PLPとは

そういえば、ちゃんと説明したことが無いと思い、PLPについて触れておこうかと思いました。普通にWebサイトを運用している上では、そこまで気にする必要は無いのですが、今回はPLPの説明と、思い通りにいかない場合のちょっとしたテクニックを含めご紹介しておきたいと思います。

PLPとは

SEOにおいて、PLPとはPreferred Landing Pageの略で、ランディングページ(Landing Page)の中でも優先して(Preferred)上位表示させたいページ(≒上位にランクインさせたいページ)を指します。もう少し掘り下げて述べますと、サイト運用者が特定の検索クエリに対して(自身のWebサイト内の中で)最も上位表示させたいページを指します。ですので、“優先順位したいランクインページ”とでも言いましょうか——そんな言葉です。

ちなみに、このPLPという言葉はGoogle検索において使用されている言葉ではなく、あくまでもSEOに関わる人達が巷で呼んでいる言葉に過ぎないということも理解しておきましょう。Google検索は常に検索ユーザー側を見ていて、検索ユーザーにとって分かりやすいと(Googleが)ジャッジしたページを上位表示しているに過ぎないのです。ですので、PLPという言葉はサイト運用者側の主観的言葉であって、プラットフォームであるGoogleが使用するはずもない言葉です。つまり、サイト運用者側の都合において使用する、サイト運用者側しか使用しない言葉なのです。
まぁ、そういう仕組みだからこそ「実際にランクインしているページとPLPが違う」なんていうセリフが業界で飛び交うようになるわけですね。

では、具体的にどういう現象が「実際にランクインしているページとPLPが違う」ということになるのでしょうか。

例えば、「顔について」のディレクトリ内に「眉毛について」のページがあったとします。当然サイト運用者からすれば「眉毛」で検索した際は「眉毛について」で検索上位されることを狙っています。しかし、Googleが実際に検索結果に選んだ上位表示ページは「顔について」だった…というのが「実際にランクインしているページとPLPが違う」具体例です。
 


PLPのズレ例


 

この内容の例の場合は、明らかにGoogle検索側に落ち度があるように感じられるかもしれません。しかし、実際にはもっと色々な要素によってPLPのズレが生じるケースがあります。以下にそのケースを紹介します。
 

  1. サイト運用者としてはPLPとして特定のクエリに向けて明確に作成したのに、Google検索側で(情報が充分でない)ページを優先ランクインしている。
  2. サイト内の複数ページで内容が類似しており、どちらも似たようなページでややこしく、結果的にサイト運用者が意図しない方のページをGoogle検索が優先ランクインしている。
  3. 実際にGoogle検索側が優先ランクインしたページの方が検索クエリに対する親和性が高いものの、サイト運用者としては自社サービスを色濃く掲載したページをPLPとして希望している。

 

というわけで、このPLPと実際のランクインページが違う3つのパターンの解消法について、次に紹介・ご提案したいと思います。

PLPとランクインページの相違が起こった場合の解消法

前述の1.~3.のパターン毎にそれぞれ解消法を私の案としてご提案します。

1.の場合は、Google検索側も意図しないロボットの“ムラ”かもしれないので、しっかりとPLPが優先表示されるのを待ちましょう。しかし、もしかしたらGoogle検索に対するファインダビリティ性(見つけやすさ)に関するアピールが足りないかもしれません。そう感じるサイト運用者は内部リンク構造を見直し、適切なアンカーテキスト(上位表示したい検索クエリを含む自然なアンカーテキスト)でPLPに向けてリンク集中する設計を試みても良いと思います。他にも、例えば特定の検索クエリを含むアンカーテキストで別のページにリンクしてしまっているせいで、Googleに対して混乱を招いている恐れもありますので、アンカーテキストが適切かも見直しましょう(その理屈については「アンカーテキストを考える」参照)。

2.の場合は、後からページを作った際に、事前にあったページの存在をサイト運用者が忘れていた可能性が高いと思います。最初から類似したページがあると分かっていれば、元々あったページを改修するなり合併するなり、策はあったかと思います。ですので、新しいページを作成する際は必ずGoogleで「(該当クエリ)△site:(自身のドメイン)」と検索し、該当クエリで既に上位表示や親和性の高いページが存在するか確認しましょう。上記の眉毛ページの例で申し上げますと「眉毛△site:example.jp」と検索すれば良いです。で、類似したページがあった場合は新しいページに入れるべきコンテンツをどういう位置付けで設計するか考え直し、コンテンツ戦略を見直しましょう。これ以上はケースバイケースですので、都度ご相談ください。

3.の場合は、サイト運用者のエゴです(笑)。お近くの第3者にサイト運用者側のエゴになっていないか相談すると良いでしょう。「このクエリの検索者には、うちのサービスが絶対マッチするはずだ」という想いは、本当に検索者のタメになっているかどうか…ということですね。検索者には詳細な解説が欲しいだけかもしれませんし、解決策と様々なパターンのサービス紹介を知りたいかもしれません。多角的な視点でコンテンツを見直してみることをオススメします。
 

こんな感じでしょうか。
ちなみに、PLPと違うからといって、せっかく上位表示でランクインしているページからリダイレクトを設定するとか、canonicalを入れてPLPにロボットを向けるとか、は間違えても止めてください。上位表示ページのコンテンツが勿体ないですし、せめて統合するなりページ改修するなりして、抜本的な見直しを図るようにしましょう。
 

いずれにしても、しっかりと検索クエリや検索心理を要件として定義してサイトや更新方針等を設計していくことが必要ですね。

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