2023年3月に米国本国で行ったEnglish Google SEO office hoursについて、フォローアップ記事を和訳した前回の続きです。全部で27個質問がございまして、今回はそのうちの後半15個をご紹介します。SEOオフィスアワーは、大体後半のほうが面白い質問が多いのでご期待ください。
質問と回答
2023年3月GoogleSEOオフィスアワーの議事録です。引き続き内容に関して何かあればGoogle Search Centralのヘルプコミュニティへ質問してくださいとのことです。今回ご紹介するのは、全27質問のうちの後半15個です。まず和訳したものをご紹介します。
13. なぜ私のWebサイトはインデックスされないのですか?
John:ハムザからいただいた質問です。「私のサイトのrobots.txtファイルをご確認ください。私のWebサイトがなぜインデックスされないかおうかがいしたいです。」
こんにちは、ハムザさん。お寄せいただいたご質問には、あなたのサイトのrobots.txtファイルのコピーもあり、そこにはサイトマップファイルとして提出するフィードへのリンクが含まれていますね。そこから、あなたのサイトをざっと拝見しました。良いお知らせとして、まずrobots.txtファイルがあなたのサイトを妨げているわけではありません。悪いお知らせとして、あなたのサイトのほとんどは検索のためにインデックスするほどの価値がないことです。これは技術的な問題ではありません。無料ダウンロードタイプのサイトで、アフィリエイトのダウンロードリンクがある動画や音楽の説明が中心で、テキストは他のサイトから転用した内容のようです。率直に私のオススメを申しますと、サイトを削除して、本当にあなたが情熱を傾けられる、誰かに共有できる知識を既に持っているトピックでサイトを作り直すことです。もし、サイト構築の技術面であなたが機能したいのであれば、既にコンテンツを保有していて技術面で困っている人と一緒に仕事をするのもいいかもしれませんね。参考になれば幸いです。
14. site:検索結果の変更は、コアアップデートの兆候でしょうか?
Gary:ジェイソンからの質問です。「site:検索結果の大幅な変化は、コアランキングシステムのアップデートの兆候なのでしょうか?」
いい質問ですね。答えは簡単です。違います。
15. SEOを目的として画像内のテキストをGoogleはクロールできるのか?
Lizzi:バートゥからの質問です。「私が自分のWebサイトにアップロードした画像の中にはテキストが含まれています。SEO用途でGoogle検索は画像内のテキストをクロールしてくれますか?」
Googleは通常、光学的文字認識で画像からテキストを抽出することができます。しかし、画像の文脈をより良く理解させるために、画像のaltテキストでその情報を提供する方が良いでしょう。スクリーンリーダーを使ってサイトを訪れるユーザーに役立つだけでなく、画像がページ内の他のコンテンツとどのように関連しているかを説明する機能にもなります。
16. Googleのページスピードシステムは、ページスピード向上のためのビューポートを考慮しているのでしょうか?
John:ニックからの質問です。「Googleのページスピードアルゴリズムは、ページ全体ではなく、ページスピードのために最適化されたビューポートコンテンツを考慮してくれるのでしょうか?たまにページ全体を読み込むのに時間切れになることがあります。」
ニックさん、こんにちは。検索に関しては、ページエクスペリエンスを測定する方法の一部として、Core Web Vitalsを使用しています。そのCore Web Vitalsには、ページの読み込み時間というご質問に最も近いと思われる最大視覚コンテンツの抽画時間、LCPが含まれています。LCPは、ビューポートに表示される最大の画像やテキストブロックのレンダリング時間を、ページの読み込みが開始された時点からの相対時間で表示する指標です。これは、あなたの懸念事項も考慮しているでしょう。詳しくは、Core Web Vitalsに関するドキュメントを用意していますし、Core Web Vitalsのディスカッショングループもありますので、詳しはこちらにご質問されると良いでしょう。
17. アラビア語圏のGooglebotに問題はないのか?
Gary:ミレラからの質問です。「アラビア語圏のGooglebotのカバレッジの問題でインデックスに影響するようなことはありますか? GSCは私たちのサイトマップを取得することができているようではあります。」
Googleがサイトマップを取得できない理由はたくさんあります。しかし、最も多いのはフィードの品質、もっと言えばフィードを通じて送られてきたページに関するものです。サイトマップは検索に表示されることを目的としているものではないこともご理解ください。ただし、今の運用を続けていれば、アルゴリズムがコンテンツを再評価して問題が解決するかもしれません。
18. 自分のドメインにDE、AT、CHのサイトがある場合、DEをhreflang ‘de’でマークすべきでしょうか?
Lizzi:フレデリックからの質問です。「私のドメインにDE、AT、CHのサイトがある場合、DEは私にとって最も重要な市場なので、hreflang ‘de’(‘de-de’ではなく)でマークすべきでしょうか。」※ドイツ(DE)、オーストリア(AT)、スイス(CH)
‘de’でも‘de-de’でも構いません。それはあなたの目標や、国別にターゲットを絞る必要があるかどうかによります。例えば、スイスのユーザーが.de国のサイトにランディングしても問題ないのであれば、‘de’だけで問題ありません。
19. Googlebotが、パスワードで保護されたまだ公開していないWebサイトを見つけた場合、Webサイトはどのように再クロールされるのでしょうか。
John:リアからの質問です。「Googlebotがパスワード設定された未公開Webサイトを検知した後、401エラーコードを解除したら、そのWebサイトはどのように再クロールされるのでしょうか? 私たちのサイトは当時未公開で、パスワード設定していました。その後、11月にGooglebotによるクロールがありましたが、ブロック扱いになっていたようです。サイトを再びクロールさせる方法についてどうすれば良いでしょうか。」
こんにちは、リア。ご指摘のサイトをざっと見てみましたが、今は普通にクロールしているようですね。そして、それが本来あるべき姿です。ステージングサイトをパスワードでロックすることは、一般的に推奨される方法です。サーバーがダウンしたときやページが消えたときの場面でも、Googleのシステムは時々再クロールを試みます。これはSearch Consoleでクロールエラーとして表示されますが、サイトにアクセスできるようになったら、再びページをピックアップしてインデックスするようにします。そして、サイト内の何かを永久に削除した場合においても、時折発生するクロールエラーは正常であり、心配するようなものではありません。
20. アプリストアのサイトリンクを生成するにはどうしたらいいですか?
Gary:オリビアからの質問です。「Search Consoleチームの皆さん、こんにちは。いくつかのメディアのWebサイトが、iOSやGoogle Playのアプリストアを指すサイトリンクを持っていることに気づきました。例えば、The Washington PostやTimes UKなどです。このようなサイトリンクを生成するにはどうすれば良いでしょうか?ご回答よろしくお願いします。」
私はSearch Consoleチームではなく、Searchチームの人間ですが、これには答えられると思います。一般的には、サイトリンクはナレッジグラフから発生します。モバイルアプリが、例えばディープリンクやアプリストアでWebサイトを提供するなどしてWebサイトに関連付けられ、そこからGoogleが学習できるようになると、そのアプリが何らかの形でGoogleの検索結果に表示されることがあります。時にはアプリの結果として、時にはサイトのリンクとして。
21. 構造化データの中に他の構造化データを内包することは良いのでしょうか?
Lizzi:プラバルからのご質問です。「ある構造化データを別のタイプの構造化データの中に追加することは良いのでしょうか?例えば、Q&A構造化データの中にカルーセルの構造化データを追加するなど。」
はい、むしろ構造データをネストすることによって、ページの主役は何かを理解することができます。しかし、例えばレシピとレビューの構造化データを並列に置いてしまった場合、そのページのレビューがレシピの中にあると明確に伝わりません。つまり、このページの主役はレシピであり、レビューはその中の小さな構成要素に過ぎないはずです。ヒントとして、常に構造化データの機能を説明したドキュメントをチェックして、様々な構造データの種類の組み合わせに関する注意事項がないかご確認ください。現在、サポートされているカルーセル機能は、コース、映画、レシピ、レストランの構造化データ内のみで有効です。
22. なぜGoogleは一部のクエリでローカルビジネスの地図結果を表示しないのですか?
Gary:タイソンによる質問です。「“結婚式の招待状”という検索語に対して、Googleはローカルビジネスマップの結果を表示しなくなりました。なぜでしょうか?」
異なるクエリに対してどのような検索機能を表示するかは、非常に流動的な仕組みであり、ユーザーの位置情報など多くの要因に依存するため、同じような検索結果になることもあるでしょう。あまり気にかける必要はありませんよ。
23. ソフト404エラーがあるページを、Googleはどのように定義しているのでしょうか?
Lizzi:ラジーヴの質問です。「Googleのソフト404エラーガイドラインがありますが、ソフト404エラーのページをGoogleはどのように定義しているのですか?」
こんにちは、ラジーヴ。ソフト404エラーは通常、何らかのエラーが発生しているときに表示されます。例えば、ページで読み込むべき情報が見つからない場合、404ページと同じような見た目になるでしょう。あるいは情報の読み込みに失敗した時に、何らかのエラー文字列が表示されている可能性もあります。URL検査ツールでGooglebotのページビューを確認し、問題がないかを確認することができます。あなたの場合、対象のページが求人検索結果のページとして、そのページ上に求人の一覧があれば情報の読み込みに失敗したとかで「求人が見つかりません」というエラーメッセージにはならないはずです。しかし本当に求人情報が無いのであれば、そのページはインデックスされるべきではないでしょう。ソフト404のエラーが意図した通りに機能することもありますし、意図せずにエラーが表示されている場合はSearch Console上のエラーも無視して構いません。
24. 企業が異なるサービスを提供している場合、Webサイトを2つ持つ方が良いのでしょうか?
Gary:エイドリアンからの質問です。「例えば、語学コースとITコースなど、異なるサービスを提供する企業がある場合、SEOの観点からは2つのWebサイトを持つのと1つのサイトを持つのとどちらが良いのでしょうか?」
これはSEOというよりも、ビジネス上の判断に近いと思います。設定によっては、2つのWebサイトを持つことで多額の維持費が発生し、2つの別々のドメインがもたらす利益を上回ってしまう可能性があります。もしそうならないのであれば、異なる地域のユーザーや提供するコースのカテゴリごとに異なるWebサイトを持つことは、特に国別のWebサイトの場合は役に立つことがあります。例えば、iOSユーザーや英語圏のユーザーと、ドイツ語圏のユーザー向けにそれぞれ別のサイトを提供している場合等ですと、ユーザーの来訪と閲覧傾向が高くなる傾向があります。
25. 「このURLはこの場所のサイトマップには許可されていません」とはどういう意味ですか?
Lizzi:ザインからのご質問です。「XMLのhreflangサイトマップで『このURLはこの場所のサイトマップには許可されていません』というエラーはどういう意味ですか?私はサイトマップ送信の際に、両方の国のサイトのhreflangを送信しましたが、エラーが発生してしまい解決方法がわかりません。」
やあ、ザイン。Search Consoleで両方の国のサイトが認証されていることを確認したうえで、サイトマップで指定しているURLより上位の位置のURLを示してしまっているかご確認ください。それでも問題がある場合は、Search Consoleのヘルプセンターでサイトマップのトラブルシューティングのガイドを確認するか、フォーラムにサイトマップと機能していないURLの詳細を投稿してください。お役に立てますように。
26. オーガニック検索で、メイン画像と異なる画像が表示されるのはなぜですか?
Gary:マルティナからの質問です。「オーガニック検索で、リンク先の商品のメイン画像と異なる画像がリンクの横に表示されるのはなぜですか?」
Google検索結果内の画像は、必ずしもそのページのメイン画像ではなく、ユーザーのクエリに最も関連性の高い画像を、その特定の画像に対してGoogleが持っているシグナルに基づいて表示しています。
27. 番号付きのページネーションではなく、無限スクロールを使用することでどんな意味があるのでしょうか?
John:アダムからの質問です。「ECサイトでページネーションリンクとして番号を振らず、無限スクロールを使用することの意味はあるのでしょうか?」
こんにちは、アダム。Google検索の観点からの無限スクロールを理解することは難しく、その難しさの1つは、検索エンジンがコンテンツの次の項目を見るためにスクロールを行う動きを取り入れなければならないということです。実際には、Googleでは“viewport expansion”と呼ばれる技術でこれを行ない、ページを非常に長い電話のようにレンダリングしています。しかしこれは効率的とは言えず、無限にあるコンテンツを見ることができない可能性があります。そのため、無限スクロールに加えて、ページネーションリンクも用意することを強く推奨します。ページネーションによって、検索エンジンは特定のページに確実にアクセスできるようになり、可能な限り多くのインデックスを作成しやすくなります。ECサイトについては、Search Centralのドキュメントで詳しく説明しています。
やはり面白い質問がありました。個人的には、検索結果の横に表示される画像が狙ったのと違う(メイン画像を出したかった)という質問に対して、クエリに対する関連性で画像を選んでいるとのことですので、前後のテキストとalt等が重要だということです。あと、画像の中のテキストも一応理解しようとしているとのことでした(でも確実じゃないからaltを使ってね的な)。そして無限スクロールは苦手とのことです。この3つが私には実践的で面白い内容でした。
質問は具体的にしたほうが良さそう
やはり、Google側としては一般論的な質問をされると、Search Centralのドキュメントに記載されているような一般的な回答しかできないようですね。質問をするということは、疑問があるということで、疑問があるということはうまくいっていないサイトページがあるということなので…やはりその場合はURLを掲載してGoogleの中の人に見てもらった方が的確な回答をもらえそうですね。一般的な質問は、ドキュメント内容をなぞった回答しか出てこないので、第3者としても聞いていて面白くないですね。
というわけで、3月のオフィスアワーのご紹介でした。