ちょっとSNSが前進するような話でしたので、ご紹介します。Instagramでは米国現地時間2019年7月8日、コメントにヘイトな内容(攻撃的だったり、貶めるような内容)が含まれている場合、AIが判断して一旦踏みとどまらせるスキームを導入すると発表しました。
どんな内容?
簡単に言うと、Instagram内でコメントを入れる側が、攻撃的な内容を入力して投稿した場合、すぐにAIが検知して「以前に報告があったコメントと同様のコメントの場合は通知していますが、もう一度見直してみて」という案内表示がされます。そして、受け取った側はそのコメントを入れた人(アカウント)に制限機能を持たせることが出来ます。つまり、コメントを入力してもそのコメント入力者にしかコメントは見えず、受け取った側も他の人もコメントの存在すら確認できない機能です。
- 投稿しようとしているコメントが他者を傷つける可能性がある場合、事前に通知して再考を促す機能
- 特定のアカウントのコメントを非表示にし、ダイレクトメッセージに既読がつかない「制限」機能
以下のサンプルが一目瞭然に内容を理解できますね。
コメントに対する警告
アカウントに対する制御
AIと言っても、過去のフィードバックに寄せられたコメントをもとに形態素解析し、類似コメントに対してアラートが出る仕組みかと思われます。ディープラーニングとまで呼べるかどうか分かりませんし、現在のチャットボットと同じくらいの水準かと考えられますので、そこまで大それた仕組みではないかな、と。
大事なのは下記の点ですね。
ブロックしたりフォローを解除することで逆に反感を買いやすく、事態が悪化することを恐れ、泣き寝入りする人が多いようです。そこで今回Instagramでは、“そっとしておく”機能を追加したというわけですね。
それでもSNSやる派?やらない派?
今回のこのInstagramの記事では「いじめ」という言葉を使っています。もちろん、いじめは大人の社会にもある問題です(ハラスメントと呼びますが)。しかし、大人であれば面倒なことが起きたらSNSを止めれば良いと思う人もいるでしょうし、実際嫌なことを感じて止めている人も多いと思います。しかし、学生や子供たちの中ではそうはいかないかもしれません。友達との会話に取り残されないために一生懸命だと思いますし、もはやSNSを退会することは退学することと同等なのかもしれません。
私はヘイトコンテンツは利用者が生むものだから、それは利用者間で考えるべきで、プラットホーム側に責は無いと思っていました。しかし利用者を促進・維持させるためには、品行方正なジャッジが出来るようプラットホーム側も取り組まなければならないということですね。今回のような繊細な機能を知ることで、少し私自身も考えが変わりました。