Googleマップでお店を検索すると、☆マークや口コミが投稿されていますよね。飲食店であれば食べログのようなイメージで評価されていますし、Googleマップレビューはそれだけでなく様々な業種に関するレビューや口コミが記載されています。そして結構攻撃的な口コミや「ん?これ本当?」というような内容まであったりしますよね。今回は、GoogleがThe KeywordでGoogleマップ評価の仕組みについて説明していましたので、和訳してご紹介したいと思います。要は「ちゃんとヘイトコメントもチェックしてますよ」という話です。
レビューを参考にしてもらうために
Googleマップレビューが荒れるとユーザーは信用しなくなります。ユーザーは信用しなくなると他のツールと併用します。併用する他のツールの利用頻度が上がればGoogleマップを利用しなくなります。Googleとしてはそれは本望ではありません。ですので、健全且つ公平なレビューであり続けるためにコメントのチェックは欠かせないわけですね。以下、The Keywordでの公式記事です。
Googleマップのレビューの仕組み
糖質オフのカップケーキを置くパン屋さんや、ライブ演奏をしてくれる近くのレストランなど、新しいお店を見つけたい時、Googleのレビューは最高に楽しめる場所や売買手段を教えてくれる、地域の知識箱です。
Googleは、24時間体制で世界中の人々から毎日投稿される数百万件のレビューをサポートし、情報を適切かつ正確に維持しています。不適切なコンテンツを防止するためのGoogle活動の多くは、目に見えない舞台裏で行われています。今回は、皆さんがレビューの「投稿」ボタンを押した後に何が起きているかを解説します。
コンテンツポリシーの策定と強化方法
Googleでは、レビューが実際の体験に基づいていることを確認し、無関係なコメントや不快なコメントをGoogleビジネスプロフィールから排除するために、厳格なコンテンツポリシーを策定しています。
世の中の進化と共に、Googleのポリシーとその保護方法も進化しています。これは、Google上に掲載されている特定の場所やビジネスが悪用される可能性がある場合、テーマから明らかに外れているコンテンツや攻撃的なコンテンツからお店やビジネスを保護するのに役立ちます。例えば、政府や企業が特定の場所に入る前にコロナワクチン接種を義務付け始めた際は、各企業の健康と安全に関するポリシーや、ワクチン接種の義務付けに準拠していることを批判するGoogleレビューを削除するための特別な保護機能を導入しました。
一度こういったポリシーが策定されると、Googleのオペレーターと機械学習アルゴリズム両方にとっての学習材料にもなり、ポリシーに違反するコンテンツを見つけ出し、最終的にGoogleレビューの有用性と信頼性を維持することに役立っています。
機械学習によるレビューの節度維持
誰かからレビューが投稿されると、すぐにそのレビューがGoogleポリシーに違反していないかどうか確認すべく、モデレーションシステムに送られます。Googleのモデレーションシステムは、建物への不審者の侵入を防ぐ警備員のようなもので、GoogleのチームはGoogleに悪質なコンテンツが投稿されることを阻止しています。
Googleに寄せられるレビューの量を考えると、投稿されたコンテンツを適切に管理するには、人間が提供できる微妙なニュアンスも含めた理解の質と、機械が提供できる圧倒的な量をしょりするという、両側面が重要であることが分かります。それぞれにおいて違った重要性があるため、Googleはどちらにも多大な投資を続けています。
機械学習はパターンを特定するのが得意なため、私たちにとっての最初の防衛線となります。こうしたパターンは、コンテンツが正当なものであるかどうかを機械が即座に判断するのに役立つことが多く、偽物や不正なコンテンツの大半は、実際に誰かが目にする前に削除されています。
Googleの機械学習は、次のような多角的視点からレビューをチェックしています:
- レビュー自体の内容:攻撃的な内容や主旨から外れた内容が含まれていないか?
- レビューしたアカウント:Googleアカウントに不審な行動の履歴はないか?
- レビューされた店やビジネス:短期間に大量のレビューが投稿される等、不自然な活動が行われていないか? ニュースやソーシャルメディアで急に注目され、不正なレビューが増える動機がなかったか?
許容範囲のコンテンツと、ポリシー違反のコンテンツの違いを機械に学習させることは、繊細なバランスを必要とします。例えば“ゲイ”という言葉は軽蔑的な言葉として使われることがありますので、Googleのレビューで容認されるものではありません。しかし、だからといって機械学習モデルに「“ゲイ”という言葉はヘイトスピーチにしか使われない」と入力してしまうと、ゲイのビジネスオーナーやLGBTQ+の人々が安全に利用できるという宣伝文句のレビューをも意図せず削除することに繋がってしまうかもしれません。そういったことを防ぐため、Googleのオペレーターは定期的に品質テストを行い、機械学習モデルから不要なバイアスを取り除くためのトレーニングを行っています。特定の単語やフレーズがどのように使われているかを徹底的に学習させることで、ポリシー違反のコンテンツを検出する能力を高め、正当なレビューの公開を不当に妨げてしまう可能性を低減しています。
Googleのシステムがポリシー違反を検出しなければ、レビューは数秒のうちに投稿されます。しかし、レビューが公開されたからといって、Googleの仕事は終わりではありません。Googleのシステムは、投稿されたコンテンツを分析し、スパムのような疑わしいパターンがないかを監視し続けています。このパターン分析には、同じビジネスプロフィールにレビューを投稿し続けるアカウント群だけでなく、短期間に1つ星や5つ星のレビューが異常に多く投稿されたビジネスやお店等も含まれます。
レビューの信憑性と信頼性を維持する
ユーザー投稿ができる他のプラットフォームと同様にGoogleマップが不正や悪用に晒されることがないよう、常に警戒しなければなりません。その一環として、Googleマップを利用するユーザーが、ポリシーに違反するレビューにフラグを立てられるようにしています。Googleでポリシー違反のレビューを見かけたら、Googleチームに報告することをおすすめします。レビューされる側のビジネス担当者の人はこちらの自社のプロフィール上でレビューを報告することができ、一般利用者の人はこちらで報告することができます。
Googleのオペレーターチームは、フラグを立てたコンテンツを24時間体制で審査しています。ポリシーに違反するレビューを発見した場合、Googleからそのレビューを削除し、場合によってはユーザーアカウントを停止したり、訴訟したりすることもあります。
また、フラグが立ったコンテンツの審査だけでなく、不正利用の潜在的なリスクの特定にも積極的に取り組んでおり、不正利用が発生する可能性を低くしています。例えば、選挙など多くの人が参加するイベントが近づいている場合、そのイベントに関連する場所や、人々が地図上で探す可能性のある近隣のお店やビジネスに対して、より高度な保護を実施するようにしています。不正利用のリスクがなくなるまで、これらの場所や企業を監視し続け、信頼できるレビューのみを掲載するというGoogleのポリシーを維持しています。投稿されたコンテンツがどのように悪用されるかを分析・理解するための努力は、悪質業者を先んずるために必要不可欠なものです。
毎月10億人以上の人々がナビや探索のためにGoogleマップを利用しており、Googleは、彼らが見る情報(特にレビュー)が誰にとっても信頼できるものにしたいと考えています。Googleの仕事に終わりはなく、常にシステムを改善し、偽のレビューを含む悪用がGoogleマップから排除されるように努めていきます。
引用)The Keywordより和訳
レビューチェック体制は多角的
レビューに対するGoogleチェックの見地としては、レビュー単体の内容、レビュー全体の内容(流れ)、レビュー者(の言動)、レビューされるお店側(の言動)、世間の流行や外的要因、という様々な見地から行われており、それはレビューした瞬間のマイクロモーメントだけでなく、その後のレビュー状況も監視しているとのことでした。
そしてここにも量の処理と質のフィルタリングに機械学習が利用されており、フィルタリングルールを幾重にも張り巡らせているようです。「これはこういうルールでやるけど、杓子定規にそれやると副作用があるから、その場合はこうする」みたいなフィルタリングルールを機会と人間で作成して対処しており、その工数と運転にはかなり投資しているとのことです。
というわけで、安心して皆さんもGoogleマップレビューを積極活用しましょう(笑)。