施策キーワードで上位表示を達成したサイトオーナーから「これで安泰ですかねぇ?」と相談されるケースが多いです。SEOに終わりはないということは分かっていつつも、不安に感じられるケースはあるでしょう。そこで、私の意見をふわふわっとご紹介させていただこうと思います。
クリック率と検索品質評価ガイドラインに注目
Googleはとにかく検索ユーザーのインテント(検索心理)を読み取ろうとしています。もちろんそれは検索に対して合理的な検索結果で応えようとしているからです。そして、検索クエリを3つに分けて管理しつつ、常時検索結果サイトページの品質を2つの方法(クリック率、検索品質評価ガイドラインに合わせた有志雇用によるチェック)で管理していると推察しています。もちろん2つの方法だけなはずはなく、様々な要因やシグナルが影響していると思いますが、とことん単純化すればこれらは明確に作用しているのではないかと個人的に思っています。
- 案内(Navigational)クエリ:(指名クエリ含む)見たいサイトが決まっている検索
- 取引(Transactional)クエリ:行動を起こす前提の(どこかのサービスを利用する)検索
- 情報収集(Informational)クエリ:知りたかったり、悩みを解決したい時の検索
クリック率とは検索結果画面からのクリック率で、SEO研究者の中には「クリック率が順位変動に影響している」と言う人もいますし、一方でGoogleは「クリック率は直接的なランキング要因にはなっていない」と明言しています。しかし、ある取引型クエリにおいて、サービス企業サイトページと比較サイトページが上位表示されていて、比較サイトページの方がクリック率が高い傾向にあれば、Googleは検索結果順位を上下させるくらいはするのではないでしょうか?なぜなら「この取引型クエリの場合は比較サイト系の方がユーザーにとって喜ばしいかも」という解釈ができるからです。結果、サイトページの種別という観点から検索順位が変動した場合、これは「クリック率が順位変動に直接的に影響している」と言えるものなのか…という話になりますよね。
つまり、上位表示しているサイトページだからといって安心してチューニングや分析を怠るのではなく、クリック率が仮説立てた一般的数字に対してどうなのかという検証を繰り返す必要もあるわけです。そして検索ユーザーにとってそれが興味関心を示せている内容か(=クリック率が高いか)を自問自答し続けることが重要になってきます。これは常時Google Search Consoleを使ってクリック率を分析しつつ、検索結果画面のキャプチャ等もアーカイブ化して、傾向を追っていくと良いでしょう。
検索品質評価ガイドラインに関しては、比較的検証が容易です。自分がチェック者となって、ガイドラインに合わせて感想を箇条書きにしていけば自ずと短所が見えてくるはずです。そしてそれを改善していけば良いわけです。
E-A-Tの話もありますが、単純な話、アクセス数を伸ばし、サイトページから発信している記事やサービスに責任の所在が明確化されているようであれば良いと思います。それが責任感のある内容に繋がるわけですし。あとは責任の所在にあたる責任者が何者なのかという点です。
上位表示サイトはその検索結果画面の責任者?
以上が私の見解です。もうご理解いただけるかと思いますが、アルゴリズムによってたとえ検索順位が1位になったところで、検索ユーザーからの支援(クリック)が無ければ、アルゴリズムとは別軸で順位下落する可能性があるわけです。ですので、安泰なんてものはないと思います。
むしろ検索結果1位になったサイトページオーナーは「自分が1位にいることで、この検索結果画面は健全か」ということを損得勘定抜きで自問することが大事なのではないでしょうか。その結果、所有サイトページを改善していければ、結果的に1位に有り続けることもできるのではないかと考えています。