ターゲット・インサイト

SEOを日々行っていると、検索順位やGoogleのアルゴリズムの探求に日々追われていて、プランニングにおけるマーケティングに関わる業務をなかなか行えず、そういうのは結局休日に考えていたりしています。でも、最近は仕事でメディアやサイトを作るケースが増え、また企業サイトのリニューアルに伴うコンサルティングも増えてきたので、ターゲット・インサイトやバイイング・システムを考える機会も増えてきました。そこで、今日はターゲット・インサイトについてメモ代わりにご紹介したいと思います。
人々

ターゲット・インサイトとは

文字通りですが、プロモーションを行う上でのターゲット(対象者)の行動原理や、動態、心理のことで、プランニングする際はここを仮説付けて考えることが重要です。サイトを設計する際にも、もちろんSEO上の分析(詳しくは「キーワードとサイト設計」)も必要なのですが、デザインやストーリー構成を行う上ではここの策定は必要不可欠です。特にLPの考え方においても重要な要素と言えるでしょう。
私みたいな企業サイトのコンサルティングを行っている者からすれば本当にここは重要なのです。企業のご担当者様と「ターゲットは〇〇みたいな人ですよね」と一言で伝達しても、私の思う人物像とご担当者様が思う人物像は違ったりします。当然、育ってきた環境や企業が違いますし、年齢も違いますので、そこで意思をマージ(共有)することは簡単ではないのです。先日、25歳くらいの同僚と40歳くらいの同僚と「日経新聞を毎朝読んでいる男性サラリーマンの年収っていくらくらいだと思うか」という話をしました。25歳くらいの同僚は「400万円」といい、40歳くらいの同僚は「1,000万円」と言いました。実際に合ってるとか以前の問題として、これだけかけ離れた年収だとプロモーションする上でも軸がブレてしまいますし、結構致命的なズレだと思うのです。ですので、ターゲット・インサイトで予めしっかりと策定しておくことは重要だと考えています。では、ターゲット・インサイトとはどのような項目を策定すべきなのでしょうか。

デモグラフィック

デモグラフィック・ターゲットとかデモグラフィクスとか言ったりしますが、要は具体的な要素ですね。社会経済学の話になっちゃったりしますので、ここでは簡単に項目だけご紹介しますが、

・年齢
・性別
・職業
・学歴
・年収(所得)
・家族構成
・居住エリア(ジオグラフィック)
・居住形態

等が該当します。ちなみに(特に最近は)年齢において、私はF1層(20歳~34歳)みたいに幅を持つことを推奨していません。TV業界でもあるまいし、多チャンネル化におけるインターネットの場合は3歳違えばジェネレーションギャップが生まれるくらいです。年齢設定は細かければ細かいほど仮説立てがスムーズになるでしょう。

サイコグラフィック

サイコグラフィック・ターゲットとかサイコグラフィクスとか言ったりしますが、これはライフスタイルや嗜好的な要素です。項目を挙げるならば

・趣味
・休日の過ごし方
・よく読む雑誌
・所有している車
・ファッション

等です。人柄等をマージすることが前述したご担当者様とのズレを避けやすいので、結構重要です。プロモーションにおけるキャンペーンやクリエイティブ、デザイン等でもここの要素を意識しておくことは大切ですね。

ジオグラフィック

ジオグラフィック・ターゲットとかジオグラフィクスとか言ったりもしますが、これは実店舗等の展開を考えた時の商圏として捉えがちだったりするので、インターネット業界ではそんなに耳にはしません。住んでいるところや勤務先住所等のことです。最近はデモグラフィックに含めるケースも多いですが、「田舎から観光で東京に来ている人」とか「在日外国人」等をターゲットとして考える時には必要になってきます。
ターゲット・インサイト

具体的にどんな場面で変わるのか

冒頭に、人とマージする上でも仮説立ては重要と言いましたが、具体的に何に影響するかというのを分かりやすく一部お話します。例えばターゲット・インサイトが具体的になっていると、サイト構築を考えた時、ターゲットがよく見るサイトを分析することで、アクセシビリティ(受け入れられやすい)フォントサイズやカラム構造を判断できるようになります。もちろん、年代別に受け入れられやすいデザインもありますし、言い回しだってあります。サイトに起用する人物やモデル像、ファッション等、あらゆるクリエイティブに影響するわけですね。コンテンツ設計によって内部リンク構造やUIはある程度決まっても、詰めの部分はターゲット・インサイトに合致した要素がポイントとなります。もっと言えば、どこかで意見がぶつかった時に、この指標に合わせてどちらの方が最適かという判断材料にもなったりするのです。企業間、上司、同僚、ベンダー等など…様々な方を対象に話を進めていくわけだと思いますが、ズレやブレが影響して自分が損しないためにも、こういうのはきっちり明確化しておいた方が良いのです。

策定アプローチ方法

さて、ターゲット・インサイトの重要性や項目は述べましたが、策定するまでの手段や材料も一部ご紹介しておきます。これは私の場合ですので、もっと色々なツールや手段があれば是非ご教示頂きたいのですが、まずはアンケートや調査ですね。調査会社を使うのが一番早いです。でも、これは調査費が捻出できることが前提のお話です。本当に大事なので、お金をかけてでも行うべきなのですが、まぁこんなご時世ですので、こすこは置いておきましょう。
また、お金をかけられない分、マーケティング会社のサイトに挙がっている公開データやアンケートデータも参考にします。私は5,6社のマーケティング会社の公開データページをブックマークしていますが、これがかなり有難い情報です。「業界に関係ないから見ない」とかではなく、あらゆる公開データを見ていくと業界を跨いだ意外な共通点を発見できたりしますし、本当に助かってます。
あとは、SNSを使ったりします。プロフィールを公開しているような方であればFacebookやGoogle+、Twitter等を使って閲覧し、その人の投稿傾向からライフスタイルや嗜好性等のサイコグラフィックを知ることもできたりします。当然サンプルとして数多くのアカウントを確認していかなければなりませんが、こういったものからも仮説立てできるんですよね。これも時代です(笑)。
他にはYahoo!リアルタイム検索です。「LPの考え方」でもご紹介していますが、検索したキーワード(単語)におけるTwitterやFacebookでの投稿やその日時、感情が分かりますので、かなり等身大に仮説付けしやすくなります。
最後に、私がよく行うのは該当者と話すことです(笑)。デモグラフィックで該当する知り合いにサイコグラフィックが作れるようなヒアリングやアンケートを行います。周りには様々な年代の方々がいますので、結構面白かったりします。でもこれはあくまで裏付け用程度に活用させていただいていますし、これをもとに策定することはリスクがあることは認識しています。

…というわけで

以上でございます。サイトやメディアを構築、リニューアルする際は絶対に押さえておかなければならない要素ですので、今一度ご確認くださいませ。

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