2月21日、facebookでは、写真や動画のコピーを他社サービスへ転送できる機能を実装したことを発表しました。データポータビリティという概念から検証を重ねてようやく実装に至ったようですので、今回はそのご紹介をしたいと思います。
データポータビリティって?
文字通り「データの軽便化(手軽で便利にすること)」となります。インターネットやインタラクティブな社会の場合、特定のサービスやアプリ、プラットフォーム内で蓄積した写真や動画等の情報(個人情報になりますね)を、特定のサービス内に留まらせず、自分で自由に他サービスに移行できたりすることです。このデータポータビリティに関して、プライバシーポリシーの見地からも含め、facebookではいち早く姿勢を示していました。
データ移行プロジェクトって?
そして並行して、2018年に複数のサービス間でデータを転送できるプロジェクト――「データ移行プロジェクト」が立ち上がっていました。これにはアップル社、FACEBOOK、Google、マイクロソフト、Twitter社が参画(コラボ)しています。
引用)Data Transfer Projectより和訳
facebookの新機能
そしてfacebookでは、個人情報のダウンロード方法に関して準備を進めながら、前述のデータ移行プロジェクトで開発したコードを元に、新しく「写真または動画のコピーを転送」機能を実装しました。これは、[設定]の[あなたのFacebook情報]から進むことができます。
とりあえず、今はGoogleフォトへ移行できるのみですが、今後DTPへの参画企業(サービス)が増えて行くことで移行先やインタラクティブ性は高まっていくものと考えられます。
利便性向上なるか
今回は(転送先サービスへの利用促進に繋がるリスクを背負いながら)facebookが第一人者となり、今後も大手プラットフォームやSNS中心に活性化するかもしれないデータポータビリティですが、私が思うにこの概念が進んでいくともっと利便性が高まるのではないかと思います。例えば、転職サイト同士のデータポータビリティやデータ移行プロジェクトが成立すれば、同じ履歴書で様々な転職サイトに一括登録できるようになるかもしれません。そうなると転職サイト側によるユーザーケアやサービス競争は激化しますが、ユーザーにとっては非常に有益になりますよね。同じように長期検討するような不動産や中古車販売等、希望事項を横串にデータベース化できるようになれば、どんどんボーダレスになっていきます。企業側や各サービス情報サイト側によるユーザーへの囲い込み戦略も精度が増していくでしょう。一方で情報流出リスクも拡大しそうで怖いですが…(笑)。
おそらく何年も先の話になりそうですし、企業としては性善説に基づいたプロジェクト参画が必須となりますが、いつかデータポータビリティが実現するインターネット社会になったら凄いですね。