米国現地時間2月9日に、YouTubeはコミュニティを害する悪質なYouTubeクリエイターに対してマネタイズだけでなく、発見性も低下させる措置も施していくことを発表しました。日本でも話題となりましたが、あるお金持ちのYouTuberが日本の樹海で自殺者を発見し、その姿をYouTubeで流した問題に端を発する内容だと思いますので、ここでもちょっとご紹介します。
再生回数に目が眩むYouTuber
近年、YouTuberたる職業が定着し、私自身も素晴らしいYouTuberが沢山いることも知っています。実際、日本で有名なYouTuberの動画を観ていると、コンテンツ内容も然ることながら、その受ける人柄の印象も素晴らしく感じます。敢えてここでは触れませんが、謙虚で、観ていて気持ち良くて、素直な印象を受けるYouTuberを数多く目にします。しかし、その一方で再生回数やチャンネル登録数欲しさに犯罪に抵触する行動を起こしたり、人に迷惑をかけたり、目立ちたいがばかりにモラルに欠ける行動を取ってしまうYouTuberがいるのも確かです。海外では危険な行動をし、誤って自らの命まで落としてしまうYouTuberもいたりします。自分の存在を知らしめ、裕福になり、人生を豊かにしたいがために命を落とす…私にはまるで理解できません。
もちろんYouTubeも同様のことを感じており、1人のクリエイターのせいで大勢の閲覧者やコミュニティに害を及ぼす悪質なビデオに対しては取り締まりを厳しくしてきました。そして今回さらに取り締まりを強化し、厳しい制裁措置を加えていくと発表しています。
引用)YouTube Creator Blogより意訳
どんな制裁措置?
余りにも悪質な場合は広告収益の停止や様々な支援の解除だけでなく、動画自体がユーザーの目に触れないような措置を行っていくとのことです。
引用)YouTube Creator Blogより意訳
制裁措置の概要は以下の3つです。
- プレミアムマネタイズプログラム、昇格とコンテンツ開発パートナーシップにおける措置
Google Preferredからのチャンネルの削除、YouTube Originalsの停止、キャンセル、削除。 - マネタイズとクリエイター支援特権における措置
広告や収益機能の停止。クリエイターサポートを含むYouTubeパートナープログラムからの削除。YouTube Spaceの利用禁止。 - ビデオ推奨における措置
YouTube内でのお勧めやレコメンド機能等、チャンネル動画の推奨機能の停止。
実際に、その動画が表示されてこないというのはクリエイターに大きな打撃となる措置だとは思いますが、決してアカウントの強制削除等があるわけではないようですね。
問われる倫理観
再生回数やチャンネル登録数に応じて収益が向上するシステムである以上、クリエイターは増え続けるでしょうし、伴って閲覧ユーザーも増えるでしょう。結果的にYouTube市場も拡大するわけです。しかし、その副産物として、非常識なものや犯罪に抵触するようなクリエイターが生まれてしまうのも事実です。
Facebookの悪質な投稿への取り組みやTwitterによる表示制限機能等、CGMが様々な対応策に乗り出している中で、YouTubeの措置はどうも若干遅れがちな印象も受けます。
しかし、確実に風紀が良くなっていく措置だと思いますので、引き続きYouTubeの利用を楽しんでいきたいと思います。