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meta:第3者機関のファクトチェック終了へ

既にTVニュース等に取り上げられていたので、ご存知の人も多いかと思いますが、metaでは、第3者機関によるファクトチェックを行っており、日本でも昨年9月に導入する旨発表しておりました。しかし、このファクトチェックを米国で終了する旨、発表しました。米国現地時間1月7日に、マーク・ザッカーバーグ氏本人の映像と共に発表していますのでご紹介しておきます。ちなみに日本では引き続き今のところ第3者機関によるファクトチェックは継続する模様です。ということは?…ってことなのですが。

Meta

どういうこと?

要は、Metaとして投稿等の不適切な要素やコンテンツを排除すべく、時事問題やその他重要な社会的要素に関わるものに関しては、第3者機関によるファクトチェックを実施しておりましたが、この度facebookやInstagram、Threadsにおいて、米Metaではファクトチェックを外し、利用者間で指摘し合える仕組み(𝕏のコミュニティノート)に変えると発表しました。

まずは、Metaの発表内容を一部和訳してご紹介します。

2016年に独立したファクトチェックプログラムを開始した時、Metaとしては真実の裁定者にはなりたくないと明確に述べていました。そこでMetaでは、その責任を独立したファクトチェック組織に委ねるという、当時最善かつ最も合理的な選択をしたと考えました。このプログラムの目的は、これらの独立した専門家が、特に拡散しているデマなど、オンラインで目にするものについて人々により多くの情報を提供し、人々が見たものや読んだものを自分自身で判断できるようにすることでした。

しかし、実際にはそうなりませんでした(特に米国では)。専門家も他の人たちと同様、独自の偏見や視点を持っています。これについて、何をどうファクトチェックすべきかという選択に迫られました。時間の経過とともに、人々が正当な政治的発言や討論だと理解する内容がファクトチェックプログラムの対象として厳格になりすぎました。そして事実、Metaのシステムでは、押しつけがましいラベルや配信の削減という形で表面化しました。情報提供を目的としたプログラムにも関わらず、検閲のツールと化すことが多すぎました。

そして、今Metaではこのアプローチを変更しているところです。米国における現在の第3者によるファクトチェックプログラムを終了し、代わりにコミュニティノートプログラムに移行します。このやり方は𝕏で非常に有効的のようです。𝕏では、投稿が誤解を招く可能性があり、より詳細なコンテキストが必要な場合、コミュニティが判断できるようにしています。また、様々な視点を持つ人々が、他のユーザーが見るのに役立つコンテキストの種類を判断しています。これは、人々に見ているものに関する情報を提供するという当初の目的を達成する上で、より良い方法であり、偏見が入りにくい方法でもあると考えています。
 

<中略>

 

コミュニティノートは、まず今後数ヶ月かけて米国で段階的に導入し、1年程かけて改善を続けていく予定です。移行にあたり、ファクトチェックによる制御を廃止し、ファクトチェック済のコンテンツ取り下げを活動停止します。また、投稿を見る前にクリックしなければならないフルスクリーンのインタースティシャル警告を表示する代わりに、見たい人に追加情報があることを示すような、もっと目立たないラベルにしていきます。

引用)about.fb.comより一部和訳

 

つまり、Metaの建前上の言い方としては「ユーザーの見る目を養うため、独自で判断できるようにするため、ファクトチェックで検閲してきたけど、過敏になりすぎて、むしろ発言の自由を束縛してしまい、ユーザーを排除するような形になってしまった。なので、“個人の意見ですよ。事実かどうかご自身で判断しつつ、背景情報を提供できる人はお願いします”というコミュニティノート型に移行するよ。」という内容です。

では、Metaの本音を私なりに推察し言い換えますと、「ユーザーの見る目を養うため、独自で判断できるようにするため、ファクトチェックで検閲してきたけど、過敏になりすぎて、むしろ発言の自由を束縛してしまい、トランプ大統領様を排除するような形になってしまった。なので、“個人の意見ですよ。事実かどうかご自身で判断しつつ、背景情報を提供できる人はお願いします”というコミュニティノート型に移行するよ。」ということかと。
 

メタは2016年から偽情報への対策としてファクトチェックの取り組みを始め、2021年の連邦議会への乱入事件を受けてトランプ氏のアカウントの停止に踏み切るなどトランプ氏との関係が一時、悪化しました。
しかし、大統領選挙後には、トランプ氏の大統領の就任式関連の基金に100万ドル、日本円にしておよそ1億6000万円を寄付するなど関係改善を進めていて、アメリカのメディアは今回の措置はトランプ氏が今月20日に大統領に就任することを踏まえた動きだと伝えています。

引用)NHKより一部

 

そして、NHKでは以下の内容も報道しています。
 

メタが第三者による投稿内容の事実確認、ファクトチェックを廃止すると発表したことを受け、国際的なファクトチェック団体などは批判する声明を相次いで出しました。
このうち、世界各地にあるファクトチェック団体などが加盟する「国際ファクトチェックネットワーク」のディレクター、アンジー・ドロブニック氏は、みずからのXで「日常の生活や友人や家族とのやりとりで物事を決める際に、正確で信頼できる情報を探すSNS利用者にとって打撃となる。ファクトチェックのジャーナリズムでは検閲したことはないし、投稿を削除したこともない。政治的な党派とは関係なく、透明性を重視する行動規範に従ってきた」とするコメントを出しました。
また「欧州ファクトチェック基準ネットワーク」も「ファクトチェックを検閲と結び付けるCEOの発言を強く非難する」としたうえで「今回の決定はトランプ政権が始まる中での政治的な動機に基づいた動きとみられる」としています。

引用)NHKより一部

 

長い物には巻かれろ

大統領選が始まった時からイーロン・マスク氏もトランプ氏に近づいており、またトランプ氏は前大統領時代にIT企業に対してドラスティックな判断を下したりした経緯もあり、今回のザッカーバーグ氏の決断も近い未来のMetaの行く末のために行ったと想像できますね。

GAFAMであれ、“長い物には巻かれろ”という判断をするということですね、少なくとも2~4年間は。

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