Googleは米国現地時間7月19日、動画ページのSEO改善による流入増加策としてメディア3社の成功事例をピックアップして紹介しました。ケーススタディとしての事例に過ぎませんが、久しぶりに動画SEOのケーススタディとして紹介されていたので、このブログでも紹介しておきます。
Googleが紹介するケーススタディ
今回は動画を保有する海外の大手メディアがどうやって動画のファインダビリティ性(見つけやすさ)を拡大させたかについて紹介されています。…が、結局は「構造化データをマークアップすること」「リッチリザルトテストで構造化データの記載方法を確認すること」「Search Consoleで動画ページのインデックス状況を確認すること」n3点の啓蒙でしたね(笑)。とにかく和訳します。
グローバルなコンテンツパブリッシャー3社が、動画SEO機能によっていかに効果的にオーディエンスを獲得したか
動画はWeb上でコンテンツを作成・消費するためのフォーマットとして、その重要性が増し続けており、あらゆるプラットフォームや地域を通してGoogle検索結果に表示されます。Googleは、Web上の有益な動画を特定、理解、表示することで、ユーザーにとって関連性の高いコンテンツを見つけやすくし、ユーザーが利用しやすくなることを目指しています。
動画SEOのベストプラクティスに則し、Search Consoleの動画インデックスレポート、リッチリザルトレポート、検索パフォーマンスレポートを使用して検索上の動画を監視、修正、測定することで、多くのWebパブリッシャーがGoogle検索結果全体で動画コンテンツをより発見しやすくし、サイトへのトラフィックを増やしています。今回はその成功事例をいくつかご紹介します。
Weather.com、インデックスされた動画ページの数が2倍に増加
IBMのThe Weather Channelブランドの一部であるWeather.comは、動画マークアップを実装した後、Googleにインデックスされる動画ページの数が2倍以上に増え、動画がユーザーによってより簡単に見つかりやすくなったと分かりました。
Weather.comのコンテンツ戦略・製品責任者であるLea Ann Leming氏は、次のように述べています。「私たちのチームは、消費者にサービスを提供し、天候に直面する人々の安全と情報を守ることに情熱を注いでいます。それは日々の活動計画を立てるためであろうと、悪天候時に家族を守るための対策を講じるためであろうと同じです。私たちは毎日膨大な量の動画を制作していますが、[Weather.com]の[動画ページ]の発見されやすさを最適化することによって、ユーザーが必要とし期待する気象情報に辿り着ける方法をまたひとつ増やすことができました。」
導入プロセスにおいて、Weather.comのチームはリッチリザルトテストとSearch Consoleの動画インデックスレポートの両方を使用しました。「これらは、何度も構造化データの有効性をチェックできる素晴らしいツールです。」
Italiaonlineは動画のクリック数が841%増加し、動画インデックスのエラーが85%減少
Italiaonlineはイタリア有数のインターネット企業で、アクセス数の多い全国ネットワークのWebサイトを所有しています。さまざまなサービスや複数のドメインを通じ、Italiaonlineはイタリア市場の62%にリーチし、2,720万人ものユニークユーザーを獲得しています。
ItaliaonlineのパブリッシングマーケティングディレクターのDomenico Pascuzzi氏は、次のように語っています。「今日、動画は最も魅力的なオンラインコンテンツです。だからこそ動画コンテンツのオーガニック検索順位を上げ、クライアントに新たな動画コンテンツを提供するために、動画SEOのベストプラクティスを優先的に導入しました。」
「提供されたドキュメントのおかげで、コンテンツの統合プロセスはスムーズに進みました。」とItaliaonlineのパブリッシングアドテクニカルディベロップメントディレクターのGionata Matteucci氏は述べました。
実装後の動画ページのパフォーマンスをモニタリングするために、ItaliaonlineはSearch Consoleの動画のインデックス登録レポートを使用し、さらに修正すべき点についての見解も得られました。このことを念頭に置き、動画の構造化データを実装したところ、オーガニック検索における動画のクリック数が841%、表示回数が353%増加し、動画インデックスのエラーは85%減少しました。
ABP Newsは8つの地域言語でコンテンツの発見されやすさを強化し、トラフィックが30%増加
ABP Newsはインドの大手ニュースメディアで、8つの地域言語にまたがる動画コンテンツの大規模なコーパス(データベース)を有しています。ABPは、構造化データを追加し、Google検索における動画のベストプラクティスを採用し、動画の主な出来事(Video key moments)のような新機能を試験的に導入することで、Googleでのコンテンツの発見されやすさを最適化しました。
「ABPネットワークは、広範な動画によるニュースコンテンツを保有しており、これはニュースコンテンツの拡大にとって重要です。8つの地域言語すべてに動画のベストプラクティスを導入することで、動画コンテンツの発見されやすさが向上し、トラフィックが30%増加しました。」——ABPネットワーク、最高経営責任者、Avinash Pandey氏
引用)Search Central Blogより和訳
動画SEOを検証しやすくしているGoogleとその活動を啓蒙
Googleは、今年の2月にSearch Consoleの動画レポートでより正確にインデックス報告できる新機能を追加しました。その後、検索結果に表示される動画のサムネ位置を変更しました。そして、Search Consoleでの動画ページのインデックスエラーについてその点を具体的に表示するようになりました。こういったことからも動画SEOを推奨する準備を整えていることが分かります。
とはいえ、動画SEOについて、品質をああしろ!こうしろ!というのではなく、あくまでも検証やチェックをすることを推奨する程度に収めています。具体的には、冒頭でも申し上げました3つです。
- 動画の(入っている)ページに構造化データをマークアップすること
- リッチリザルトテストツールを使って動画ページの構造化データマークアップが正常に機能しているか確認すること
- Search Consoleの動画インデックスレポートを確認して、Google検索に正常にインデックスされているか確認すること
動画SEOを行う際は、まずこれらのツールを使って検証しながら進めましょう、という話でした。