ベニス・アップデートに伴い、ベニスの対象となるキーワードを施策しているサイト運営者の中には「どうしたら良い?」と嘆かれている方も多いと思います。私もすでに何件もご相談いただいておりまして…そこで、今回はベニス対策の一環としてのご進言内容をまとめました。全てではないと思いますが、何かのご参考としてお含みおきください。
そもそもサービス対象外のエリアで検索順位を上げたいのか?
まず必ず私が確認していることは「貴社サービスが順位下落しているエリアはサービス対象であるか」というのを確認します。対象サービスとして含有されているエリアなのであれば、それはちゃんと伝達すべく検索順位を上げる努力をするに値しますが、対象サービスのエリアではない場合、それでも検索順位を上げることは容易ではありません。(ビジネスとしては無駄とも思える)各エリア毎のコンテンツを作成し、しっかりと検索ニーズに答えている(かのような)コンテンツを生成し…のような施策を行う必要があります。もちろん該当するエリアに存在する別サイトからの被リンクも受けるように頑張らなければならないでしょう。
しかし、この努力は果たして”あるべき努力”なのでしょうか?ベニス・アップデートはコンテンツやサービスだけでなく、サーバーのIPや実在する店舗・施設等からも判断しており、いずれ精度が上がった時に順位が本来の位置に戻る可能性もあります。従って、正直私はオススメしません。そこに力を入れるよりも”サービス対象のエリアからのトラフィックを最大化しましょう”というご進言をします。
サービス対象のエリアからのトラフィック最大化
サービス対象のエリアからのトラフィックを稼ぐというのは、一般検索からの流入を最大化していくということです。検索数は能動的に増加させづらいので、検索からのクリック数を上げる(クリック率を高める)ということになります。具体的には以下の手法が考えられます。
titleタグ(OGタグ含む)の改善
クリック率を最も左右するのは検索結果のタイトルです。タイトルが魅力的であれば(≒ユーザーの検索心理を解消するようなタイトルであれば)、自ずとクリック率は伸びるでしょう。しかし、だからと言って単純にtitleタグを書き換えただけでは勿論不充分です。ユーザーにとって魅力的なコンテンツが何かが分かれば、ページ自体を改変しtitleタグを変更することができるでしょう。
descriptionの改善
こちらも検索結果のスニペットとしてクリック率を左右する大きな要因のひとつです。100文字~120文字でユーザーの検索心理を解消するような単語を織り交ぜた文章が必要となります。勿論それが最も大事なのですが、追加でご紹介しますと、昨今伸びているスマホ流入も視野に入れて、スマホも考慮したdescriptionの設定が大切になってきています。スマホは私が確認したところ、60文字(120byte)程度でスニペットが切れるので、一旦60文字でページ内容を意図した文章を成立させる必要があります。
リッチスニペット
構造化データのマークアップのことです。検索結果におけるスニペットが華やかであればあるほど目立ちますので。構造化データのマークアップによるリッチスニペットはロングテールキーワードになればなるほど効果を発揮しやすいです(細かなマークアップは下層ページに適用範疇が広がる≒ロングテールキーワードの対象ページになりがち)。余力があるうちに構造化データの種類を確認し、マークアップしていくことをオススメします。
キーワードの検索心理(ニーズ)を捉えるには
施策キーワードに関して世間はどんな内容を求めているのか、Yahoo!知恵袋、教えて!goo、OK Wave、Yahoo!リアルタイム検索、その他SNS等を分析して、ニーズを拾う必要があります。このニーズを解消するコンテンツページを展開していくことが上記各施策に繋がっていきます。
エリアを広げた解釈で訴求したい
さて、ここまでお話するとサイト運営のご担当者様からある質問が出てきたりします。「例えば、大阪に対象サービスがあるが、兵庫の人でも京都の人でもその大阪のサービス対象内であれば”大阪&兵庫&京都エリア”として案内できるのではないか」という意見です。勿論、サイト運営のご担当者様の理念で考えれば仰る通りです。しかしながら、(同じSEOの力があるサイトページ、対象サービスであることを前提に)「兵庫の人に兵庫を案内」が良いか「兵庫の人に大阪(&兵庫&京都)の案内」が良いかと言えば…限界があるとは思います。この辺に関してはNearcasting(詳細は「[解説] Googleベニスアップデート、地元密着の事業者やメディアに恩恵?」でお話されています)という概念が働くと思いますので、その限界値を承知で施策付けするのかはサイト運営者のROI見地に委ねられると思われます。
対象エリアサービスであれば
以上を踏まえて、ベニスの対象となるキーワードでの施策エリアとサービス対象エリアが合致している場合、まず私がご進言するのは、内部リンクとパンくずです。
ベニスによって以下の2つの現象も確認できています。
検索結果におけるタイトルの書き換え
例えば、Googleの検索設定で東京地域に設定している時、東京で展開しているサイトが上位表示されていると、そのサイトの検索結果のタイトル末尾に「 – 東京」等と入っているのを確認しています。おそらくGoogle側から「このサイトページは東京ですよ」というユーザーへのシグナルである印象を受けます。
ランクインページの相違
Googleの検索設定で東京地域や大阪地域、福岡地域に設定している時の検索結果に出現するページが、同じサイトでも異なったりしています。不動産関連の検索クエリだとその現象が顕著に表れているのがよく分かります。
この2つの現象から推察すると、まずは対象エリアのページをしっかり作り込むことが大大前提ですが、その上でGoogleにしっかりと対象エリアのページがあることを伝達することが重要であると考えられます。そのためには内部リンク構造やパンくずの設定が必要です。全国展開しているのであれば尚のこと「全国規模>〇〇エリア>〇〇県」等といったパンくずは効果的に機能するのではないでしょうか。
該当エリアページへの内部リンクは自然な形でエリア名を含有したアンカーテキストにすることは勿論、さらに構造化データでマークアップしつつ、極力静的に機能しているコンテンツ量を多めに構築することをオススメします。
その他の施策方法に関しては「ヴェニスアップデート後に必ず実行したい7つローカルSEO施策」もご参考にされると良いかと思います。
とりあえず、ベニス対策の初歩として今回はご案内させていただきましたが、また新しい発見や施策が見出せましたら改めてご紹介したいと思います。ちなみに、ここでは簡単に触れる程度でした”コンテンツ拡充”ですが、これは絶対条件と言えるほど大事な要素ですし、意外と自分自身が居ない(居なかった)エリアに対しては「このエリアはこんなもんだろう」と高を括るイメージがありますが、ちゃんと考えてコンテンツを作りましょう。おそらく400文字だとか1,000文字だとか…そんな次元を条件にコンテンツを生成することなんてなくなるはずです。