インターネット動画の動向

先日、Ustream Asiaが本国アメリカに戻り、アジア市場を撤退すると発表されました。HTTP/2も来年は注力すべきです。そこで、今一度動画の可能性を確認してみたいと思います。

ひしめく街並み

市場動向

動画メディアと言えばYouTubeが有名です。Facebookでもネイティブ動画広告が始まっています。そんな中、Ustreamのアジア撤退(以下)がございました。

12月1日にソフトバンクの子会社・Ustream Asiaが、アジアでのサービスを本国アメリカのUstream, Inc.に移行すると発表した。Ustream Asiaは日本・韓国を含むアジア地域でのサービスを独自にカスタマイズし提供していたが、これをアメリカに返すかたちだ。
引用元)ビジネスジャーナル

 
では、実際にはどれくらいの動画メディアが存在しているのでしょうか。ざっくり主要どころをご紹介します。

UGM系

  • MixChannel」:10代のユーザー層における10秒動画コミュニティ
  • TwitCasting」:手軽にライブ配信できるサービス
  • Vine」:6秒動画のコミュニティ

 

主に広告収入で運営しているB2C系

  • YouTube」:課金収入も有
  • C CHANNEL」:女性向けファッション、ライフスタイル動画

 

主に課金収入で運営しているB2C系

 

その他動画メディア

  • 料理サプリ」:動画でつくるプロのレシピ
  • Onp」:動画プロフィールサイト
  • Palmie」:イラスト・漫画の描き方を動画紹介
  • beable」:日本最大級のハウツー動画サイト

 
いかがでしょう?法人運営でないサイトであったり、公序良俗の見地からグレーだと思われるサイトを入れたら数え切れないほど存在しているはずです。

動画メディアとして

有象無象に存在する動画メディアですが、では今後動画メディアとしてどんなものに価値が見出されていくのでしょう?
既にリーダー戦略化しているYouTubeと同じ土俵に立つメディアは難しいでしょうし、チャレンジャー戦略化しているニコニコ動画等と肩を並べるのも難しいかもしれません。前述の「その他動画メディア」でご紹介したように、ハウツー系の動画も増えてきています。やはりハウツー系は実際に動画で教えてくれるのであれば非常に有難いですので、一定の市場価値は見いだせると思います。

ただ今後動画メディアを構築したり策定していく上では、動画サービスの切り口というのではなく、ジャンルの細分化がカギを握るような気がしています。例えば動物動画専門だったり(例:「どうぶつ動画チャンネル」)…レース専門動画チャンネルだったり…もしかしたら転職向けの面接専用動画メディアかもしれません(これはハウツー動画かもw)。いずれにしましても、TVにおけるCS同様、専門的な多チャンネル化というのも今後の動画メディアとしては増えていくかもしれません。

コンテンツとして

ここまでUGMやYouTuberが流行ってくると、一般人がオピニオンリーダー化することもしばしば。ヒカキン氏に代表されるような人物は、もはや存在自体がコンテンツ化しています。彼らの手法に代表されるのはやはり実演形式の動画紹介です。B2Cにおいて、その商品やサービスを「実際どうなのよ」という視点から分かりやすく紹介しています。広告や分かりにくいタイアップ記事、パブリシティ等、B2C情報過多だからこそ、こういったC2Cコンテンツが重宝されるのかもしれません。

動画参入検討企業の場合

私は最近、仕事の中で「動画を配信したい」という企業のご担当者様が増えてきている気がしています。そして、「動画配信はしたいのだが、何のメディアにどういう動画を配信しようか分からない」という悩みも多いようです。おそらく時代の潮流から動画に目を付けようとしているが…というのが本音でしょう。浅はかな悩みかもしれませんが、現時点ではそれも仕方ありません。

しかし単純にYouTube動画広告やFacebookネイティブ動画広告と判断するのも早急です。単純に企業アカウントのSNSで動画配信するだけでも良いかもしれません。まずは3Cを分析し、どんなターゲットにどんな感想や理解を促したいのかを熟考し、それから動画コンテンツを考えることが先決です。その後、その動画コンテンツを掲載するのに適している動画メディアを模索することが良いと考えます。
YouTubeやFacebookありきで考えますと、自社サイトに入れ込んだり、自社受付エントランスで流すには活用しづらくなったりしてしまいます。せっかく動画を制作したいと考えられているのであれば、広告配信を考えてメディア選定から考えるのではなく、動画コンテンツ内容から考えるようにしてみてください。こうして文章として記載すると至極当然のことなのですが、意外と現場に立ってみると考える順序が逆になってしまうケースもございますので、お気をつけください。

今後

いずれにしましても、日本のインフラやHTTP/2を考えますと、来年以降ますますインターネット動画市場は企業目線でもユーザー目線でも拡大していくと思われます。今年はインターネット動画元年という方もいらっしゃいますが、もっともっと動画発信する企業やユーザーは増えます。今後、動画メディアにしても動画コンテンツにしても参入を考える時は、しっかりと差別化要素を明示し、最終的に閲覧者にどういう感想や理解を求めたいかを戦略立てて考えた上で決定していくと良いと思います。

カテゴリー

新着記事

人気記事

過去記事