SEOにおいて、最も重要なシグナルのひとつであるリンク。もちろんそのリンクには内部リンクと外部リンクが含まれます。でも、内部リンク構造は注意深く構築しても、外部リンク構築を注意深く構築しないのが昨今のサイト運営担当者だったりしますよね。そこで、以前にも「外部リンクの集め方が分からない」でご紹介しましたが、今回は外部リンクの構築において考えるべき要素を私なりにご紹介したいと思います。
外部リンク構造における3軸
外部リンクを構築していく上では、大きく3つの軸から仮説と検証を行っていく必要があると私は考えています。つまり「どうやって」「何を」「誰に」外部リンクされていくか計画立てることです。それが以下3軸だと考えています。
外部リンク構造軸
1.どうやって:外部リンクのイノベーター理論を適用
2.何を:リンクされるページやコンテンツをカテゴライズ化
3.誰に:期待するリンク元サイトをジャンル化
この3軸が下図のように広がっていくことで、安定的且つ効果的な外部リンクプロファイルと権威性を充実させていくのではないかと考えています。
というわけで、以下3軸をご説明していきます。
外部リンクのイノベーター理論
外部リンクはイノベーター理論に則して構築されている印象が強いです。そこで、イノベーター理論に合わせて外部リンクがどう構築されていくか、私がいくつかサイトを運用している統計に基づいてご説明したいと思います。
過程 | 時期イメージ | リンク元サイト運用者像 |
---|---|---|
イノベーター | ~約1年後 | 知り合いサイトやゴミリンクに代表されるようなリンク集サイト |
アーリーアダプター | ~約1年半後 | Twitterやキュレーションメディア(NAVERまとめ等)、ブログ等 |
アーリーマジョリティ | ~約2年3ヶ月後 | 業界メディア運用者や追随するサイト等 |
レイトマジョリティ | ~約3年後 | 一般ニュースメディアや関連メディア |
ラガード | 約3年後~ | 一般ユーザーのSNS等 |
これは業界や運用サイトサービス、目的によって本当に異なりますので、飽くまで一般的イメージとして捉えていただければと思います。しかし、運用サイトに合わせてこんな概念(時期とリンク構造)を予め仮説付けておけば、外部リンクのKPIが設定できると思いませんか。そしてどういうコンテンツや働きかけを行えば良いか等という行動指針も見いだせるのではないでしょうか。
リンクされるページやコンテンツをカテゴライズ化
既にある程度リンクを受けているサイトであればリンク元を見れば判断しやすいと思いますが、どういったコンテンツやページであればリンクされやすいか仮説が必要です。そして、その仮説をカテゴリ別に作成してくと検証がしやすくなります。例えば以下4つのカテゴリに分け、運用サイトにおけるコンテンツページを事前に頭の中で振り分けて構築していくことで、どんな内容がリンクしてもらいやすいか、を検証することができます。
- どこよりも深く追及した専門的コンテンツページ
- 独自の意見や考え方を啓蒙するコンテンツページ
- どこよりも早く情報紹介したニュースコンテンツページ
- あまり他サイトで書かれていない切り口の話題
当たり前ですが、上記のようにカテゴライズしたら、それを実現するコンテンツページをしっかり作らなければなりません。制作中に上記に関して妥協しては検証もできません。検証のために仮説立てたカテゴライズは“やりきること”を前提にしましょう。
リンク元サイトのジャンル化
いわゆるリンクプロファイルです。どういうリンク元サイトからリンクを受けているかを仮説と検証を行う必要があります。これは競合サイト等のリンク元サイトを分析し、事前にジャンル化とその数、全体における率を仮説立てておく必要があります。それを先に述べたイノベーター理論に基づいて、「いつまでに」「いくつ」と外部リンクを指標付ければよい訳です。イメージで申しますと以下のような図になります。
何よりも大事なのは具体的な数字にすることです。そうすることで1つのコンテンツページにどれくらい外部リンクが付くか等もKPIとして検証できます。
最後に
この3軸をもとに外部リンク構造を設計し、そのための構築をKPI化すれば、結果的に外部リンク構築のためのコンテンツ設計や他メディアへの働きかけができるようになります。
漠然と「外部リンクを受けるためのコンテンツ作り」を暗中模索するよりも、こうして紐解いて外部リンクをプランニングするとうまくPDCAが回せるのではないでしょうか。冒頭で申し上げた通り、内部リンク構造をせっかく設計しているのであれば、同じように外部リンクを設計していくことで、サイトのSEOガバナンスも確立していける気がしています。
ただし、一応申し上げますと、最終的なリンクビルディングは飽くまでも他サイト次第(≒受動的)になりますので、そこは免責事項としてお含みおきください(笑)。でも働きかけは能動的に心がけましょう。