GoogleのWebmaster Central BlogでChromium(Google Chrome開発の元となっているオープンソースのプロジェクト)に合わせてGooglebotが最新のレンダリング機能を持つようになった、と発表されました。つまり、Webページレイアウトをより正確に理解し、ランキング評価に組み込まれるということですね。
Webmaster Central Blogの意訳
Google I/O 2019でも詳しく触れられるようですが、取り急ぎWebmaster Central Blogの訳をご紹介します。
新しい、不朽のGooglebotの登場
Googlebotは、Webページに訪問し、それを検索結果にインデックスさせるまでの機能を持つクローラーです。SNSやイベントのコミュニティなどで最も多く聞かれる質問が、Googlebotを最新のChromiumに合わせて、常時新鮮な状態(レンダリング)にすることはできないのか、という内容でした。しかし今日、検索においてWebページをレンダリングする際、Googlebotが最新のChromiumに合わせたレンダリングエンジン(この投稿時点ではVer.74)で機能するようになったことを、幸いにも発表します。これからのGooglebotは、レンダリングエンジンが最新のWebプラットフォーム機能に対して正確に準拠できるよう、定期的にアップデートしていきます。
今回の件がどう影響するか
以前のバージョンと比較すると、以下の例のように、Googlebotは1,000以上もの新たな機能をサポートしています。
- ES6(JavaScriptの標準規格のバージョン)と新しいJavaScriptの機能
- IntersectionObserver for lazy-loading
- Web Components v1 APIs
もしGooglebotに対して特殊なトランスパイル(特殊なプログラミング言語でコーディング)をしていたり、ポリフィル(CSS,HTML,JavaScript等をうまく読み込んでもらうために特殊なオブジェクトを用意する手法)を使っていたりしていて、その手法が今でもWebページに必要だと判断しているならば、確認・検証しておくべきでしょう。いくつかまだ制限事項があるので、JavaScript関連の課題をまとめたトラブルシューティング集、またはJavascript SEOの動画シリーズをチェックしてみて下さい。
<以下略>
引用)Webmaster Central Blogより意訳
つまりGooglebotが、より正確に常時最新(どこまでかは分かりませんが…)のレンダリングが出来るエンジンへとバージョンアップしたという内容です。従って、従来のGooglebotのレンダリング用に特殊なコーディングをしたり、JavaScriptの部分に特殊な施しをしていたサイト運用者は、一度見直したほうが良いとのことです。
喜ばしいのは…
これは、SEOという点においてはコーダーやフロントエンドのエンジニアだけでなく、場合によってはバックエンドのエンジニアにも有難いのではないでしょうか。そして、サイトオーナーにとってはSEOを意識しつつも、デザイン性を追求できるようになるのではないでしょうか。ひと昔前までは、テキストぎっちぎちのWebサイトページが高評価されていましたが、今後はすっきりとした――空白を存分に活かしたサイトページでも、優れたUXを与えられるのであれば高評価されていくのでしょうね。
そして「そのデザインだとSEO的にちょっと…」等と言われ、やる気が下がっていたWebデザイナーにとっても、存分に能力を発揮できるようになるのではないでしょうか。
なんか…これからのWebページのUIの在り方等も変わってきそうでワクワクしますね。