「表示速度上げても検索順位が上がるか分からないんでしょ? じゃあ、そこに作業工数をかけません。」と言う人もいます。そんな時、私は閉口してしまいますが、それって本末転倒ではないでしょうか。
そこで、ちょっと私なりの意見を書いておこうかと思います。
目的は何か?
「検索順位を上げる」という目標を立てる人も多いと思います。誰かに立てられる人もいるかもしれません。しかし、そんな時は以下の内容を必ず関係者で共有することをお勧めします。それが無いと、冒頭の不毛な発言が生じてしまうからです。
- なぜ検索順位を上げたいんですか?
- 検索順位が上がったら何を期待できますか?
- サイトに訪問する人に何を期待しますか?
- 最終的に自分のサイトで何をしたいんですか?
仮に上の4つの質問に対して以下の回答を共有したとします。まぁ、実際には一番多い回答かもしれません。
- 検索順位を上げることでアクセスを増やす
- 順位が上がれば優良潜在顧客からのアクセスが増える
- 訪問した人にサービスへの理解と自分の商品の良さを知ってもらいたい
- 世の中への認知や社会貢献、そして自分達の売上向上
はい。
では、訪問した人にサービスを理解してもらうのに、表示速度が遅かったらどうでしょう?
しっかりと理解してほしいから説明するのに、まともに話せていなかったらどうでしょう?
それでも「SEO上、表示速度の影響インパクトは弱いから」と言って手を加えませんか?
とはいえ、表示速度に関しましては実際にSEOへの影響度は高いので、さすがにテコ入れをするでしょうが、他にもコンテンツにおける図解やグラフ表現、ユーザーが迷子になるようなリンクやサイト構造の改善だって同じことが言えます。
こういった課題を、全てGoogleやSEOというテクニカルな見地だけで解釈し後回しにする意味が私には一切分かりません。時間のせいですか?優先順位のせいですか?費用のせいですか?…面倒なだけですか?
変にSEOとして構えるから良くないのでは?
SEOという言葉が独り歩きしてしまっていて、それを止めるために色々な人が「Search Experience Optimizationだ」とか「User Experience Optimizationだ」とか唱えたりしますし、私も「Site Experience Optimizationだ」とか言ってみたりもします。つまり、“SEO=Googleの評価指標に対する策”だと潜在レベルで意識している人が非常に多いのです。
そこで、私が最近考えているのは、「SEOという形骸化した言葉で本来のガバナンスを損なうくらいであれば、サイトパフォーマンスという概念でサイト運用を捉えてはどうか」ということです。
何をするにも「それでサイトパフォーマンスはどう良くなるの?」という自問や共有をすることで、検索順位に囚われることなく、本来のユーザーコミュニケーションの活性化に注視することができるのではないでしょうか。そして、そうすれば「meta descriptionに関してはGoogleは評価指標に入れていないから」とか「altはどうでも良い」とか「title内容が適当に重複しても問題ない」とか「構造化データのマークアップは関係ない」等の非建設的な意見も無くなるのではないでしょうか。
さらに、「他社はどんなフォントやサイズで展開しているんだろう」「他社はどんなカラーリングでサイトイメージを作っているんだろう」「どういうサイトが使いやすいんだろう」という点にも注目することになってくるかと思います。
そしてその先には、SEO会社も「titleを変えましょう」とかのテクニカルな要件を伝達するだけでなく、より調査的・分析的な支援として機能していくのではないでしょうか。私はコンサルテーション形態に関しても、そういうサービス中心にビジネスできるように動いていく予定です。
サイトパフォーマンスを知るための調査
サイトパフォーマンスを良くしていくためには、世の中のあらゆるサイトを勉強し、各サイトの動向を追っていく必要があります。そして各サイトの動向を知ることで市場優位性を発見し、オリジナルを確立できていけると考えています。その過程の中でSEO優位もあるでしょうが、目指すべきはコミュニケーション最適化ですので、とにかくサイトパフォーマンスに注視すべきです。
そんなサイトパフォーマンスを把握するための調査や分析…つまりクロールとマイニングが出来たら…最高ですよね。私はそこに挑んでみたいと思います。