メンタルヘルスに関わることや心の病を抱えている人がGoogle検索をする傾向もあり、Googleでは様々な情報を検索結果に表示するようになっています。日本でも「こころの健康相談統一ダイヤル」が最初に表示され、その下には「一般社団法人日本自殺予防学会」が表示されたりします。それほど神経質になるくらい、Googleも深刻に捉えているようです。そしてこの度、米国では「the 988 Suicide and Crisis Lifeline(988自殺危機ライフライン)」を表示するようになったとのことで、そのThe Keywordの内容をご紹介します。
自殺予防のための施策
新型コロナ禍ということもあり、米国でも自殺は深刻な問題となっているようです。The Keywordの記事を和訳してご紹介します。
Google検索で見る自殺予防のためのリソース
米国では、健康やウェルネスに関する不安や疑問が浮かぶと、4人に3人がまずインターネットで色々調べることが分かっています。新型コロナウイルスのパンデミックにより、高品質でタイムリーかつ実用的な健康情報の必要性は高まり、実際に2020年以降、人々は以前の2倍も「メンタルヘルス・ホットライン」を検索しているのです。そこで、Google検索では危機的状況に陥っている人々をできるだけ早く信頼できる支援へと繋げられるよう取り組んでいます。
この度、米国で自殺防止に関する情報を検索すると、検索結果の上部に覚えやすいホットライン番号とチャットサポートを新たに表示するようにしました。新しい全国精神保健危機管理ホットライン番号「988」を反映させるために更新しました。「988 Suicide and Crisis Lifeline(988自殺危機ライフライン)」は、米国薬物乱用精神保健管理局(SAMHSA)が資金提供する200以上の州および地域のコールセンターのネットワークによってサービス提供されています。
自殺は、世界的に見てもあらゆる年齢層の人々の主要な死因のひとつとなっています。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、米国では10~14歳と25~34歳の死因のうち、自殺が第2位となっています。Googleは長年に渡り、自殺が関連する検索結果の上位に自殺防止情報を掲載してきましたが、この新しい「988」という3桁のホットラインへの移行より、精神的苦痛を抱えている人やメンタルヘルスの支援を求める人がより簡単に助けを受けられるようになると期待しています。
今年、メンタルヘルス関連のリソースに対する検索者の関心が過去最高を記録したことを受け、988は必要な人に対して重要なライフラインを提供します。「988 Suicide and Crisis Lifeline」の事務局長であるジョン・ドレイパー博士は「希望に満ちた新しい番号、それが988です」と述べています。「これは我が国のメンタルヘルスに対する取り組みにおいて、歴史的な瞬間です。988に電話やメールをすると、訓練を受けたカウンセラーにつながり、話を聞き、サポートし、必要なリソースにつなげることができるようになるのです。988へと移行してもらうことで、精神的な危機に瀕した多くの人々に手を差し伸べ、ケアに繋げたいと願っています」。
10年以上に渡り、Googleでは自殺、薬物使用障害、家庭内暴力などのテーマを扱う危機管理支援団体と緊密に連携して、人々を支援してきました。関連するクエリに対して信頼できる情報源から有用な情報を提供するだけでなく、地域の自殺危機管理パートナーと協力して、世界中の質の高い情報を紹介しています。米国以外でも、自殺ホットラインは数十ヶ国で利用可能で、最近ではコスタリカ、パキスタン、ベルギーにも機能を拡大しました。今後も、さらに多くの国でこの機能を利用できるように取り組んでいきます。
人々がGoogleにアクセスするのは、重要な瞬間に情報を探している時であり、そのような瞬間を安全に過ごすためには質の高い情報へのアクセスが非常に重要です。ホットラインの提供は、Google検索する人々の安全確保を継続的に支援する方法の1つになるでしょう。
引用)The Keywordより和訳
マイクロモーメントの大切さを痛感する一例か
心を病んでいる人にとって、衝動的に死を選ぶこともあります。独りで塞ぎ込んでいる時、何となくGoogleで検索し、そこに自殺を美化するようなWebページに出会ってしまったり、破壊的な情報に感化されてしまったりすると取り返しのつかないことになりかねません。
そんなマイクロモーメントを逃さず、極力簡単に、そして極力迅速に、手を差し伸べられるシステム(流れ)を組んだのが今回の米Googleということですね。日本もホットラインがありますが、もうちょっとアプローチしやすく施したのが「988」を活用したシステムということですね。
今回は自殺をテーマにした話ではありますが、消費者行動においてもこのマイクロモーメントは非常に重要ですので、今一度タイトルや説明文を考えながら1ページ1ページ向き合っていくと良いのではないでしょうか。