まだまだ記事は続きます。米国現地時間9月28日に開催されたSearch On 2022のフォローアップ記事群からのご紹介シリーズです。
今回はThe Keywordの「場面問わず完璧な一品に出会える」という記事の和訳です。
レストランを見つけやすく、メニューを知りやすく
米国中心の展開だとは思われますが、Googleはレストラン検索に関しても注力しています。食べたいものを検索すれば、食べられるお店を見つけやすくなりますし、写真だけでお店までたどり着けるようにもなります。また、お店の情報から取り扱いメニューやメニューの詳細評判まで分かるようになるのです。いちいち何度も検索したり、お店に電話して味やメニューを確認する必要もなくなります。まぁ、Google検索で食べログ機能を実装できるように強化しているようなイメージですかね。
場面問わず完璧な一品に出会える
新しい検索機能により、特定のメニューやレストランの特徴を探すことができます。
例えば、家族の集まりで食事をするレストランを自分が決めることになったとします。お母さんはイタリアンが好きですが、姪と甥はピザの好みにうるさいということが分かっています。また、叔父さんは眺めのいいレストランにこだわりますが、お姉さんはデザートがおいしくないところは嫌がります。そして、明日までには予約を入れなければならない状況です。このような場面でのレストラン探しは、いくらグルメな人にとっても無理難題と言えるでしょう。
このように、特定の欲求を満たしたりムードを盛り上げたりする条件を満たす場所を見つけるには、時間がかかることがあります。特に、好き嫌いの多い家族の中でレストランを探す場合、最適な場所がスムーズ且つ簡単に見つかると嬉しいですよね。
この度Googleは、そんな人にとって完璧な食事処を見つけるのに役立つ新しい機能を発表します。
特定の料理を検索して、食欲を満たす
Googleの調査によると、食べ物を検索する時に、約40%もの人がそれを食べたくて検索するそうです。そこで今後数ヶ月の間に、どんな料理でも、検索するとその料理を提供している地元のお店を見ることができるようになります。
例えば、私の家族は小籠包が大好きで、新しいレストランでもどれくらいジューシーで美味しい小籠包なのかを吟味するのが大好きです。従来の検索結果は、近くの小籠包を検索すると関連するレストランのリストが表示されるだけでした。しかし今回アップデートされた機能で、探している料理まで正確に表示されるようになりました。もしピリ辛がお好みの場合は、辛い味のメニューに絞って検索することもできます。もうそれぞれのお店のメニューをいちいち見て、食べたい小籠包があるかどうか確認する手間はかからなくなります。
マルチサーチで近くのお店を探す
今年初め、Googleは画像とテキストを同時に使って検索する革新的な方法――マルチサーチを導入しました。
例えば、友人がおいしそうなお菓子の写真を投稿しているけど、それが何の料理か分からない場合、あなたならどうしますか? 友人にメッセージを送ってひたすら返事が来るのを待つ以外に、Googleアプリを使ってもっと簡単にできます。投稿された画像のスクリーンショットを使って検索すれば、それがバターと生地を何層にも重ねたフランスのお菓子、クイニーアマンであると分かるでしょう。今秋から「近くの(near me)○○」と検索すれば、近所で取り扱いのあるパン屋さんを見ることができるので、クイニーアマンもあるかどうか試せます。うーん、美味しそう!
お店の特徴をもっと知ろう
皆様がお気に入りのレストランに何度も足を運ぶ理由は何でしょうか? 今まで食べたことのないような本格的なラザニアが食べられるお店だからでしょうか。あるいは木曜日の夜になると地元の素敵な歌手に会えるからでしょうか。このように、お店の特徴を知りたい時は、友人からの推薦や内部情報を知るのと同じくらい簡単に情報を得たいと思うでしょう。
星による評価機能は便利ですが、それだけでレストランの全てが分かるわけではありませんよね。そこで今後数ヶ月のうちに、レストランに対する口コミや評価をプレビュー表示することで、そのお店の特徴をより深く理解し、足を運ぶ決め手の材料にすることができます。この機能を実現するために、Googleでは機械学習を使って画像と(皆様からの)レビューを分析し、そのお店の特徴を見つけます。
更新されたデジタルメニューを確認する
お目当ての料理を提供するレストランが見つかったら、レストランに行く人全員が喜べる料理があるかどうか、メニューを見たくなりますよね。しかし、オンラインで正確なメニューを見るのは難しいものです。
そこでGoogleでは、デジタルメニューの提供範囲を拡大し、より視覚的に豊富で信頼性の高いメニューの提供を目指します。Googleでは、皆様やお店から提供されたメニュー情報と、データ共有可能なオープン情報機能を採用しているレストランのWebサイト上のメニュー情報を組み合わせて表示するようにします。そのためにMultitask Unified Modelを始めとする最先端の画像・言語理解技術を活用しているのです。
このデジタルメニューは、そのお店で最も人気のある料理を紹介したり、ベジタリアンやビーガン向け等、様々な食事の選択肢まで表示出来たりするようになります。
Googleでは、皆様が何を食べようかと迷うような時間を減らし、より楽しく、より簡単に、よりスムーズに料理を探せるようにしたいと考えています。これからも、皆様が今度食べたいと思ったものを見つけるお手伝いをしていきます。
引用)The Keywordより和訳
この記事でのポイントは以下です。
- 食べ物を検索する時はだいたいそれを食べたくて検索するもの。そこであと数ヶ月で料理名で検索するとその料理の結果と共に取り扱いレストランが表示される機能が導入されるようになる。
- マルチサーチで「near me」と合わせて検索すれば、食べ物の写真からそれが何でどこで売っているかが分かる。
- あと数ヶ月で、レストランの評判が(星だけでなく)コメントや画像等を使って分かるようになる。
- ユーザーからの投稿や店舗用オープン情報機能を組み合わせてデジタルメニューを表示するようになる。
日本への導入は?
この記事では、特に今回の機能の対象言語や地域まで言及されていませんので、日本への導入は未定です(地域性やデータ共有度がキーになるため、日本で機能導入できたところで情報インフラが少なければ機能しない?)。そのうえで、日本での状況を推察するに、今後Uber Eatsや出前館等と提携している飲食店であっても、Google検索に対応できるようなメニューや料理画像等を強化していくことで、より販促機会を増やしていくことができるでしょう。また、食品メーカーであっても、今やUber Eatsを使えばコンビニ等から届けてくれたりもできますので、販路のひとつとして捉えておくと良いかもしれません。
まぁ個人的な思いとしては、ここまで便利にせずとも、レストランとかに実際に出向いて注文し、食後に「美味しくなかった」とか「思った以上に良かった」等を検証するのもまた一興かな、とは思いますが、そう思うなら最初から検索しなければ良いわけですし…便利になるに越したことはないので、これからが楽しみではありますね。