以前、ウォーターサーバーの会社のWebサイトで「水とは」という500文字くらいのコンテンツページを見たことがありました。おそらく「SEO上のテーマ性」等を目的として記載していると思いますが、そういったコンテンツ――つまり単語を説明するコンテンツは必要かどうかについて、私の持論を書いておきたいと思います。
単語説明コンテンツを入れ込む意図
たまにWebサイト内に不自然な内容で「○○とは」等のコンテンツページがあったりします。おそらく目的は、対象となる単語で検索するようなユーザーの流入と「SEO上のテーマ性」という抽象的なコンテンツ設計内にあるかと思います。ただし、後者(SEO上のテーマ性を目的とする)に関しては、SEO業者による入れ知恵もあり、その目的云々よりもコンテンツライティング費の獲得をSEO業者が狙ったとも思えます。
ちなみに、「SEO上のテーマ性」という目的についてもうちょっと噛み砕いてご説明すると、冒頭で紹介した「ウォーターサーバー」というキーワードでSEO施策を考えている会社の場合、「ウォーター」に関するテーマを作り上げていくことで「ウォーターサーバー」というキーワードで順位向上するという意識から、「ウォーター」に関するあらゆる情報を網羅する必要があると考え、結果的に「水とは」というコンテンツページの作成に至ったのかと推察します。しかし、この「水とは」というコンテンツページは必要でしょうか…?
一体、誰が読むのでしょう? 本当に「水とは」というコンテンツページを作成したければ、(あまりにも一般的すぎるため)むしろ学術的な部分から相当広く浅く記載しなければならないと思いますし、とても500文字程度で収まる内容とも思えません。逆に「酸素と水素から成るH2Oを化学式としたもの」といえばそれまでです(笑)。
とはいえ、「SEO上のテーマ性」という言葉自体を否定するつもりはありません。実際に私も「SEO上のテーマ性」という言葉を使います。しかし、このままでは言葉が足りていないから分かりづらいんです。私がこの言葉を使うのは、“Webサイトとしてのテーマ性を作り、検索ユーザーに一定の価値を与えるコンテンツや導線を設計すること”という意味です。それは検索ユーザーに対する最適なWebサイトページであるという意味でSEO上の価値の集合体であり、Webサイトとしてのテーマ性であると考えています。
そしてGoogleの検索エンジンは、既に概念レベルでコンテンツページやWebサイトを理解しており、またそこから紐づいて、そのWebサイトの目的まで理解しているはずです。検索心理を多角的に分析し、検索ユーザーの欲する情報を仮説付けて、その有力な仮説順に呼応する情報サービスを(理解したWebサイトから)順に検索結果として紹介している仕組みです。ですので言い換えれば、SEO上のテーマ性とは、“Webサイトが誰のどんなニーズを解消するWebサイトなのか、しっかりと間口と情報導線を敷くこと”だとも考えています。
その上で、潜在顧客やターゲットが「どういう意味か知りたい」と思って検索するであろう言葉や語句、専門用語があれば、しっかりと公平な見地で説明すると良いのではないでしょうか。つまり、単語説明コンテンツは単語次第でユーザーのためになる、ということですね。
単語を説明するコンテンツ要素
専門用語までとは言えないが、バズワードとして台頭してきている言葉や5人中1,2人が知っているくらいの程良い単語で「○○とは」と検索すると、往々にして以下の説明切り口が並んだコンテンツページに辿り着きます。
- とは(辞書的な説明)
- 種類(どんな形態があるか)
- メリットとデメリット(それを使う長所短所)
- 使い方(それの導入方法や使い方)
- 注意点(それを使う上での注意点)
本当にこういう切り口のコンテンツページが多いんです。そして、実はこの内容が進めば進むほど(下に行けば行くほど)初心者っぽくて浅い情報に感じるケースが多いです。ユーザーとは読み進めれば読み進めるほど、情報に関して上級になっていくので、内容が進めば進むほど、より専門的であったり実践的であると良いのですが、情報水準が一定なので閲覧者には最終的に物足りなさだけが残ります。実はコンテンツ設計において、ここが非常に勿体ないのです。
これは、コンテンツ業者やライティングそのものをゴールとしているライターが書くケースにありがちなのですが、本当にその道のプロ(専門)がユーザーのタメを思ってライティングすると、それとは全然変わってくるんですよね。コンテンツ自体でユーザー(の知識と意識)を育み、最終的に「じゃあ始めてみましょう」というところまでしっかりと寄り添ったチュートリアル的な流れになっているコンテンツはユーザーの行動をも促します。しかも、その先には「私たちの○○を使って始めるとこんなに良いよ」という訴求までできますし、それはもうターゲットに対するビジネスチャンスに直結します。
つまり、単語を説明するコンテンツにおいては、「コンテンツを読んでいるうちにユーザーもリアルタイムで知識を得ている」という意識をもってライティングするべきでしょう。
まとめ
はい、まとめます。
単語説明コンテンツは必要か、という問いに対する私の持論は以下です。
- 潜在顧客やターゲットが「どういう意味か知りたい」と思う言葉や語句、専門用語に関しては、紐解くコンテンツページがあっても良い
- ただし、自分のWebサイトが誰のどんなニーズを解消するWebサイトなのか、考えた上で設計すること
- ライティングする時は、内容が進めば進むほど、より専門的であったり実践的であると良い
- 上手くいけばターゲットに対するビジネスチャンスになり得る
なんか…単純な回答になるはずが、色々情報を足してしまいました。
ライティングする際はどうかお気をつけください。