たまには、こうした基礎的な話を追求するのも面白いかな、と思いまして…今回はアンカーテキストについて書いてみたいと思います。アンカーテキストとは、から考えることで原理や概念を知り、そこから発生するサイト内部リンクにおけるアンカーテキストの考え方、外部リンクを発する場合のアンカーテキスト等を私なりに考えてご紹介していきます。意外とアンカーテキストも奥が深いんです。
アンカーテキストとは
HTMLで別の箇所(ページやファイル等)にリンクする場合は、<a>タグで特定の文字列を括ります。その文字部分をクリックすると別の箇所にリンクされる仕組みです。その文字列のところをアンカーテキストと呼びます。簡単にソースコードでご紹介すると以下になります。
つまり、アンカーテキストをクリックすれば、その該当URLへ飛ぶことができるので、イメージとしては「○○(アンカーテキスト)と言えばこのページ(リンク先URL)だよね」というニュアンスになります。言うなればアンカーテキストとは「次のページに行く標識部分」となり「次のドアへの表札」みたいなものですね。
ちなみに、このクリッカブルな部分が画像だった場合、検索エンジンは画像のaltテキストで「次のドアへの表札」を判断しますので、「ユーザーにとっては画像が表札&検索エンジンにとってはaltが表札」って感じですね。そう考えると画像とaltの適正についてもなんとなくご想像いただけるかと思います。
内部リンクのアンカーテキストを考える
さて、そんなアンカーテキストですが、その「次のドアへの表札」となっているアンカーテキストが「こちら」とか「詳細」とかであちこちのドアに書いてあったらどうでしょう?
それまでのコンテンツの流れをよく読んでいたら分かるかもしれませんが、流し読みしている場合、どのドアにも同じことが書いてあったら次のページに進みにくいですよね。つまり、ドアを開けて(ページに進んでみて)からじゃないと情報が分からないサイトは、全体的に理解しづらいサイトという評価に繋がります。そしてそれはユーザーだけではなく検索エンジンにも言えることです。
よく、(案件、商品、記事などの)一覧ページでコンテンツを紹介しつつ、「詳しくはこちら」で飛ばしまくっているページがありますよね。
サイト内で他ページからの被リンクも乏しく、内部リンクで唯一入ってくる箇所が上記のようなページからのみであった場合、検索エンジンにとっては詳細ページが何の目的のページか理解しづらいのではないでしょうか。それどころか、結局どのページもクエリの重み付けがしづらくなってしまい、検索クエリに対するファインダビリティ性(見つけやすさ)や評価が充分でなくなるかもしれません。
そう考えると、内部リンクのアンカーテキストもしっかりページ固有の情報で文字列を組んだほうが良いということが分かります。少なくとも、一部のページから「詳しくはこちら」とかでリンクしているのであれば、それ以外のページからはしっかりとページ内容を推察できる端的な文字列をアンカーテキスト化すると良いでしょう。
内部リンクのアンカーテキストは被リンクページのh1タグを利用すると設置しやすくなりますが、h1を文章的に長く記載している場合は極力端的にして設置するようにしてください。長々しい表札って読んでいられませんからね。
外部リンクを受けやすくするために外部リンクを発する時の気持ちを考える
さて、今度は外部リンクをしてもらうためにちょっとだけ心掛けておきたいことをご説明します。これは実際に私が経験したケースですが、Webサイトを運用している時にいくつか参考にしているサイトがあったものの、いずれのサイトにも同じことが書いてありました。その際どれかひとつのサイトを参考元として紹介しようと思ったのですが、以下の内容に該当するものは「アンカーテキストを作るのが面倒くさいからいいや」という気持ちになりました。
- サイト名が分かりにくいもの
- titleが長いもの(&サイト名が入っていない)
- h1が長いもの
コンテンツ内容は他と同じで、被リンクを受ける機会があったにも関わらず、見送られてしまっては勿体ないですよね。参考にしたかどうかなんて、発リンク元のサイト運用者の正義や良心に依存してしまいますし、今やどのサイトページでも類似情報ばかりでなかなか差別化は図りづらいです。ですので、少しでも発リンク側の負担になるような要素は回避したいところでもあります。上記の例もありますので、逆に考えれば以下の内容に該当するものは「アンカーテキストを作るのも簡単だから発リンク設置しよう」という思いになりやすいのではないでしょうか。
- サイト名が分かりやすいもの
- titleが短いもの
- h1が短いもの
- titleやh1が長くても、ページのキャッチ画像内に10文字以内の明確なテキストがあるもの
これらを考えて設定するサイトページを作れば、発リンク側(外部リンクしてくれる側)もアンカーテキスト化がしやすいので、外部リンクが増えるかもしれません(もちろんコンテンツが良質であることが前提)。
アンカーテキスト作成は内部であれ外部であれh1とtitleに影響する
ここまでお読みいただいたらもうお分かりいただけるかと思いますが、内部リンクのアンカーテキストであれ外部リンクのアンカーテキストであれ、設置する際はh1タグやtitleタグの内容が大きく影響するということです。内部リンクであればh1タグの記載内容、外部リンクであればtitleタグの記載内容が特に重視されます。そして、それはユーザーにとっても検索エンジンにとっても分かりやすい統一性だと思います。
よく「アンカーテキストはどう設置すれば良いですか?」という質問を受けたりしますが、今回のようにメカニズムと概念を知ることで設置ヒントとしてご参考ください。