オンライン上で仕事に応募する際の実体験について詳しく聞いてみました。このフィードバックをもとに、検索結果の質を向上させるための共通のテーマを特定することができました。そして本日、構造化データの新しいプロパティと、新しいコンテンツ編集ポリシーを追加したことを発表します。
新しいdirectApplyプロパティ
directApplyプロパティは、直接応募ができる求人案件かどうかを、ユーザーに伝えられるオプションです。直接応募とは、ユーザーが求人応募にあたり、手間が少なくシンプルで短いステップのみで応募が完了することを意味します。
Webサイト上で以下のようなプロセスが提供できていれば、直接応募を提供していると考えられます。
- Webサイト上で応募プロセスが完了できること。
- Googleから求人案件ページにアクセスしたユーザーが「応募」をクリックしてから応募プロセスを完了するまでに、2回以上ユーザー情報を入力する必要がないこと。
現在こちらの情報は、Googleへの反映作業を行っているため、Google検索結果にすぐには反映されないかもしれません。
新しいコンテンツ編集ポリシー
ユーザーがコンテンツを理解し、簡単に応募できるようにするために、Googleしごと検索での新しいコンテンツ編集ポリシーを追加します。新しいコンテンツ編集ポリシーには、妨害的なテキストや画像、過剰で気が散るような広告、または求人情報に何の付加価値も与えない情報など、求人コンテンツに関するガイダンスが含まれています。また求人情報に関しては、大文字と小文字の区別など、基本的な文法ルールを遵守ください。
これは、検索結果の質を向上させ、Googleの新機能の開発に役立ちます。
導入に充分な検証時間をかけるため、新しいコンテンツ編集ポリシーは2021年10月1日にリリース予定です。詳細については開発者向けドキュメントをご覧ください。
求職者からの信頼を得るために、サイトオーナーが取り組むべき課題
Googleの調査結果から考えられることとして、Webサイト上で以下の点に注意することで、求職者からの信頼を向上させることができるでしょう:
- サイトに、詐欺やスパムの疑いがあるような求人情報が掲載されていないか確認しましょう。そんな求人情報は、実際の仕事として存在しないはずです。仕事の機会に直結する求人ページのみをマークアップするようにしてください。
- 良質なユーザー体験を提供しましょう。Googleユーザーからのフィードバックによると、ユーザー体験の低いサイトとは、必要がないにも関わらずユーザー情報を求めたり、ページの質が悪かったり(例:過剰で邪魔な広告)、応募プロセスが複雑だったり(例:何度もリダイレクトを繰り返す)するサイトです。また、ユーザー体験の質が低いと、応募完了率も低下します。
- 応募期日が過ぎた求人情報は削除しましょう。既に新規応募を受け付けていない求人情報の放置もやめましょう。応募しても雇用主からの返事がないというのは、求職者からよく聞く不満の1つです。サイトから求人情報を削除する際には、マークアップした情報を削除するか、validThroughプロパティを更新することも忘れないでください。Googleとしては、Indexing APIを利用して、変更内容をアップデートすることをおすすめしています。特に、何度かリダイレクトした後にようやく辿り着いたのが応募期日を過ぎた求人情報だと、ユーザーにとって大きなストレスです。
- 求人案件の掲載日が偽りのない本当の日付かどうかご確認ください。ユーザーは、その求人が新規応募者を受け入れているかどうか、採用されるチャンスがあるかどうか、その求人の魅力などを評価するシグナルとして、情報の新しさを重視します。古い求人情報を新しい求人情報として隠蔽したり、求人情報に変更がないにも関わらずDatePostedプロパティを更新したりしないでください。
- 誤った情報や誤解を招くような情報を求人案件に記載したり、マークアップする情報に含めないでください。具体的には、不正確な給与、勤務地、勤務時間、雇用形態、その他の仕事に関する詳細の情報が含まれます。このような事態を避けるためにも、求人案件ページに本来の求人内容が正しく説明されているか、そして求人情報が正しくマークアップされた上で表示されているかご確認ください。
私たちは、Googleで表示される結果が信頼できるものであり、ユーザーに良い体験を提供することを常に目指しています。この目標は、求職活動をサポートするすべてのWebサイトと共通のゴールと考えています。ご質問やご意見がございましたら、Google Search Central CommunityやTwitterでご連絡ください。
引用)Search Central Blogより和訳
1つ目のほうは、Googleの検索結果から直接応募(すぐに表示Webサイトの案件ページにいき、1回の個人情報入力で求人案件に応募できる)できる状態であれば専用のプロパティをマークアップすることで、検索ユーザーにそれを分かりやすく表示します、ということですね。見せ方については現在検討中のようです。
2つ目のほうは、色々なユーザーからのフィードバックを受けた結果、ストレスなく簡潔に閲覧できる求人情報であること、リダイレクトもそんなにしないこと、嘘偽りのない求人情報であること、期限切れはやめて、等を徹底してくれってことですね。
ニューノーマル時代の求人検索は簡潔に
新型コロナによる世界的な影響は世界的に働き方を変えました。そしてそんな中でも転職活動は盛んに行われています。当然のことながら、ユーザーは自宅の環境等において、仕事情報をより見つけやすく、知りたい情報を簡潔に提供してくれるプラットホームを好む傾向にあります。Googleとしては余計な情報やストレスを与える求人情報は排除していきたいわけですね。以前は求人案件名に施策キーワードを含有させたり、余計な装飾語を入れるようなWebサイトが多くありましたが、それもだいぶ減ってきました。これからももっと情報をスマートに表示するWebサイトが好まれる傾向にあるでしょう。
ちなみにGoogleの記事では、募集していない案件はページ削除してくれ、と記載されています。しかしながら、Webサイトオーナー側としてはSEO上の様々な理由から残すケースも多いと思います。また求人を復活するかもしれない理由でわざわざ削除するのをためらうサイトオーナーも多いのではないでしょうか。ページを200プロトコルで存在させておきつつ、募集していない旨をしっかり記載して構造化データも削除するというやり方をしている人もいれば、Googleが推奨するようにIndexAPIを活用する人もいると思います。これに関して、私からの明言は避けますが、Webサイトの運用方針に合わせて決めごとを作っていくようにしてください。
求人サイトに関しては、サイト構造や内部リンク構造、インデックス方針や正規URL方針等、独特な設計を戦略立てなければならず、経験者でなければWebサイトの構築が難しいところも数多く存在します。独特なWebサイトの世界ですので、是非経験者にご相談しながら進めてください(ちなみに私は経験者ですw)。