Googleがコアアルゴリズムアップデートについて、「ウェブマスターに知っておいてほしいこと」をブログにまとめておりますので、その意訳をご紹介します。以前から何度もGoogleが公表している内容ではありますので目新しい情報はありませんが、最近SEOをちゃんと考え始めた人には良い記事かと思います。
どんな内容?
Google Webmaster Central Blogでは、コアアップデートに関する対処法とそもそもの良質コンテンツに関する自問自答方法を紹介してくれています。以下訳したものをご紹介します。
しかし、時として目立つアップデートも起こります。ウェブマスターやコンテンツ運営者などに関係し、何らかの行動が必要な場合のアップデートに関しては、Googleかは事前によく確認するように促しています。例えば、「スピードアップデート」が起きた際は、私たちは数ヶ月前から事前に通知とアドバイスを行いました。
年間に数回、Googleは検索アルゴリズムやシステムにとって重要で広範囲の変更を行います。Googleではこれらを「コアアップデート」としています。これらのアップデートは、Googleのミッションである、関連性や権威性のあるコンテンツを検索ユーザーに届けることを成立すべく行なわれています。また、Google Discoverにもこういったアップデートは影響を与えることがあります。
広範囲のコアアップデートは広く目立った影響をもたらすことが多いため、Googleはこういったアップデートが正常に機能しているかチェックしています。いくつかのサイトはアップデートが行われると下落、または上昇することもあると思います。Googleはそれを把握している上で、下落しているサイトには改善策を求めると思いますし、それが間違った方向に進まないようにGoogleは確認していきたいと考えています。それに、全く改善する必要がない場合もあったります。
コアアップデートとコンテンツの再評価
コアアップデートによってパフォーマンスが悪くなったページは、必ずしも何か悪い点があるとは限りません。それらは通常のガイドラインを違反したページに発生する、手動対応やアルゴリズムによる何らかのアクションを受けたわけでもなく、Googleのウェブマスターガイドラインにも違反しているわけではありません。実は、コアアップデートは特定のページやサイトをターゲットに行われているわけではありません。それよりもこういったアップデートは、Googleのコンテンツを評価する全体のシステムをより向上するために行われているのです。これらの変更により、今まで低く評価されていたページが高評価されることもあるでしょう。
コアアップデートがどのようにして機能するかを考える時、例えば自分が2015年の映画からトップ100のリストを作ったという風に考えてみてください。数年後の2019年、そのリストを再度作り直します。当たり前ですが、それは自然と変わってくるかと思います。今まで存在していなかった新しくて素晴らしい映画が、リストの候補に上がるでしょう。また、もしかすると自分が今までの映画を再度評価して、今までのリストの順位よりももっと上位に置くべきだと判断するかもしれません。
このリストが変化すること、そして今までリストの上位にいた映画の順位が落ちることは、決して悪いことではありません。ただ単に、今までよりも上位にいるべき映画が出てきたということでしかありません。
コンテンツに重きを置く
以上の通り、コアアップデート後に順位が落ちたページに何か修正すべき悪い点があるとは限りません。そうは言ってもGoogleは、コアアップデート後に下降したサイトのオーナーが何かしなければと考えてしまうことは重々理解しています。Googleから言えるのは、自分が作成できるベストのコンテンツをユーザーに提供すること、とにかくそこに重きを置くことです。Googleのアルゴリズムはそれを評価しようとしています。
最初に始めるべきは、Googleがこれまでアドバイスしてきたように、サイトが質の高いコンテンツを提供しているかどうか、自己評価の方法を見直すことです。コンテンツについて自問する項目を以下のようにアップデートしました:
コンテンツと品質における自問
- そのコンテンツが独自の情報として、レポート、研究や分析を提供しているか。
- そのコンテンツに、トピックの重要性、完全性、また総合的な説明が含まれているか。
- そのコンテンツが、洞察的で見識のある分析、また当然の内容で終わらせない興味深い情報を提供しているか。
- そのコンテンツが他のソースを引用する場合、それは参照元を単にコピペしたり、書き換えしているだけになっていないか、重要で付加価値のあるオリジナル性を提供しているか。
- 見出しやページタイトルのいずれか、もしくは両方が、説明的・記述的で、コンテンツの要約として役に立つか。
- 見出しやページタイトルのいずれか、もしくは両方が、不当に誇張していたり、衝撃的になっていないか。
- 自分ならそのページをブックマークしたり、友人に共有やオススメをしたりできるか。
- そのコンテンツが、書籍化されたり事典等に参照されたりすることを想定できるか。
専門的な自問
- そのコンテンツは、信頼できる情報を提供しているか、例えば明確な参照元、専門家情報、サイトオーナーやコンテンツ著者の背景情報、著者ページへのリンクや「このサイトについて」ページへのリンクがあるか。
- 自分がそのサイト提供コンテンツを調べた時、トピックについて信頼に値する、または権威として広く認知されている、という印象を持つか。
- そのコンテンツが、トピックについてよく知っている専門家や愛好家によって書かれたものか。
- そのコンテンツに、簡単に確認できる事実ミスがないか。
- お金や人生に関連するコンテンツの場合、自分が信頼、安心できるコンテンツか。
表示や記載における自問
- そのコンテンツに、誤字脱字または様式上のミスがないか。
- そのコンテンツが、吟味して書かれたものなのか、急いで書いたような杜撰なものなのか。
- そのコンテンツが、ありふれたもので、誰もが書いているようなもの、また一般的に広く知られた内容で、そのせいで各ページやサイトが関心を引かないものになっていないか。
- そのコンテンツに、主要な内容を阻害するほど大量な広告がないか。
- そのコンテンツがモバイル上でもちゃんと表示されているか。
比較的な自問
- 検索結果の他ページと比較した際、自分のコンテンツが重要な価値を提供しているか。
- そのコンテンツが、サイト訪問ユーザーの純粋な興味関心に応える内容か、それとも検索の上位表示のためだけに誰かが作った内容にすぎないか。
これらの質問を自分に問いかけるだけでなく、信頼できる知人で利害関係(金銭的な報酬等)もない人に本音で評価してもらうことも良いかと思います。
また、直面した検索順位下降の原因調査や分析も行ってみてください。どのページが最も下落影響を受けたのか、そしてそれはどういった検索だったのか?こういった細かい部分に目を向けることで、ページがどのように評価されたのか、上記の質問に対しても理解が深まるかもしれません。
品質評価ガイドラインとE-A-Tについて
優れたコンテンツかどうか検証するの他のやり方として、私たちの検索評価ガイドラインがあります。評価者とは、Googleのアルゴリズムが良い検索結果を提供しているかどうか、Googleの変更がしっかり働いているかどうか、確認するための検証をしてくれる人々です。
検索結果の評価者が、ページのランキングに対して何の効力もなく、コントロールさえできないことは必ず理解してください。評価者によるデータは、Googleのランキングアルゴリズムにそのまま使われることはありません。というよりもGoogleは評価者からのデータを、レストランがお客様からフィードバックカードをもらうような形で利用しています。フィードバックはGoogleのシステムがきちんと機能しているかどうかを知るのに役立てています。
もし評価者がコンテンツを評価する仕組みを理解できれば、それは自分のコンテンツを改善する助けになるでしょう。そうなれば今度は検索結果に好影響が望めるでしょう。
特に評価者は、Googleの「E-A-T」概念がコンテンツに反映されているか検証するよう教育されています。専門性・権威性・信頼性の3つです。ガイドラインを読むことで、自分のコンテンツがどのようにE-A-Tの側面から評価されているのかが分かったり、改善について考える助けになるかもしれません。
以下は、ガイドラインをどのようにしてアドバイスとして利用したか共有している第三者が書いた記事です。
- E-A-T and SEO, from Marie Haynes
- Google Updates Quality Rater Guidelines Targeting E-A-T, Page Quality & Interstitials, from Jennifer Slegg
- Leveraging E-A-T for SEO Success, presentation from Lily Ray
- Google’s Core Algorithm Updates and The Power of User Studies: How Real Feedback From Real People Can Help Site Owners Surface Website Quality Problems (And More), Glenn Gabe
- Why E-A-T & Core Updates Will Change Your Content Approach, from Fajr Muhammad
注意:上記の記事へのリンクは、特定のSEO会社やサービスに対する支持・承認・賛同ではありません。飽くまでもGoogleがこのトピックのコンテンツに対して役立つと判断した記事です。
改善とその他アドバイス
コアアップデート後のよくある質問として「コンテンツを改善したら、サイトが元に戻るまでどのくらいかかりますか?」と訊かれます。
広範囲のコアアップデートは数ヶ月ごとに起こる傾向があります。1つのアップデートによって影響を受けたコンテンツが、何らかの改善をしたと仮定しても、次の広範囲のコアアップデートが発表されるまで元に戻らないかもしれません。
しかし、Googleは小さなコアアップデートを含めて、検索アルゴリズムに対して絶えず変更を加え続けています。それらは些細な変更のため、毎回細かくアップデートを公表しません。Googleが発表するアップデートの際は、きちんとサイトを改善していることが前提ではありますが、その前に元に戻ることも起こり得ます。
但し、心に留めていただきたいのは、たとえサイトオーナーによってサイトが改善されても、それは検索順位回復を保証するわけではなく、また検索結果でのページの位置や順位を保証するわけでもないということです。もし検索結果により評価に値するコンテンツであれば、Googleは上位にランキングさせ続けます。
また、人間がコンテンツを理解するように、Googleの検索エンジンが理解しているわけではないことを知ることも大切です。その代わりに、Googleは人間がコンテンツの関連性を評価するようにコンテンツを理解できるよう、相関シグナルを探求しています。
Googleが使うシグナルでよく知られているのが、ページがどのように互いにリンクし合っているのか、という内容です。しかし、Googleはもっとたくさんのシグナルを利用しており、それはGoogleの検索結果の高潔を守るために開示していません。
Googleは広範囲のコアアップデートを実施する前に、先ほど言及した評価者からフィードバックを集め、Googleのシグナルが有益かどうかを判断するためのテストを行なっています。
もちろん、検索に対してGoogleが何も改善する必要がないのが完璧な状態です。そのためにGoogleはアップデートし続けるのです。Googleはもっとフィードバックを取り入れて、もっとテストを行なって、ランキングシステムを改善するために稼働し続けます。このGoogleのアップデートの最終的な目標は、コンテンツ作成者が何もしなくても、自然とコンテンツが改修されたり改善されるようなシステムが出来上がること。そんなシステムが出来上がれば、よりユーザーに好かれるよいコンテンツを評価できるようになるでしょう。
Googleがここでアドバイスした内容がサイトオーナーに何らかの形で役立つことを望んでいます。また、他にも良いコンテンツについてのアドバイスを、Googleウェブマスターのツールやヘルプページ、フォーラム上から確認することもできます。詳細はこちらから。
つまりどんな内容?
Googleのコアアップデートによって下落したコンテンツを改善した場合、次のコアアップデートを待つしかないこともあるし、日々のアップデートで順位回復するかもしれない。でも順位の向上も回復も保証されるわけではない。「お気に入り映画の最新TOP100」みたいなものを自分の中の例として挙げると理解できるのではないか。――ということを言っています。
つまり、恒久的に権威的なコンテンツは継続的にランクインされるだろうけど、最新の説や良質な記事が生まれれば心太式に順位は下落するだろうということですね。そして、順位下落云々の前に自分のサイトが本当に良質か確かめろとも伝えています。
印象に残ったのは、私なりの解釈フィルタを通すなら「誰かが書いたどうでも良いような記事で、読者に何も経験を与えないような記事は順位下落する」「権威性や相関性を検証するためにリンク構造を解析している」ということです。つまり、本気で書いた記事は絶対に誰かに何かを伝えたい内容になっているはずなので、Googleはそれを評価する術をいくつも持っているということです。
もっと端的に言えば「自分が真に伝えたい内容を表現しろ」ってことですね。そう考えると、私も自分のサイトページで色々と見直さなければならないところがいくつかあるような…そんな気がします。