先日の「具体的な内部リンク改善手順」に続いて、今度はコンテンツの策定手順について私なりの考え方をご紹介したいと思います。コンテンツSEOという言葉が、私にはどうもしっくりこないので、こういうのをコンテンツSEOと呼ぶのかは分かりませんが、飽くまで私なりの手順ですので、イチ意見としてご参考くださいませ。
1.誰が誰に伝えたいか分析する
そもそもどんなサイトの誰が発するライティングなのか―サイト運営者は運営サイトのガバナンスを改めて確認する必要がございます。そして、どんなユーザーに知ってもらいたいコンテンツを作成するのか―「ターゲット・インサイト」をしっかりと分析しましょう。後々説明しますが、ここをしっかり構築しておかないと、結局誰にも刺さらないコンテンツがのんべんだらりと増えていくだけです。逆に、ここがしっかり構築できていれば、コンテンツ作成していく上で説明が必要な要素や言葉遣いも判断できます。「誰が」「誰に」という人物像をしっかりと頭の中に呑み込み、ライティング方針を立てていきましょう。
2.動態心理“AISCEAS”の確認
「サイト内外の情報設計」でも触れていますが、ユーザーが運営サイトにおいて行動するためには、どの段階の施策キーワードに対するコンテンツが必要で、そのコンテンツが何かを分析するために“AISCEAS”に則して考えることが重要です。
運用サイトのSEO施策キーワードが上記のうちどの段階のキーワードかを考察します。Attentionに位置するような施策キーワードはそれ以外全ての項目における施策キーワードを含有するイメージでコンテンツが必要になります(A>I>S>C>E>A>S)。同時にその各キーワードが分かれば、そこから紐解いてコンテンツの方向を作成していきます。
3.競合サイトの分析
検索上位のサイトコンテンツを知る
施策キーワードで検索した時の上位サイトをよく読み、どういうストーリーでどういうコンテンツが展開しているか確認しましょう。この時「site:競合サイトドメイン」で検索するとインデックスされているページが出てくるので、そのSERPs上で上位から順にtitleを確認するとページ内容を効率的に推察しやすいので便利です。
運営サイトの不足コンテンツを知る
先ほどの上位サイトのコンテンツからポイントとなる単語や簡単な文章を切り出し、それが自分の運営サイトにも充分な量と質でコンテンツ生成できているか確認しましょう。不足していたら、それは策定対象コンテンツです。ちなみに、この時も「ポイントとなる単語や文章△site:当運営サイトドメイン」で検索すると運営サイトでインデックスされているコンテンツページが出てくるので、過不足確認の発見が早まると思います。
これらから導き出されたコンテンツイメージは箇条書きとしてメモしておきます。
4.世論の分析
Q&Aサイトの分析
//www.related-keywords.com/やYahoo!知恵袋、教えて!goo、OKWAVEに施策キーワードで検索し、関連するQ&Aを確認します。そうすると施策キーワードにおいて、一般的にユーザーがどういったことに関心や疑問を持っているか分析できます(参考「LPの考え方」)。
SNSの分析
同様にYahoo!リアルタイム検索やTwitter、Google+、Facebook等でも検索をかけ、SNSでユーザーがどういったことに関心や疑問を持っているか考察します。
これらから不足しているコンテンツを導き出し、疑問や関心事項を文章化して、やはり箇条書きにして残しておくようにしましょう。
5.SCの分析/検索ボリュームと関連ワード/本を読む
Search Consoleの分析
Google Search Consoleの検索アナリティクスから表示クエリを知ることで、必要なコンテンツを洗い出します。表示回数が多いクエリなのに、検索順位が低いせいで流入していないのであれば、そのクエリを紐解くコンテンツが必要だと分かります。また同様に、サイトへのリンクからリンク元ページを閲覧することで、そのリンク元サイトページから運営サイトへリンクしている前後のコンテンツを洗い出します(⇒運営サイトを紹介するに至った文章の流れから、その流れをそのまま運営サイトに組み込むべきだと考察できます)。
検索ボリュームの分析
これは当たり前の話ですが、Googleキーワードプランナー、Yahoo!キーワードアドバイスツールを使って、関連キーワードとその検索ボリュームを確認します。“検索回数≒需要度”と仮定すれば、検索ボリューム順にクエリを並べるだけで、ユーザー動態のストーリーが見えてきたりします。
本を読む
足を使います(笑)。運営サイト業界における関連書籍を購読し、コンテンツ作成のための必要な知識を得ることが必要です。そして、読みながら自分自身が「なるほど!そういうことか!」と理解したことを書き記しておきましょう。なぜならば、自分が感動的に理解した内容は、すなわち運営サイトへの来訪ユーザーにとっても感動的に理解する内容だからです。
前項の3.4.で導き出したポイントとなる単語や文章、コンテンツの重要性や頻出具合に関して、この5.で裏付けが取れるはずです。また、この5.で新たに施策キーワードが浮かんだ場合は、あらためて3.4.からやり直す必要があります。
6.コンテンツのコンセプトとストーリーを自分の言葉で書く
最後に、3.4.5.で箇条書きにしたものを全て読み込み、書く順序を決めます。1.2.で導き出した市場に合わせてトンマナと追加説明情報、ライティング戦略を接着させて書き出すようにすれば、しっかりと運営サイトに見合った(自分の言葉)でコンテンツ作成できるようになるはずです。
そして、作成したコンテンツが外部リンクとして推薦されるようになったり、セッションとして来訪されるようになったら成功ですね。根気強く自分の言葉で書いた記事がリンク紹介された時の喜びといったら…それは是非味わってみてください(笑)。私なんて泣きそうになりましたよ(笑)。