以前、キュレーションの行方について話したことがありましたが、あれから少し時間が経って、最近キュレーションやC2C発信メディアがどんな具合なのかをご紹介してみたいと思います。ちょっと主観も入れちゃっているかもしれません。
大きく3つの方向性に分かれるキュレーション
“キュレーション”という言葉自体、なんとなくもう印象が悪いような響きになってしまいましたが、大きく以下3つの方向性になってきていると推察できます。
- 機能の縮小や取捨選択
- 取り締まり強化
- 特に変更無し
機能の縮小や取捨選択
代表的なのは、ノウハウキュレーションの草分け的存在であるnanapiですかね。そもそもサービスの主軸であったユーザーによるノウハウ投稿機能が終了する旨、9月4日のメールやサイト内インフォメーションで告知されました。
nanapiは、「みんなで作る暮らしのレシピ」という考えのもと、生活に関するいろいろな「やり方」を投稿・共有し、困っている人や暮らしを楽しみたいと思っている人に活用してもらえるようなサービスを目指し、投稿型ハウツーを掲載するサービスとして、多くの皆さまにご協力いただき、運営してまいりました。
nanapiは昨年末に「健康・医療カテゴリー」を非公開としていました。私の知る限りnanapiは極めて真面目に、審査も厳しく運用していた印象がありましたが、「何か起こってからでは遅い」という判断だったのかもしれません。ちょっと残念です。
今年に入って、様々な世間の波によって縮小を余儀なくされるメディアは(有象無象含め)数多くあったと思います。
取り締まり強化
こちらの代表的な例はNAVERまとめです。昨年末のコメントや方針発表もそうですが、色々強化したせいもあり、まとめ内容も「Twitter情報をまとめただけ」感が否めません。情報鮮度や見やすさ等はあるにせよ、twilogやtogetterとの違いが分かりづらくなってきてしまっています。
また、キュレーションではありませんがC2C発信メディアという点では、本ブログで紹介してきている通り、Facebookがフェイクニュースや信憑性、攻撃的な記事やリンクに関して排除機能を充実・加速させています。こうした悪質なユーザーに対する企業努力も成功してか、Facebookに対する不満な声は縮小してきているように感じます(アクティブユーザーが縮小しているのかもしれませんが…)。
しかしながら、こうした取り締まり強化に関しては、(一部の大手メディアでないと正面切っての対策は出来ないことからも)費用面や工数面で相当な体力が必要になると推察できます。しかも、フェイクニュースの拡散支援業者も世界的に存在しているので、いたちごっこはまだまだ続くかもしれません。
特に変更無し
キュレーションではありませんが、代表的なのは最近ロゴをリニューアルしたYouTubeですかね。動画共有サイトとは言ってもC2C発信メディア。医療系には抵触しないとはいえ、度が過ぎたYouTuberが多いのも事実ですね。インサイダーまがいのことをするYouTuberもいれば、警察に迷惑をかけるYouTuber等、目立ちたいという自己承認欲求の吐き出し方を間違えているとしか思えない行動が多いです。法律云々の前に、モラルや社会性が欠落していると思います。
一方で、「てのこと」のように新しくキュレーションサイトが立ち上がるといった例もあります。こちらは厳密にはキュレートするというよりは、minneのように職人作品を紹介・購入できるようにしている機能性が強く、誰それ構わず記事を上げられるというわけではないため、自ずとユーザーハードルを上げています。
購入といえば、最近人気のフリマアプリ「メルカリ」ですが、これは若年層ユーザーが多いせいか金銭的トラブルも多発しているようです。私が利用している印象では、(出品者の入念なリスクヘッジにより)大事には至らないようなユーザー間努力がありそうですが(笑)。
もうちょっと混沌は続くかも
こんな感じで、メディアとしては各社色々な方向性を見出してはいるようですが、ユーザーの若年化(未熟化?)や悪質業者はまだまだ増加傾向にあるため、しばらくは混沌としていくと予測します。Google(≒YouTube)の取り締まりや対策もFacebook並に強化されてくるようになれば…もしくは大手メディアが何かしら取り締まってくるようになれば、様々なメディアの対応はまた違ってくるかなぁとは思いますが、現時点では解決策は見出せそうにありません。閲覧ユーザー側で情報発信ユーザーの見極めや信憑性を判断していくしかないでしょう。
しかし逆に考えると、そういう世の中であるからこそ、まじめな法人(企業)ほど発信力が高まりそうではありますが…。ちゃんとした裏付けのもと情報を発信していれば、ユーザーは(発信者が明瞭な企業だからこそ)信用してくれやすいと考えられますが…。どうなんでしょう?企業側もやはり情報の扱いは怖いものですかね…。